2021/02/23 製作代行~1/48 紫電改(ハセガワ)~製作記事#01

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製作代行のご依頼を頂く!!

 2月初めに当サイトをご覧頂いた方より、お問い合わせメールを頂きました。私の作品を非常に気に入って頂いたとのことで、是非手元に置きたいとのご要望があり、何通かのメールのやり取りの後、有難いことに製作代行のご依頼を頂く事になりました。
 ご依頼の機体は、日本海軍局地戦闘機 紫電21型(紫電改)で、マーキングは第343海軍航空隊(通称・「剣」部隊)の戦闘301飛行隊(新選組)隊長で有名な菅野 直大尉機です。この機体は、下の写真(合成天然色)を観てわかるように垂直尾翼の面積が広い前期生産型です。因みに後期生産型の紫電改(紫電21甲型)の写真を当サイト「公開!“お宝”写真集#01」に掲載していますので、比較して頂けれよくわかると思います。

第343海軍航空隊 戦闘第301飛行隊 飛行隊長 菅野 直大尉機 昭和20年4月 松山基地
※Webサイト:Pinterestより写真引用

令和3年2月度(第1回)の進捗状況

 では早速、製作のポイントを交え作業進捗状況を以下、簡潔にまとめてみたいと思います。今回使用のキットは、ハセガワより発売の1/48スケール「紫電改 ‘前期型’」で、パッケージアートがドンピシャで菅野大尉機となっています。

仮組み確認

 作業着手にあたり、組立説明書を一通り目を通し組立て手順を頭に入れつつ、追加ディテールを施す箇所や仕上り精度の確保のための補強箇所、及び塗装工程を考慮した後嵌め加工の箇所の検討を行います。概ね方針が立ったら、全パーツを切り出して仮組みを行いパーツ同士の隙間の有無、モールドのズレ等を確認し、完成時のイメージから逆追いして具体的な作業手順を再構築していきます。

発動機廻りの製作状況

 キットは、4枚のプロペラが一体でスピンナーに組込む構成となっていますが、スピンナーの整形と塗装塗り分けを考慮して、エッチングノコで基部よりプロペラブレードを切り離し、0.8mmΦ真鍮線にて接続補強をする後嵌め加工を行いました。また、プロペラ軸を2.0mmΦ真鍮線に置き換え補強すると共に延長し、回転軸ブレを改善する目的でミニベアリングを組み込み、抜止めポリキャップは発動機パーツ内へ移設する工作を行っています。加えて、プロペラ減速室カバー部に設置されているプロペラピッチ可変ロッドは、0.4mmΦ真鍮線に置換え補強しています。(1円玉:大きさ対比用)

 改造により、各部品の取付け構成は下の写真での並びとなります。左から「プロペラ本体」→「プロペラ減速室カバー」→「ミニベアリング」→「発動機部品」→「抜止めポリキャップ」の順。
 ※キットは、「抜止めポリキャップ」を「プロペラ減速室カバー」に組込んで、プロペラ軸を受けています。

 キットのカウルフラップの厚さは、0.8mm程ありますので、約0.3mm厚まで内側を削り込みます。次に実機写真を参考に、カウルフラップ裏側にある補強プレートを0.3mmプラ板にて切出して、カウルフラップ開閉ロッド基部(プラ棒0.75mmΦの半割り)と共に自作追加します。カウルフラップ開閉ロッドは、0.4mmΦ真鍮線にて追加しますが、その位置決めに際し排気管に干渉しない様に気を付ける必要があります。尚、最上部の排気管は、キットのままではその取付けにカウルフラップ開閉ロッドが干渉しますので、エッチングノコにて切離し後嵌め加工を行っています。(1円玉:大きさ対比用)

 キットでは省略されていますが、ピンバイスとリューターを駆使して各排気管に排気孔を開けています。加工作業が完了したカウルフラップへ排気管を仮組し、各部の納まりをチェックします。

操縦室廻りの製作状況

 主なパーツを切出し、仮組みにて納まりを確認しました。

機体胴体廻りの製作状況

 機体側面の防火壁部のスリット、及びカウルフラップ開閉ロッドのスリットについては、実機通りに開口加工しています。

 機体内部には、プラ棒にて補強を行います。特に機体下面の主翼との継ぎ目が割れやすいので、縦方向の補強を入れます。また、垂直尾翼の天端部の空中アンテナ線を張るための基部は、切出した真鍮板(0.2mm厚)に置換えて先端部にピンバイスにて孔開けします。

 左右の機体胴体パーツを接着後、機体内部へ更にプラ棒にて横方向の補強を行います。これは、後のリベット打ち作業時に力が加わった際に胴体と主翼との継ぎ目に割れが入りやすいため、その対策を行っています。また、防火壁スリットの「透け」防止のため、機首中央部にプラ板にて仕切り板を入れています。いずれも、接着剤が乾いたら黒色に塗って置きます。

 空中アンテナ線を張るため、強度的に心細いキットのプラ製のアンテナ支柱を使用せず、ハンマーで1.5mmΦ真鍮線を叩き延ばし、ヤスリで形を整えた自作のアンテナ支柱に置換えます。尚、支柱基部はプラ棒にて削り出して取付けています。(1円玉:大きさ対比用)

 アンテナ支柱の仮組み確認。因みに機体側面には、足掛け・手掛け金具の取付け用の孔を忘れず開口しました。

主翼廻りの製作状況

 今回、自動空戦フラップを「下げ状態」としますが、キットでは両端部のスライド・ガイド部のみ再現されており、押出しロッドは省略されています。また、このスライド・ガイド部のみでフラップを主翼へ接着・固定するので、強度的にも弱く補強が必要なため、ディテールアップも兼ねて押出しロッドを0.5mmΦ洋白線にて自作追加し、下げ角度30度に調整します。

 主翼前縁の20mm機銃は、自作の0.7mmΦ真鍮パイプにて置換え、先端部をラッパ加工しています。また、ピトー管も同様に真鍮パイプ(0.4mmΦ+0.6mmΦ)に置換えます。(1円玉:大きさ対比用)

 キットの増槽は、機体へ接着固定となっていますが、追加工作にて脱着式としています。工作方法は、増槽の燃料導管を1.0mmΦ真鍮パイプに置換えて長さ延長して取付けダボにします。次にこの燃料導管(ダボ)の受け部を主翼側に追加します。受け部は、キットに付属のプロペラ軸抜け止めポリキャップのランナーを長さ3mm程度を切り出して、その断面にピンバイスにて1.0mmΦの孔を開けて自作の抜け止めポリキャップを作ります。これを5mmΦプラ棒で作った受け部カバーに入れて、主翼内側へ補強を入れて接着します。

 下の写真は、増槽の取付けテスト状況です。程よい保持力にて良好の様です。

次月の作業予定

 今月の作業は、仮組みメインで追加工作とその調整が大半となる地味な作業が中心となりました。次月も引き続きの追加工作が少し残りますが、メインを下記の作業に移して参りたいと思います。

・発動機のディテールアップと塗装
・操縦室のディテールアップと塗装
・その他小物類の塗装

それでは、次月末まで、ごきげんよう。

2021/03/21 製作代行~1/48 紫電改(ハセガワ)~製作記事#02
本作品は、当サイトをご覧頂いた方からのご依頼にて製作代行させて頂いています。ご依頼の機体は、日本海軍局地戦闘機 紫電21型(紫電改)で、マーキングは第343海軍航空隊(通称・「剣」部隊)の戦闘301飛行隊(新選組)隊長で有名な菅野 直大尉機...

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