2022/05/15 製作記事~1/48 零戦22型甲(タミヤ)~#05

新着情報

三菱 零式艦上戦闘機22型甲 製作記まとめ(主に工作編)

 今回は、小物類の残りである車輪開閉覆、風防・天蓋のディテールアップ、及び三号特殊爆弾(九九式三番三号爆弾一型改)製作とディテールアップ。それから、機体リベット打ちの準備工程等までを解説します。

車輪開閉覆(主脚柱カバー)廻りのディテールアップ

 車輪開閉覆について、本キットでは3ピース(実機は4ピース)で構成されており、組付け精度と共に強度も考慮されたモノとなっていますので、各部の角度もバッチリ決まります。しかし、その中で主脚の根本に付く小さなカバーである回転軸覆について、その開閉用のロッドが省略されていますので、真鍮線0.3mmΦにて追加します。

 尚、事前に回転軸覆の開閉用のロッドは、取付け角度と長さについて調整確認してから瞬間接着剤(低粘度タイプ)を流し込んで固定します。下写真は仮組み最終確認状況です。

 回転軸覆の追加工作が完了しましたので、全ての車輪開閉覆の裏面を仕上げます。尚、22型は全て三菱の工場にて製造されましたので、車輪開閉覆の裏面色は、青竹色でなく機体下面色と同色に塗装します。

風防・天蓋のディテールアップ

 本作品は、開閉天蓋(第二風防)をオープン状態にて仕上げますので、風防と天蓋は、縁断面部を斜めに削って厚みを薄く見せる加工を行います。一般的にクリアーパーツは着色プラより硬いので、加工作業に伴う変形が大きいと内部にヒビが入ったり、割れたりして取り替えしが付かない事になりますので、作業全体を俯瞰しつつ一か所に力が集中しない様に注意と冷静さを保つことが肝要です。

 まず、加工する断面部分にマジック等で着色します。これは風防・天蓋の縁断面部を切削する際、残すべき範囲を見失わないために行うマーキングなので結構重要なポイントです。次にリューターや丸型ヤスリを用いて風防・天蓋パーツ縁断面の内側角を斜めに削るのですが、削る範囲を側面のフレーム枠範囲からはみ出ない様に注意します。また、風防・天蓋の縁断面部は、キットパーツ厚みの半分ぐらい残すのを目安にします。

加工前
加工後

 風防・天蓋の縁断面部切削が完了したら、切削面を耐水サンドペーパー等で整えた後、コンパウンドで研磨して作業完了です。あと、追加ディテールアップとして、開閉天蓋(第二風防)に内側にある、コの字型開閉把手を真鍮線0.3mmΦ、及び開閉天蓋位置固定用の作動レバーをプラ板0.5mm厚と真鍮線0.3mmΦの組合せにて自作します。因みに下写真でコの字型開閉把手は、黒染め薬品処理を行っています。

 下写真は、コの字型開閉把手、及び開閉天蓋位置固定用の作動レバーを風防・天蓋枠と同色の黒色塗装して仕上げ、開閉天蓋(第二風防)へ仮組み確認している状態です。尚、コの字型開閉把手については、予め開閉天蓋(第二風防)の内側にピンバイスにて取付け孔を開けて強度確保を考慮しています。あと、開閉天蓋位置固定用の作動レバーのノブ部分は、瞬間接着剤を盛って球体を作っています。

三号特殊爆弾(九九式三番三号爆弾一型改)の製作とディテールアップ

 本作品は、主翼下面に爆弾架を設置にて航空機用の小型爆弾(30㎏)を搭載した機体を予定しています。今回搭載する小型爆弾は、一般に三号特殊爆弾と呼ばれている「九九式3番3号爆弾」で、その性能・効果は、飛行中の敵大型爆撃機の編隊に対して空中炸裂によって撃墜する、いわゆるクラスター爆弾です。その運用方法は、戦闘機等により敵大型爆撃機の編隊上空から投弾し、タイマーにより弾尾から炸裂した114個の弾子を燃えながら飛散させることで、敵機を被弾させる仕組みとなっています。

光人社NF文庫「日本海軍の爆弾」より写真引用

 因みにこの「九九式3番3号爆弾」は、当初敵飛行場や水上機基地に駐機している飛行機を攻撃する目的で開発されたとのこと。しかし、投弾後の炸裂高度の調整が困難で、地面に落ちてから爆発する着発となってしまうことが多く、効果が期待できないことがネックとなっていたところ、発想の転換で、飛行中の敵機に向けた攻撃用爆弾(空対空炸裂爆弾)として臨時転用され、ガダルカナルをめぐる航空撃滅戦が激しくなってきた時期に、B17、B24等の敵大型機等に対する邀撃の切り札として注目されました。

エデュアルド零戦21型キット余剰パーツを流用し追加工作

 ではキット製作解説です。残念ながら、この爆弾はキットに含まれていませんので、今回同時製作中のエデュアルド零戦21型キットの余剰パーツから流用しています。但し、爆弾の型式が旧タイプ「九九式3番3号爆弾1型」のものですので、改良新タイプの「九九式3番3号爆弾1型改」に改修します。追加工作としては、追加された回転促進用の横羽根をプラ板0.2mm厚、及び尾翼繋ぎバーを伸ばしランナーにて追加して、ディテールアップしています。

 尚、この「九九式3番3号爆弾」は、他にファインモールド社やハセガワ社からリリースされている、下写真のキットにも「九九式3番3号爆弾」はセットされていますので、ご参考まで。

リベット打ち工程の準備と下地確認

 全てのパーツの整形・調整が完了しましたので、各パーツでの継ぎ目消しにて消失したスジボリ+モールドの再生作業に加えて、全てのパネルラインやリベットモールドの彫り直しを行います。その後、必要部分をマスキングし瓶入りサフェーサーを薄く溶いたものをエアブラシにて全体に吹き、キズや不具合部分をチェックし、必要に応じ手直しを行います。下写真は、機体本体のサフェーサー吹き作業が完了した状態です。因みにサフェーサー吹き工程の前に全てのパーツを超音波洗浄器に入れて、パネル・ラインやリベット・モールドに残っているプラ粉の除去と同時にパーツの油脂等の洗浄を行っています。

 今回使用した瓶入りサフェーサーは、ガイアノーツ社のエヴォシルバー(GS-06)です。私見ですが、このサフェーサーは、この後に行うリベット打ち工程で、リベットラインの下書きが比較的見やすいので常用しています。

 その他、機体各部パーツも忘れない様にサフェーサー吹きします。

 今回はこの辺で、ごきげんよう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました