2023/11/19 製作記事~1/32 飛燕Ⅰ型丙(ハセガワ)~#06

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川崎 三式戦闘機「飛燕」Ⅰ型丙 製作記まとめ(主に工作編)

 

 前回の機体「士」の字まで組上げが完了しましたので、機体各部の作り込みの解説です。

着陸灯の電灯の自作追加

 先ず主翼前縁部に設けられている着陸灯のディテールアップです。キットでは、電灯部分が省略されていますので、追加にて再現します。使用する材料は、焼き鈍したアルミ板(0.2mm厚)から、ポンチ(3.5mmΦ)を用いて打ち抜いて反射鏡部分をつくります。因みに打ち抜かれたアルミ板は、自然とおわん型に形成されるので、そのまま反射鏡部分につかえます。また、反射鏡は一つですが、良い形のモノを選別するために、幾つか打ち抜いておきます。

 電灯が埋め込まれる主翼前縁部の着陸灯設置部(窪み部分)は、キットのパーツ・ジョイント隠しや底がある箱型形状に整えるため、内部にプラ板(側面:0.2mm厚、底:0.5mm厚)を貼ります。

 次にネイルアートで使うシルバー球(1.5mmΦ程度)に0.3mmΦの洋白線を差して接着したモノを電球に見立てて、先の工程の打ち抜きアルミ板の中心に0.3mmΦの孔をピンバイスであけて通します。更に裏側の貫通軸には、抜け防止用の真鍮パイプ(内径:0.4mmΦ、外径:0.6mmΦ)を差して接着・固定します。

 電球部分が組み上がった状態です。

 主翼前縁部の着陸灯設置部(窪み部分)に自作の電球パーツをセットした状態です。
イイ感じ(笑)。

 参考として実機の着陸灯の写真を掲載します。着陸灯内は、電球と反射板のみのシンプルな構成で、一般の照明の様な器具本体に設置されるガラス覆いはありません。主翼側の透明カバーを外せば、直ぐに電球を取り換え出来るようになっています。

MODEL Art発行「飛燕修復の記録」機体遍より引用

搭乗者フィギュアの製作

 ここで、気分を変えて搭乗者フィギュアを製作します。キット付属のフィギュアですが、造形及びモールド共に秀逸で、やや日本人離れした体形ですが、スマートで男前です。勿体ないので活用したいのですが、操縦席の着座ポーズのみなので、そのままセットすると、折角ディテールアップした操縦室内部が見えなくなってしまいます。

 そこで、搭乗者を操縦室外部に立たせるためポーズ変更の改造を行います。尚、作業量を最小限にすべく出来るだけ元のポーズを残すこととしますので、基本は胴体と右手・右足はキットのままとし、その他のパーツを加工します。各関節部分をカットして、真鍮線を軸にして再接合し、取りたいポーズを作って行きます。今回の搭乗者は、操縦室へ乗り込むポーズに変更しますので、必要に応じ両手首と左足首等もカットしてポーズ変更しています。

 ポーズ変更した搭乗者フィギュアは、立たせたい機体の位置に仮セットして、ポーズの微調整を行います。調整作業が完了したら真鍮線との接合部分に瞬間接着剤を付けて固定し、関節部の隙間をパテで盛って塞ぎ成形します。因みに今回使用したパテは、タミヤの光硬化パテです。

 次に消失した縛帯や衣服の縫い目等のモールド復元、加えて今回の操縦室へ乗り込むポーズでは、97式操縦者用落下傘を装着した状態での搭乗を再現したく、これにかかるモールド・ディテールの追加作業を行います。

 消失した縛帯や衣服の縫い目等のモールド復元は、鉛板(0.1mm)を切り出して貼って行っています。また、97式操縦者用落下傘は、キット付属の座席クッション?パーツを使用し、プラバン(1.2mm厚)を貼り足して厚みを増しています。あと、落下傘との接続帯は、鉛板(0.2mm厚)を切り出して追加しています。

 97式操縦者用落下傘は、座席型落下傘と称され、金具を使用での脱着式で終戦まで使用されました。尚、操縦の邪魔にならない様に通常は、操縦席に座布団代わりとして設置されています。搭乗者は、操縦席に着座したら自身の飛行服の上に装着している縛帯の金具に落下傘の接続帯の金具を掛けて接続します。

 豆知識ですが、飛行訓練では、落下傘の付け忘れ防止のため訓練生は、訓練機に乗り込む前に落下傘を装着することになっていたとのこと。また、実戦においても、気概を示すとしてわざと落下傘を持ち込まない戦闘機搭乗者が居たので、目視(落下傘が腰にぶら下がっている状態を)確認出来るように操縦室内での脱着を禁じ、訓練生と同じように機体に乗り込む前に落下傘を装着させていた部隊があったとのことです。

  今回はこの辺で、ごきげんよう。

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