本作品は、当サイトをご覧頂いた方からのご依頼にて製作代行させて頂いています。ご依頼の機体は、陸上自衛隊で現行運用されているベル/ボーイングV-22 オスプレイです。それも固有機で機体番号91702号機です。オスプレイは、ティルトローターと呼ばれる飛行方式を採用した、世界初の実用航空機です。この飛行方式は、エンジン部分と回転翼(プロペラ)を含めた全体(ローター)を傾ける(ティルト)ことで、操縦飛行可能な航空機を差し、目的に応じてヘリコプター・モードと固定翼モードとを切り替えることができます。
令和5年4月度(第5回)の進捗状況
前回で機体迷彩塗装の工程に入りましたので、今回はその続きとデカール貼、そして完成仕上げまで行います。それでは各工程の解説です。
続・塗装工程
前回の工程で濃色の上面色(第1迷彩色)の塗装を終えましたので、側面の中間色(第2迷彩色)の塗装準備としてのマスキング作業を行います。例の滑り止めストライプ柄は、機体横腹(燃料タンク内蔵部)の上面にも設けられていますので、0.4mm幅のマスキング・ラインテープを切り出して平行ライン状貼ってマスキングします。
そして、水平尾翼の上面で最終の滑り止めストライプ柄となります。尚、マスキング作業の過程が分かる様に作業中(右尾翼)と作業完了(左尾翼)の状態でアップします。(下写真・左側)
因みにこの滑り止めストライプ柄は、0.4mm幅のマスキング・ラインテープを切り出して平行ライン状に貼るのですが、ガイド用とピッチ用のマスキングテープで位置決めしながら、機軸への平行と尾翼ラインに対し垂直を確認しながら調整して貼っています。
ここで、全体の基本塗装が終わりましたので、これから軽度の汚し工程に入ります。
まずは、塗膜面の平滑調整のため、塗膜研磨に行います。使用ツールは、メラミン・スポンジ(Mr.メラミンステック)で、塗膜を全体的に水を使わず研磨します。この状態では表面がザラザラしていますので、この後はヤスリスティック(白面:仕上げ用)を使って表面をツルツルにして、塗膜表面を平滑にします。
この後のウォッシング塗装を行いますが、この一連の作業を行うことで、着色が濃くなり過ぎる箇所を自然に馴染ませる処置を事前に図っています。
そして、エナメル系塗料のダーク・グレーでウォッシング兼スミ入れを行います。エナメル系塗料が乾燥したら、拭き取りは、エナメル系塗料溶剤ではなく、ジッポ・オイルを使用します。これは、揮発性の高いジッポ・オイルで拭き取ると良い加減でエナメル系塗料が残るからです。
エナメル系塗料の拭き取りが完了したら、塗膜研磨ではげて下地が露出した箇所をエアブラシのピンポイント塗装でタッチ・アップしたら作業完了です。ウォッシングを行うことで各色間に統一感が生まれました。この後はデカール貼の下地作りのため、艶有りクリアーコートを行います。
デカール貼り工程
艶有クリアーコートが十分乾燥したら、キットの組立て説明書に従いデカールを貼ります。そして、デカ―ルを十分乾燥させた後、保護用に艶有るクリアーコートを行います。
尚、キット自体は初号機仕様なので、デカールの内容は運用機と微妙に異なっているようですが、目立つモノはアレンジし、これ以外はキットままとしています。因みに3色迷彩に塗分けも部分的に異なるトコロがありましたが、運用機の写真に合わせて調整しています。
この後は、クリアーコートの塗膜面の均し(簡易的な研磨)を行ってから、仕上げのクリアーコート(半々艶消し)を行います。
機体へ各部の組込み
機体塗装が仕上りましたので、既に仕上がっている各部の組込みとディテール追加を行います。まずは、コクピットの組込みです。
ツイン垂直尾翼には、それぞれ放電索(ライトニング・アレスタ)が4ヶ所づつありますので、事前にピンバイスで孔を開けて0.09mmΦの極細黒テグスを差し接着します。
あと、各部の翼端灯については、自作のクリアーパーツに置換えてクリアー塗装にて着色します。
その他残りの各降着用の車輪、センサー・アンテナ類、キャノピー・窓を接着していきます。
完成まであと少し・・・、ごきげんよう。
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