2025/08/25 製作記事~1/48 三菱 十二試艦上戦闘機(ハセガワ)1号機・2号機~#02

新着情報

 ハセガワから特別仕様キットとリリースされている、三菱A6M1十二試艦上戦闘機の製作解説です。1号機と2号機のどちらかを選択して製作することができますが、今回は2機分のキットを使用して、1号機(初飛行時)と2号機(軍納入時)の違い意識しながら改修を加え製作してみたいと思っています。尚、ハセガワ1/48零戦と共通する改修は、下記の記事をご覧下さい。

発動機廻りのディテールアップと仕上げ

 前回での発動機廻りのディテールアップの続きです。発動機の各パーツの塗装完了後、前・後列シリンダー・パーツを接着します。そして、点火プラグ線を切り出した銅線(0.19mmΦ)を予め孔を開けておいたシリンダー・パーツに差して接着します。因みに実機の点火プラグ線は、錫メッキされた銅線だったそうで、鈍い銀色だったとのこと。今回はアクセント色として、銅色のままで製作を進めます。

 次に点火プラグ線のもう片方を、これも予め孔を開けておいた各シリンダー部の点火プラグに差して作業完了です。因みに新品の発動機シリンダーは、防錆のため耐熱塗料の黒塗りで仕上げてあったとのこと。

 プッシュロッド・パーツも塗装完了しています。ロッド部分は、黒塗装なので塗り分けています。

 発動機の各パーツをセットし接着して完成です。

 さらにエナメル塗料(黒+濃茶)でウォッシングして色味を馴染ませます。

 発動機覆い(カウリング)は、1号機と2号機とで下部の気化器空気取入口の形状が異なります。(左側が1号機で右側が2号機)

 問題は1号機で、発動機パーツを発動機覆いパーツに素直にセットしようとすると、発動機覆い下部の気化器空気取入口の出っ張りに干渉するからです。でも大丈夫、発動機パーツの下部を先に斜めに入れると・・・。

 バッチリ、所定の位置にセットが出来ます。この点について、キットのインストには記載されていませんので、1号機の製作を棄権したビギナーモデラーも多いはず、ご時世を考えるとメーカーには気をつけてほしいトコロですかね。

集合排気管のディテールアップ

 続いてカウリング廻りの製作に入ります。ここで、手を加えるトコロは、集合排気管です。キット・パーツの形状では、縁が厚く、また管孔が浅いので、排気管っぽく見えません。ですので、身の廻りにあるストローを切り出して自作パーツとして置き換えます。尚、今回使用するストローは、紙パックのジュースに付属している細い径のモノです。

 キットパーツのカウリング・フラップにモールドされている集合排気管の位置にピンバイスとヤスリで、ストローが通る孔を開けます。(赤丸印部分)

 キットのカウリング・パーツに発動機パーツをセットした後、後で塗装した自作の排気管パーツを差し込む手順で組立てます。尚、自作の排気管の塗装ですが、材質がポリプロピレン樹脂なので、強力なプライマー(ガイアのマルチプライマーアドバンス等)で下地処理した後、通常のプラ用塗料で塗装します。また、パーツの接着もポリプロピレン樹脂が接着可能な接着剤を使用します。

風防・アンテナ支柱・ピトー管のディテールアップ

 次は、第3風防の改修です。十二試艦戦から初期の11型までの第3風防枠のデザインは、その後の量産型と一部異なり、後端部分のガラス面積が大きくなっています。また、実機では、アンテナ支柱の直後の風防枠は開口されて、通気口となっています。この部分、キットでは、ガラスが嵌っており開口となっていないので、ピンバイスやカッターナイフ、ヤスリ等で開口してやります。(赤丸印部分)

 アンテナ支柱は、十二試艦戦独特の前傾斜が強く、また、径が細い形状となっています。キットパーツのプラ材では強度的に弱いので、真鍮線(0.8mmΦ)をたたき出して、ヤスリ整形した自作パーツに置き換えます。

 改修した第3風防に自作のアンテナ支柱をセットして仮組み確認します。

 ピトー管も同様にキットパーツを自作パーツに置き換えます。自作パーツは、洋白線(0.3mmΦ)と真鍮パイプ(内径:0.3mmΦ、外径:0.5mmΦ)を組み合わせて製作しています。洋白線部分は、塗装しないで素地ままとします。

航空灯のディテールアップ

 主翼の翼端灯の取付けですが、キットパーツを使うとピッタリ納まらないことが多いので、クリアーパーツのランナーを切り取り加工して、瞬間接着剤にて接着(隙間が生じたら瞬間接着剤で充填)し、硬化後に金ヤスリ(粗目)で大まかに整形します。更に各種ヤスリ(細目)で面一に仕上げて、コンパウンドで磨いて作業完了です。

 尾灯は、キットでパーツが用意されていませんので、主翼の翼端灯と同じ要領で自作します。尚、この部分、突出した部分の端部なので、取り回し中に取れやすいため、補強のため内部に洋白線(0.4mmΦ)を軸打ちしています。この軸打ち洋白線ですが、尾灯内に仕込まれた電球表現も兼ねています。

 今回はこの辺で、ごきげんよう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました