続・製作代行のご依頼を頂く!!
今年6月下旬に当サイトにて製作代行の案内を立上げまして、有難いことに製作代行のご依頼を頂く事になりました。今回のご依頼機体は、陸上自衛隊で現行運用されているベル/ボーイングV-22 オスプレイです。それも固有機で機体番号91702号機です。
オスプレイは、これまでに陸上自衛隊への配備や墜落事故等で誌面やニュースで報道されたこともあり、一般の方々に対しても有名な機体となりました。簡単ですが機体について解説しますと、オスプレイは、ティルトローターと呼ばれる飛行方式を採用した、世界初の実用航空機です。この飛行方式は、エンジン部分と回転翼(プロペラ)を含めた全体(ローター)を傾ける(ティルト)ことで、操縦飛行可能な航空機を差し、目的に応じてヘリコプター・モードと固定翼モードとを切り替えることができます。つまり、固定翼の飛行機とヘリコプターとを足して2で割った航空機とでも呼びましょうか。
令和4年12月度(第1回)の進捗状況
では早速、製作のポイントを交え作業進捗状況を以下、簡潔にまとめてみたいと思います。今回使用のキットは、ハセガワから発売の1/72スケール V-22 オスプレイ"陸上自衛隊 初号機"です。
今月度は、製作の前準備として、ネット検索や書籍から主に機体に関する情報を収集すると共に、作品の仕上り方針について策定を行っています。
仮組み確認
作業着手にあたり、組立説明書に一通り目を通し組立て手順や概要を頭に入れつつ、実際の作業手順をイメージしつつ、仕上り精度の確保のための補強箇所、及び塗装工程を考慮した後嵌め加工の箇所等の検討を行います。概ね検討の方針が立ったら、全パーツを切り出して仮組みを行いパーツ同士の隙間の有無、モールドのズレ等を確認し、完成時のイメージから逆追いして具体的な作業手順を再構築していきます。
あと、本キットの特徴として、主翼展開状態で固定された機体で主翼両端のローターが可動し、ヘリコプター・モードと固定翼モードとを再現できる構造となっています。因みにローターの回転軸部分には、キットでポリキャプ・パーツが用意されていますので、任意位置で保持出来るようになっています。
キットにおける陸上自衛隊仕様への改修点について
実機における陸上自衛隊向けの仕様は、アメリカ海兵隊型のMV-22BをベースとしたブロックCに該当します。よって、本キットは、陸上自衛隊配属の初号機と謳いながら、ベース機のMV-22Bのままなので、現行固有機の機体番号91702号機で仕上げるには幾つかの改修を行う必要があります。今後順を追って気づくトコロを可能な限り改修しますが、特に目立つ部分を挙げると、機体後部上面にあるアンテナの形状が陸上自衛隊独自のモノとなっており形状がキットと異なっています。因みに丸いドーム状のモノは、衛星電話アンテナで、手すり形状のモノは、HFアンテナです。
仮組み確認からの気づき
仮組みを終えての感想として、キットは適切なパーツ処理を行うと、精度良くほぼピッタリと組立てが出来そうです。また、パーツ間のモールドも凹形状で大きなズレが無いようですが、やや浅いので全面彫り直しが必要です。尚、全体を精度よくカッチリ作りあげるには、各部に適切な補強を講じる必要が有りますので、今後追って解説していきたいと思います。
ここで気付いたポイントを挙げますと、本キットの機体部分と主翼部分とは別パーツとして、それぞれ組み立てた後、最後に合体するのですが、その分割ラインは、実機通りの格納形態を反映したリアルなラインが再現されています。キット組立説明書では、主翼展開形態での指示ですが、主翼パーツ裏面の2本の固定ピンの内、赤色ピン(上写真)をカットし、かつ機体パーツにおける主翼パーツに接する赤色部位(下写真:指示棒の差す部分)の内側を斜めカットすると・・・。
あら不思議、実機通りに主翼がスムーズに回転するではありませんか。それでは、主翼格納シークエンスを下写真にてご覧下さい。
メーカーは、恐らくこのキットを開発する際に主翼格納のギミックも検討されていたのでは・・・、と思うぐらい精度はバッチリです。それなら、プロペラ部分はどうかと確認しますと、スピンナー部分にポリキャップを抜け止めに組込み、回転ギミックはあるものの、完全固定パーツ。やはり、ここが難関となって諦めたのですね・・・、勿体ない。差し替えパーツ対応でもキットの魅力がグッと上がるのに。
で、当工房では、キットの良さを活かすことをモットーに製作チェレンジしていますので・・・、リスクを考慮しつつ、幾つかのパターンで試行錯語を重ねたギミック検討の結果、次の3つの課題、即ち「実機形態に準じる機構」「部品強度の確保」、「回転位置の保持」を満足する方法を編み出しました。それでは、プロペラ・ブレード格納シークエンスを下写真にてご覧下さい。
取急ぎ、左側片肺のローター部分のみ試作を行いましたが、良好でしたのでこの後も同様に右側部分の工作を行います。尚、都合上これら一連の改修内容については、次月にて解説したいと思います。因みに下写真は、実機の格納形態です。
次月の作業予定
今月の作業期間は、二週間そこそこでしたが、仮組みを開始して機体格納ギミックの検証まで終えました。次月も引き続き機体改修作業を進めて参りたいと思います。
・機体格納形態への各部ギミック改修
・陸上自衛隊仕様への機体各部改修(予定)
それでは、次月末まで、ごきげんよう。
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