2022/12/22 製作記事~1/24 幻のへブミューラー・ビートル(グンゼ)~#04

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VW へブミューラー・2シーター・カブリオレ 製作記まとめ

 前回でカブリオレ・タイプへの形状変更を行うべく、後部ラゲッジ・スペースの構築と幌(ソフトトップ)カバーの製作まで行いましたので、今回も引き続き、内装の追加・変更の改修を行います。では、製作の解説に入ります。

本作品における架空年式モデルとしての設定

 インパネ廻りの製作に入ります・・・、なのですが、ここで本作品の設定を定めないといけない重要な局面となっていますので、方針を定めたいと思います。
 へブミューラー社は、この幻のVWビートルの生産を1949年6月から開始しますが、同年7月23日に工場内の塗装部門からの出火影響で、この後著しく生産能力を落とし、1951年には生産台数が僅か1台となり、遂に倒産してしまいます。そして、このモデルの生産は、工場内に残った材料でカルマン社に引き継がれるも1953年2月に生産中止となります。
 このことから、この幻のVWビートルのベースとなる年式タイプは、1952年にモデルチェンジするまでの最初期モデル:通称「スプリット・ウィンドゥ」ですので、モデルチェンジ後のモデル:通称「オーバル・ウィンドゥ」となる本キットと部分的にディテールが異なっています。特にインパネデザインは一新されてしまいます。ここで、私の勝手な妄想スイッチをONにし、この1951年に生産された最後の1台は、翌年モデルチェンジのデモ用に披露するカスタム・モデルであったとすることにします。

インパネ廻りのディテールアップ改修

 それでは早速、インパネ廻りのディテールアップとしてスピードメーターの立体化に挑みます。先ずはその準備として、スピードメーターのネット画像を写真用紙にて縮小出力して切り出し、メーター本体は、バーニア系のアフターパーツを流用します。

 次にキットのインパネのスピードメーター部分をくり抜き、ノブ部分も別パーツ化しますので切取って基部をピンバイスにて孔開けします。改修スピードメーターの製作は、メーター本体となるバーニア系のアフターパーツの底に縮小出力したメーター写真を貼り、中心部に0.3mmΦの貫通孔をピンバイスで開けて、志賀昆虫針(有頭00号)を通してメーター軸にします。

 また、メーター針には0.3mmΦのプラ線を仕込んでいます。仕上げにメーターガラスを0.2mm厚の透明プラ板から切り出して、本体に接着します。あと、リング・モールは、0.5mmΦの洋白線を曲げ加工し、ジョイント部をハンダ付けして完全リング化し整形しています。

 続いてフラワーベースの製作・・・。所謂、一輪挿しの花瓶で、当時オシャレ・アイテムとして流行っておりました。これは、1mmΦプラ棒からの削り出しにて自作しています。

 最後にノブ類も実車の雰囲気に合わせて、キットのモノより大型化して自作。0.75mmΦのプラ棒からの削り出して、0.4mmΦ真鍮線の取付け軸にて補強を行っています。

 この時点で、ボディー色を決めないと先に進めませんので、ライトブルー(Mr.カラーのRLM78ライトブルー)に決めます。これは、純正色には無いオリジナルカラーで、飛行機モデラーらしく?ドイツ空軍の制定色から拝借しています。あと、フロントグリルはマスキングして、塗装(ガイア プレミアムミラークローム/GP-08)しています。

ハンドル廻りのディテールアップ改修

ハンドル部分のホーン・ボタン、ウォルフスブルク・エンブレム、及びへブミューラー社・エンブレムの製作です。因みにこれらのパーツはキットに無く、全て自作となっています。製作方法としまして、ホーン・ボタンとウォルフスブルク・エンブレムは、ネット画像を写真用紙にて縮小出力し、切り取ってその上にUVクリアーレジンを盛っています(表面張力を利用)。実車のホーン・ボタンは曲面プラ製、ウォルフスブルク・エンブレムは七宝焼き製となっていまして、主観ですが、雰囲気が出てるかと思います(笑)。あと、へブミューラー社・エンブレムも同様にネット画像から縮小出力した写真を切り取ってその上にエナメルクリアーを塗って保護しています。因みにウォルフスブルク・エンブレムとへブミューラー社・エンブレムのベース板は0.2mm厚のアルミ板です。

 キットのハンドル・ロッドには、ターンシグナル・レバーが再現されていませんので、洋白線0.4mmΦとプラ棒(1.0mmΦと2.0mm角)を加工して自作しています。それから、ハンドルも仕上げました。ホーンボタンのウォルフスブルクエンブレムは辛うじて判別出来ますね(汗)。

サイド・ステップ廻りのディテールアップ

 自作した跳ね上げ式にラゲッジ・マットには、四周のパイピングを伸ばしランナーにて追加し、更に倒れ止めのロック・ヒンジ?が両側についていますので、自作して追加します。本体は0.2mm厚のプラ板から切り出し、虫ピン(志賀昆虫針 0号)をヒンジピンにしています。

 ラゲッジ・マットを車体内部に仮セットして納まり確認します。因みに幌カバーは塗装仕上げを終えています。幌カバーにおける、キャンパス布特有のフラット感を出すために、下地塗料に缶入り歯磨き粉(モスカ歯磨)をフラットベース代わりに混ぜて筆で塗装し、ほわっととした質感の再現を図っています。上塗りは普通にエアブラシ塗装して、艶消しクリアーにてコートの後、ホワイトのエナメルにてウォッシュ。拭き取りをランダムにして表面の微妙な凹凸を表現してみました。

 ラゲッジ・マットを塗装して仕上げました。

ついでにシートも同色にて塗装して仕上げました。

排気管廻りの改修

 引き続き、フラワーベースに続くオシャレアイテム第2弾は、バンブーパーセルシェルフ(竹製棚)です。なましアルミ線(1.0mmΦ)を切り出し、曲げ加工にて自作しています。底網は、100均ショップの真鍮製茶こしの網部分をばらして切り出し、使用しています。

 尚、実車でのバンブーパーセルシェルフは、オプション・アクセサリーとして後付けされていますので、ピッタリとフィットしていません。そんなバンブーパーセルシェルフの取り付け感を出すために、設置内部スペースより一回り小さく作って、前部のみで車体に固定してみました。インパネが付いていませんが、ボディがセットされるとバンブーパーセルシェルフはチラリとしか見えません。が、それなりに存在感はあるかと・・・。

 バンブーパーセルシェルフを塗装して仕上げました。

各ウィンドウ・ガラスの改修

 その前に、構想を温めていた内装カーペット貼の起毛表現にチェレンジします。因みにこの表現テクは、カーモデリングにおいて、あまりやらないのでないでしょうか。戦車モデリングでの鋳造表現や飛行機モデリングでの主翼ノンスリップ表現で常用?されています。

 使用するモノは、先をカットした筆(よくドライブラシ用の筆といわれるヤツ)とグリーンパテ(SQUADRON PRODUCTS)です。作業手順は、まず不要な箇所は予めマスキングしておきます。次に、小皿にグリーンパテを少量取って、ラッカー塗料系のうすめ液を足して、溶きパテ状にします。これを筆等でシャシーに塗ったあと、先をカットした筆を立ててトントンと叩く様に溶きパテを均一にのばすと共に、起毛表現して作業完了です。因みにこのグリーンパテは、タミヤのプラパテより繊維質で、その色も手伝ってまるでコケが生えたようになります。作業完了後に乾燥待ちして塗装仕上げを行います。

 引き続き、アクセルペダルの改修です。キットのモノは、プレートタイプですが、この年式はローラータイプなので改修します。また、ブレーキやクラッチのロッド形状も実車と異なるので、合わせて改修します。(左側:自作改修パーツ、右側:キットパーツ)

作業完了にて、塗装仕上げ完了。

シフトチェンジ・レバーは、スポーティーなストレート短軸タイプに改修。

フロアーマットの自作です。今回はケイドライをプラ板の表面に張って生地っぽくしてみます。作業手順は、プラ板0.13mm厚からフロアーマットの形に切り出し、全体に凸凹癖を付けます。ケイドライを1枚に剥いでプラ板に乗せて、上から艶消しクリアーをノリ替わりに筆で浸み込ませて接着します。そして乾燥後にエアブラシにて塗装仕上げ+フラットクリアーコートし、最後にエナメルのフラットホワイトにてウォッシュして作業完了です。

 あと、塗装ついでにタイヤ+ホイールも仕上げて、セットしています。本キットのタイヤの材質は、シートと同じくゴム系プラスチック製なので、普通に塗装出来ます。塗装方法はいつもの航空機モデルと同じとしたため、これまた少し使い込んだ感じになってしまいました。とりあえず、これで良しとします。因みにこの時代はガッツリにホワイトウォール・タイヤですが、時代の先取りをイメージしてホワイトリボン風のタイヤにアレンジしてみました。

シャシーに仕上げた大小パーツを組み込みします。

 あと、ボディーとの納まりを再確認します。いい感じとなりました。これは何度確認しても、確認し過ぎることはありません(経験上)。

 今回は、ここまで。次回に続きます。ごきげんよう!

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