三菱式双発輸送機 大毎東日社『ニッポン号』 製作記まとめ(主に工作編)
前回で機体胴体の製作と各部ディテールアップの工程まで終えましたので、今回から、塗装仕上げの工程に入ります。それでは各工程の解説です。
キットの凹リベット・モールドの改修
キットのリベットについて、時代を感じさせる凹径が大きく浅いモールドですので、ニードルを用いて深いモールドに打ち換えた後、表面を粗目のスポンジヤスリで研磨します。こうすると、リベットは、凹径が比較的小さく深いモールドに改修出来ます。

この作業のねらいは、ニードルをキットのリベット底部に強く刺すことで、ニードル廻りのプラが盛り上がり、キットのリベットの余計なモールドを埋めるか、若しくは目立たなくすることです。また、ニードル断面はV字形なので、表面を削れば凹径は小さくなります。

ここで、機体部分の改修した各スジボリとリベット未施工部分を明確にするために銀サフを吹いて確認します。

各部のリベット未施工部分へのリベットを追加したら、全体表面をスポンジヤスリ掛けしてリベット廻りの盛り上がりを均します。この作業が完了したら、超音波洗浄器に浸けて水洗いし、各モールド内に溜まった削りカス等を除去します。

塗装仕上げの工程
超音波洗浄器による水洗浄を終えたら、1日置いて完全に乾かしてから操縦室等の各部にマスキングを行います。塗装工程の最初は、シャドー色のブラックを全体に塗装します。そして、下地にホワイトを吹いた後、赤色を重ねて吹いて国籍章の日の丸と、機体下面のラインを塗装します。因みに使用した赤色は、定番のフィニシャーズカラーのディープレッドです。塗装が乾いたら、次工程に向けてマスキングします。


再度、ブラックで赤色部分をコートして全体を黒一色にした後、コードレターの文字に切ったマスキングテープを主翼の上下面、機体胴体後部両面、各尾翼面に貼ります。

マスキング作業が全て完了したら、機体色(ジュラルミン)の下地塗装の工程に入ります。
これは、シルバー系塗装が、どうしても単調な仕上りに成り勝ちになるので、変化を持たせるため行います。機体全体のブラック色におけるパネルラインを残す様に明るいグレー色を吹いて濃淡下地を作ります。因みに使用した明るいグレー色は、フィニシャーズカラーのファンデーショングレーです。

濃淡下地の塗装を終えたら、薄めに希釈したシルバー色を全体に吹いてオーバーコートします。
この時、下地の濃淡を僅かに残す状態で作業を終えます。因みに使用したシルバー色は、フィニシャーズカラーのファイン・シルバーです。塗装が乾燥したら、柔らかい布等で塗膜全体を研磨し、付着したシルバー塗装のミストや埃を除去します。

次の工程は、パネルラインにややトーンが暗いシルバー色を細吹きして微妙なメリハリを付けます。
塗装が乾燥したら、柔らかい布等で塗膜全体を研磨し、付着したシルバー塗装のミストや埃を除去します。因みに使用したシルバー色は、フィニシャーズカラーのCLKシルバーです。

シルバー色のライン吹きが終了したら、更に色味の違うシルバー色(ジュラルミン系色)をリベットで囲まれたパネルに塗装します。この時、リベット・ラインを吹き残す様に塗装します。塗装が乾燥したら、柔らかい布等で塗膜全体を研磨し、付着したシルバー塗装のミストや埃を除去します。因みに使用したシルバー色は、フィニシャーズカラーのシールド・シルバーです。また、動翼部分、機首先端や胴体尾部のドーム部分は、実機でもジュラルミン素地でなく銀色塗装されている様なので、色味を変えるため、タミヤのシルバー(LP-11)を使用しています。

シルバー系色の塗装を終えましたので、ガラス部分を除くマスキングを除去します。
そして、全体にクリアーコート(半艶)を掛けます。この後、全体を希釈したエナメル系塗料(濃茶色)にてウォッシングを施します。

今回のシルバー系塗料にフィニシャーズカラーを使用した理由は、塗装工程の最後に行うクリアーコート(溶剤系塗料)の際、所謂、銀粒子の流れ、つまりシルバー塗膜の表面が滲んだり、白濁する現象が起こりにくい塗料であること。カーモデル用に開発された塗料であることから、微妙に色味の異なるシルバー色が比較的豊富にラインナップされていることです。因みに今回使用したタミヤのシルバー色は、クリアーコートによる白濁化を予想して選択使用しています。

各部小物類の塗装仕上げ⇒完成
並行して各部小物類の塗装作業も進めます。エンジンカウルは、クレオスのカウリング色、発動機部分は、ガイヤのプリズムブルーブラック、減速器カバーは、ファレホのライト・ブルー・RLM76(筆塗り)。プロペラは、実機でも磨かれてピカピカなので、ガイヤのプレミアムミラークロームを吹いて仕上げています。因みにプロペラ先端部の赤色警戒帯も塗装。

続いて、主脚柱・主輪、尾輪も仕上げます。主脚柱は、タミヤのシルバー(LP-11)を吹いて、オレオ部分には、ハセガワのミラーフィニッシュを巻いています。

風防部分の仕上げです。機体のシルバー系塗装の工程に合わせて各種シルバーの塗装を行って機体と色味を合わせています。空中アンテナ線を張るので、アンテナ支柱は、しっかり風防枠部分へ接着固定します。あと、風防のはねあげ天蓋は、極細金属線の軸打ち補強にて風防本体に接着しています。

全ての部品を機体本体に組み込み接着し、部分的に軽くウェザリングを行った後、アンテナ線を張って作業完了です。

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