JU-AIR”IWC” ユンカースJU-52/3m(2022年)

1/72スケール

JU AIR(ユー・エア:スイス民間航空会社) “HOS号”

2000年 スイス

◆作品概要◆
【キットメーカー】レベル
【スケール】1/72
【機種タイプ】ユンカースJU-52/3m
【作品の完成】2022年12月

【外装工作】
・凸モールドから凹モールドへ全面のスジ彫直し
・機体キャビン屋根部分の脱着化改修、
・コクピット・キャノピー枠補正、キャビン・窓ガラス補正
・搭乗扉の開状態へ改修、主脚廻りの改修、排気管口の開口
・プロペラの脱着化改修
・ピトー管の自作ディテールアップ、各ライト類のクリアーパーツの自作・追加改修
・各動翼(フラップ・エルロン・エレベーター)を含む各部の取付け補強
【内装工作】
・コクピットとキャビン内壁の追加によるディテールアップ
・キャビン内最前列シートの配置補正
・コクピットパネルの自作、パイロットシートベルト(市販品)の追加、客席シートベルトの自作追加
【塗装全般】
・塗装は暗清色照射塗法(ワンウェイトーン塗り)により塗色。
・機体全体・各部の汚れをエナメル塗料にてウエザリング。
・機体垂直尾翼の国籍表示、主翼付根のノンスリップ・ライン、主翼上面の歩行ラインは塗装、
 その他はデカールを使用。

スイスの民間航空会社:JU AIRが所有するJu-52/3m"HOS号"
Webサイト:Pinterestより写真引用

 本機は、先の世界大戦で、ドイツのユンカース社が開発した輸送機・爆撃機でユンカースJU-52です。その中でも一般的知名度の高い、エンジンが3発のJU-52/3m型で、ドイツ空軍の兵士からは、Tante Ju(タンテ・ユー/ユーおばさん)と呼ばれ親しまれていました。また、その使い回しの良さから、戦後も欧州諸国で軍民両用としてしばらく使用され、現在も数機が飛行可能な状態で維持されています。

 その中で、スイスの民間航空会社が、遊覧飛行業を行っているJu Air(ユーエア)の所有する4機(2018年の墜落事故にて1機喪失し3機となる)の内の1機「HB-HOS」号は、2000年にIWC(スイスの時計メーカー:インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)の世界一周プロモーションを行っています。

 主翼に大きな腕時計を付けたスポンサーカラーを身に纏い、同年1月にスイスを出発し、中東・マレーシアを経由して3月に日本(那覇→大分→仙台)に到着しています。

 その後、ロシアのユジノサハリンクス経由で北米大陸に向かう計画でしたが、結局ロシア国内の通行許可が出なかったので、世界一周は叶わずに来た逆の経路でスイスに戻りました。

 今回使用のキットは、レベル社より発売となっていますが、他社製品を自社パッケージで発売するOEM(Original Equipment Manufacturing)で、キット自体(金型)はイタレリ社です。

 本機における特徴は、機体構造がユンカース社の得意とした鋼管骨格にジュラルミンの波形外板(コルゲート)を貼ったものであることと、主翼と水平尾翼に用いられたユンカース式二重翼であることです。

 因みにこの二重翼について、ユンカースが1921年に特許取得しており、一般に主翼と一体で後端に設置されるフラップとエルロンをそれぞれ独立した小翼として切り離し、主翼後端の少し下に離してヒンジにて接合させる構造のため、翼が2枚並んで見えることで、この様に呼称されています。生産性やメンテ性に効果があることが観て取れます。

 キット・パーツは適切なパーツ処理を行うと、精度良くほぼピッタリと組立てが出来ます。流石、天下のタミヤもOEMしているイタレリ社のキットですね。ただし、精度よくカッチリ作りあげるには、各部に適切な補強を行う必要が有ります。

 このキットにおける残念なポイントは、計器盤のデカールが付いていないことです。他のヴァリエーション・キットでは、計器盤デカールは付いているようなのですが・・・、ですので自作対応しています。

 キットの各エンジン・パーツには、ネオジム磁石を仕込んでいます。また、プロペラ軸には鉄線を組み込むことで、プロペラの後付け、回転可動、抜止め機能を持たせています。

 両側エンジンナセルの上部にある突起についてですが、これ実は、棒状オイル計です。コクピットからパイロットが目視できるように、この様な形状と大きさになっているとのこと。

 この棒状オイル計は、キットで別パーツ化されていますが、平面形状が、実機形状の楕円形と異なるのと、強度的不安解消のために金属化による自作パーツに置き換えています。また、この棒状オイル計の直後にあるフィン状の突起は、実機ではその内側(機体胴体側)に燃料計が取り付けられています。

 本作品では、機体内部が見えるように搭乗扉をオープン状態としています。ですので、キットの少々貧弱な扉内部側のモールド改修として軽め孔等を追加しています。

 実機のプロペラ・ブレード部分は磨き上げ仕上げとなっていますので、プロペラ基部分のシルバーと色味を塗分けています。また、カウリング・カバーは、光沢のある仕上げとなっていますので、この部分はグロスクリアー仕上げとしています。

 本キットの優れた設計思想であり、機体のジュラルミンの波形外板(コルゲート)のモールドに配慮したパーツ割りで、客室キャビンの機体屋根パーツは、左右分割とされずに一体成型されています。折角なので、ここはキットの素性を活かすべく、客室キャビンの機体屋根パーツを完成後も脱着式にして、客室キャビンの内部を見られる様に改修しています。

 最前客席シートの向きについて、キットでは、後列シートと同じ向きで機体前方向きの配置となっていますが、実機写真から機体後方向きとなって、直後列シートと対面する配置となっています。よって、最前客席シートのみキット床パーツの客席シート取付け溝の位置を変更改修して向きを変えて取り付けています。

 実機の写真画像から、客席シートへの追加改修としてヘッド・カバーとシートベルトを自作・追加しています。また、キットでコクピットとキャビンとの隔壁に取り付ける扉は、設置されていない事を確認しましたので、本作品においてもオミットしています。

 主脚廻りについて、キット主脚柱の主翼部分への取付け位置が実機と異なる点、それと主脚全体の形状が飛行状態の様に収縮部分(実機では機体内部にあります)が伸びきった様に再現されている点で改修を行っています。

 実機では、主脚柱は機体内部のフレームに接続固定されており、そこから主翼下面を貫通して外部に出ていますので、主翼パーツにその開口部を開けて、開口部底(主翼内部)にプラ板を当て主脚柱の取付け位置の改修と基部の追加ディテールアップを行っています。

 機体本体の塗装について、本作品では、仕上げが白一色となりますので、単調化しないように機体表面の波板(コルゲート)の凹凸を強調しつつ多段階に下地色を重ねながら塗装を行い、機体全体に墨入れウォッシング→デカール貼り→クリアーコートにて仕上げています。

Fine

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