2023/11/06 製作記事~1/32 屠龍丁型(造形村)~#07

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川崎 二式複座戦闘機「屠龍」丁型 製作記まとめ(主に工作編)

 前回より、余剰パーツを使って最終完成形に向けて第2段階の作業として、見立て台座の製作の作業を行っています。今回も継続して進めます。

スジボリ直しとサフ吹き確認

 各外装パーツ間の接着継ぎ目を消す処理を行った後、消失したライン・モールドの復活がてら、やや甘い全モールドのスジボリ直しを行います。そして、この作業が完了したら下地状態の確認、及びリベット打ち用下地作りのため、シルバーサフェーサーを吹きます。下地に不具合があれば、この時点で修正し、再度シルバーサフェーサーを吹きます。

追加モールドのリベット打ち

 キットのモールドは、全体的にあっさりした表現なので、スケールに見合った追加モールドとして、リベット打ちを行います。この工程は、とても集中力と持久力を必要とされますので、エリア毎に小分けして作業を進めていきます。いつもの通り、手持ち資料を参照し、先ずは目立ちにくい水平尾翼の裏面から開始します。尚、リベット打ちに際して鉛筆によるリベットラインの正確な下描きが必要となります。作業手順については、下記「リベット打ち工作の勘どころ」をご参照下さい。

【リベット打ち工作の勘どころ】
使用する工具  まず初めに、当サイトの作品製作において、リベット作業に使用している主なツールを紹介します。海外製品のため入手が困難なものもあるかと思いますが、同等品でも代用可能ですので参考程度として下さい。 ビンディングツール(玉繰り)  ...

 続いて、機体胴体、主翼と同様、エリア毎に小分けしてリベット打ち行っていきます。

機体の仕上げ塗装

 塗装工程の解説に入ります。まず、キット全体でスジ彫り表現されている全てのパネルライン部分、及び陰となる隙間等の部分へ黒系色(シャドー色)をエアブラシにて細吹きします。次に国籍章(日の丸)と機体胴体の白帯、及び味方識別帯等を塗装にて行いますので、下地色として白色を所定部分にオーバーラップするように吹きます。

 白色部分をマスキングした後、味方識別帯(黄橙色:クレオスC58)を吹いてマスキング、国籍章(赤色)を吹いてマスキングの順に工程を進めます。

 そして、機体色の塗装に移りますが、当ウェブサイトでの塗法「カスケード塗り」に準じて行いますので、詳細はこちらをご覧ください。
 今回、本土防空任務に所属する部隊機のイメージで仕上げますが、機体色は、自作調合色「黄緑七号色」に塗られた製造工場出荷時をイメージし、機体(上面+下面)ベース色を濃緑色(川崎系)(クレオスC130)を使用し、パネルラインで囲まれた部分を狙って吹きます。補足として、この段階ではリベットラインを無視します。

【カスケード塗り/基本形】
【塗装方法の解説】 本サイトの作品において、機体迷彩塗装に用いている多段階グラデーション塗装方法をカスケード塗りと称しています。概要は、ベース色とする溶剤系アクリル塗料(ラッカー系塗料)の各ビン生指定色(ベース色)と、これらベース色を基準に...

 次に仕上げ色の自作調合色「黄緑七号色」(製作記#01/発動機のディテールアップと仕上げ 参照)を細吹きにて、パネル・ゾーン内でリベットラインを避けて吹きますが、その際は前工程の機体ベース色(濃色)や黒系色(シャドー色)が薄っすらと残るようグラデーションを付けます。
 塗装作業が終了したら、マスキング材を除去します。

 続いて、仕上げ塗装塗膜を研磨して、マスキングで生じた塗膜段差をなだらかにしつつ、フィレット等の入隅部分によく発生する砂吹き状のザラザラ面も平滑に処理します。補足として、この段階では多少下地色等が露出しても無視します。

 塗膜研磨作業が終了したら、機体全体色のトーンを整えることと、パネルラインやリベット部分等の凹部への墨入れとを兼ねて、機体全体にウォッシング塗料を塗布します。尚、ウォッシングにはエナメル系塗料を薄めたものやスミ入れ等専用に調合された塗料を使用します。全体のウォッシング塗装が概ね乾燥したら、エナメル系溶剤を付けたティッシュペーパー等で全体的にをウォッシング塗料を拭き取ります。

 ウォッシング塗装が濃く残ってしまった部分や前工程の塗膜研磨時で不自然に下地色が露出した部分は、エアブラシ細吹きで仕上げ色やベース色(濃色)をスポット塗装して補修・調整します。

 補修塗装は、白帯→味方識別体→国籍章(日の丸)→機体色の順に作業を進め、再マスキングしながら補修して行きます。

 すべての補修塗装の作業が終了したら、マスキング材を全て除去し、必要に応じ再ウォッシング塗装をして補修完了です。

 以上の塗装作業が完了したら、溶剤系アクリル塗料(ラッカー系塗料)のクリアー色にて全体をコート塗装し、これまでの塗装を保護します。尚、この後にコーション・デカールを貼りますので、シルバリング防止のため、使用するクリアーは光沢としています。そして、コーション・デカールを貼り終えたら乾燥を待って、デカール部分を保護するため、その部分を同じく光沢クリアーコートします。

機体塗装のエイジング処理

 今回は、見立て台座なのでウエザリングを控え、やや使い込んだ機体の感じを出すため、エイジング処理を行います。この技法は、AFVモデルでは定番?なのですが、控えめに行うことで飛行機モデルでも効果が期待できます。方法は、上面に油彩系絵具を用いて間隔を開けてドッティング(点描)します。因みに今回の使用色は、退色感をイメージして、オレンジ系・ベージュ系・黄色系を選択しています。あと、事後解説となりましたが、この機体全体の退色感に合わせるため、味方識別帯には、事前にアクリル水性塗料のオレンジ系色を用いて、筆塗り暈し塗装を施しています。

 次にドッティングした各色は、油彩専用の溶剤(ぺトロール)を含ませた筆にて、機体表面を軽く叩く様にして色を溶かして広げ、全体を薄く暈して行きます。この時、各色は完全に溶かさないで、色味を僅かに残す程度で留めておきます。因みにこの作業では、暈し筆(熊野筆)を使うと効果的です。ドッティング作業が終了し、油彩が乾いたら定着・保護と艶調整のため、溶剤系アクリル塗料(ラッカー系塗料)のクリアー色にて全体をコート塗装します。因みに今回使用したクリアーは、半光沢です。

見立て台座の支柱の仕上げ

 今回の見立て台座は、飛行状態なので、更に土台を敷くのですが、見立て台座を支持する支柱が必要となります。フルハル艦船模型の底つける市販の金属製支柱に長さの足らず分をプラ棒やジャンクパーツを流用して自作し、シルバー塗装を行い仕上げました。

 今回、見立て台座の土台は、市販品の花瓶台を使用しています。この土台に位置を決めて予め穴あけして、各支柱をセットして裏からビス固定します。

 そして、見なし台座の機体を支柱にセットし、両主翼上面のエンジンナセル部分と垂直尾翼部分にある固定点に、上からビスで固定します。

 各固定点部分にビス隠しのパーツをセットして、台座の完成です。

見なし台座のテストショット

 漸く、見なし台座が完成しましたので、テストショットです。まず全景から。

 そして、少し寄って前方斜め方向から。

 尚、最終形態の披露は、最後の完成披露撮影までオ・ア・ズ・ケとしたいのですが、一寸だけ・・・。

 事前に仕上げた神輿の機体をセットして、最終形態の仕上り確認します。これより完成披露の撮影に入ります。ごきげんよう。

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