使用する工具
まず初めに、当サイトの作品製作において、凸リベット作業に使用している主なツールを紹介します。尚、類似する代用品を使うことも可能な場合がありますので参考程度として下さい。
上の写真は、 趣味人ワークスから発売されている極小凸リベット成形ツール(Dr.リベット)です。ラインナップは全6種類(各一本入り)で、それぞれ0.18mmΦ、0.26mmΦ、0.33mmΦ、0.41mmΦ、0.50mmΦ、0.90mmΦの極小リベットを成形できます。薄厚のプラ板に先を押し付ける事で簡単に凸リベットを切り出し・保持しますので、接着剤(プラ用流し込み)を塗布して、ピストンを押すことで、凸リベットが対象面に押し出されて接着する仕組みとなっています。1/48スケールでは、商品番号:SW-002(0.26mmΦ)を使用します。
上の写真は、市販されている薄厚のプラ板(シート)です。打ち抜いて凸リベットのパーツ本体とします。1/48スケールでは、0.14mm厚程度のモノを使用します。
上の写真は、市販されている両面テープ(両面強粘着)です。打ち抜いた凸リベットのパーツの接着に使用します。同等の他メーカー品でも可能ですが、粘着フィルムの厚さは薄い方がよいので0.5mm厚程度のものを選ばれると良いでしょう。
凸リベット打ち作業の下準備
本サイトでは、Dr.リベット使用方法について、メーカー取り扱い説明(以下:取説)によるものと異なる方法で工作を行っています。よって、作業を始める前に別途下準備を行います。まず、メモ帳程度の紙を用意し、荷造り用の紙テープ(背面がツルツルのクラフト紙)を貼った下敷きを作ります。次に両面テープを貼り付けた薄厚プラ板(シート)の小片を作りますが、両面テープ部分は薄厚プラ板(シート)の長さより少し長めにします。そして、この両面テープ付き薄厚プラ板(シート)を先に作った下敷きの荷造り用の紙テープ部分に重ねて貼付けますが、両面テープの余長部分は紙部分に張り付けて固定します。
上の写真は、凸リベット打ち作業途中の状態です。薄厚のプラ板にDr.リベットの先を押し付けても、その下荷造り用の紙テープの剥離面の作用にて、粘着テープ付きの凸リベットのパーツを作成することが出来て、そのまま対象に極小凸リベットを貼り付けることが出来ます。
注意点は、Dr.リベット先の押し付け加減です。強すぎると荷造り用の紙テープも貫通して一緒に取り込んで貼付け不良が生じますし、弱すぎると粘着テープまで届かずに薄厚のプラ板のみの取り込みとなり貼付けができなくなります。下記にこの方法でのメリット・デメリットを記載します。
【メリット】
◆精度調整:粘着テープでの接着なので、凸リベット打設後も位置調整は容易。
⇔(Dr.リベット取説)凸リベット部品へ接着剤はプラ用流し込みタイプを使用するため、接着剤の乾きが早く位置調整時間が十分に確保出来ず精度が悪くなりやすい。
◆リペア補修:打設作業中や位置調整中に凸リベットと粘着テープとが分離しても、痕が残らず簡単に除去ができる。
⇔(Dr.リベット取説)凸リベット部品へ接着剤(プラ用流し込み)を塗布するため、接着剤の乾燥を待ってヤスリやカッターナイフ等で削り取る必要があり、痕が残る場合がある。
【デメリット】
◇接着強度:粘着テープでの接着なので、作業中に誤って触れた際に剥離や乱れを生じる場合がある。
⇔(Dr.リベット取説)凸リベット部品は、接着剤(プラ用流し込み)にて強接着となる。
※このデメリットへの対策として、凸リベット打設・精度調整後、その上に接着剤(プラ用流し込み)を塗布することでの接着補強(間に挟んだ粘着テープにより接着強度は低減)に加え、仕上げ塗装の塗膜形成でのコーテイングによる接着補強の二重補強化を図っています。
凸リベット打ち作業手順
手順の解説は、タミヤ製(新金型)1/48零戦22型/22型甲を作例に順次行っていきます。実機の風防内に打設されているリベットは、操縦室内なので空気抵抗の考慮が必要ないことから、従来の凸リベットが打たれています。尚、キットにおけるこの部分は凹リベット・モールドで表現されていますので、凸リベットへディテールアップ改修を行います。
作業手順は、①機体胴体の左右パーツを接着・継ぎ目消し作業を行います。②次に継ぎ目消し作業にて消えた凹リベット・モールドをカルコ等を用いて再生します。因みに凹リベット・モールド位置に凸リベットを打設しますので、出来るだけ正確に再生することが望ましいです。
③Dr.リベットを用いて粘着テープ付きの凸リベット部品を作成し、キット凹リベット・モールド位置に打設(貼付け)します。④打設後の凸リベットは、ピンセット等を用いて位置調整を行い、綿棒等で上から押さえて圧着の後、その上に接着剤(プラ用流し込み)を塗布して接着補強を行います。
⑤塗布した接着剤が乾燥後に仕上げ塗装を行い完了です。因みに実機零戦の風防内の機体外面は全て艶消し黒色に塗られています。本作例では、模型映え効果を期待して半艶黒色(ベース:Mr.カラー:セミグロスブラック No.92+ハイライト(パネル部):タミヤカラー:LP-60 NATO BLACK)に仕上げています。
本作例では、凸リベット部分にはタミヤエナメル系塗料の暗灰色(XF-63 ジャーマングレイ)を用いでドライブラシを行い、凸モールド部分にハイライトを掛けて仕上げています。
Fine