2023/09/10 製作記事~1/32 飛燕Ⅰ型丙(ハセガワ)~#03

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川崎 三式戦闘機「飛燕」Ⅰ型丙 製作記まとめ(主に工作編)

 前回のプロペラのマグネット式脱着機構の置替え工作が完了したので、お次に取り掛かりの操縦室製作について解説します。

操縦室廻りのディテールアップと補正

 今回はディテールアップを含めて製作期間を出来るだけ短縮する方針で製作を進めています。ですので、操縦室も市販アフターパーツを使用し、アイリスのレジンパーツを組み込みます。因みに手持ち資料を眺めて足らないと思った、計器メーター裏のパイピングやコード等を適当に追加しています。

 丁度、先の工程で製作した市販アフターパーツ(真鍮製)のホ103一式12.7mm機関砲の銃身がそのまま使えますね。因みにキットでは、この機関砲廻りのディテールが省略されていますので、機体内部における機関砲の納まりがよく解ります。尚、ホ103一式12.7mm機関砲の銃身は、真鍮製の銃器等パーツの黒染め法にて着色を行っています。

【真鍮製の銃器等パーツの黒染め法】
黒染め法の解説  市販アフターパーツでは、真鍮製の銃器(機銃や機関砲)等が販売されています。そして、それらの商品のほとんどは、実物そのままの細部に渡るディテールが再現されています。これを塗装で仕上げると折角のディテールが、塗膜厚で減じたり、...

 レジンパーツには、照準器やフットレバー用の追加エッチングパーツが付属します。因みに照準器の十字照門の取り付け位置について、インストでデタラメ位置で記載されているので注意が必要です。あと、フットレバーの足掛けの取り付けは、イモ付けとなりますので、接着剤のみでは強度不足です。ですので、フットレバーパーツの側面にピンバイスで真鍮線(0.3mmΦ)を通して、足掛けの取り付け軸加工を行っています。

 後部風防内の骨組みパーツもエッチングパーツでレジンパーツに付属します。この部分のパーツ構成は、板状「へ」の字底板と凸状「コ」の字背板の2パーツ組み合わせですが、接合部の接点は、エッチング板厚なので、接着剤のみでは強度不足になると考えます。そこで、切り出したプラ板(0.5mm厚)を板状「へ」の字底板に貼付て、これを当たり部分にして、凸状「コ」の字背板を取り付けることで、強度と位置精度の確保を図っています。あと、機体との取り付け位置の精度確保のため、板状「へ」の字底板の裏面に角プラ棒(2mm)を取り付けています。

 漸く、機体パーツに操縦室廻りの各パーツを組み込んで仮組み確認です。因みにホ103一式12.7mm機関砲の本体部分が機体パーツ内側に干渉しましたので、機体パーツ内側を切削調整しています。

 この段階で、実機写真や復元写真を眺めて相違点が無いか見てみると・・・、やはり発見してしまいました。因みにアップ写真は、補正後の状態です。

 補正したトコロは、第2風防の機体受けレール部分(白色プラ部分)です。実機では、空中や不時着時等における非常時の脱出の際に、第2風防がロックして解放できなかった場合に備えて、操縦室内に設けられた非常用把手を操作することで、レールごと第2風防を飛散させる事ができる様になっていました。キットでは、これが正確に再現されていませんでしたので・・・、時間掛かったけどやってしまいました。もちろん、非常用把手の再現も。

 更に補正箇所は、もう一つありました。それは、風防解放状態における後部風防パーツの長さ不足です。キットは、風防閉鎖状態と風防解放状態を選択できるように、それぞれ専用のパーツが用意されています。機体胴体パーツは、この両方を兼ねられる様に設計されるべきですが、実態は風防閉鎖状態で設計されています。ですので、第2風防と後部風防との重なり分(約1mm)が、影響して風防解放状態の後部風防パーツの長さ不足となっています。(ヘッドレストを含む防弾板が、後部風防枠より前へ突出する状態となって変な感じです)
 で、この後部風防パーツの長さを延長するために風防枠にプラ板を貼り足すと共に、風防枠の外板縁リブも合わせて再現しています。(下写真)

 そして、風防全体のディテール・バランスを取るために、お約束?工作である、第二風防枠の薄々化ですね。これは、リューターでパーツ小口の内側を斜めに削って、見かけのパーツ厚さを薄く見せる工作です。尚、失敗防止対策として、パーツ小口には、予め油性ペン(今回は赤色使用)で色を付けておいて、着色部分を注意しながら残すべき見かけ厚さの目安とします。リューターで粗削り後、金ヤスリとスポンジヤスリ(ゴッドハンドの神ヤス)にて整えて、最後はコンパウンドでパーツ下地を仕上げます。

第二風防枠の薄々化 加工前
第二風防枠の薄々 加工後

 あと、第1風防枠の外板縁リブもプラ板(0.2mm厚)を幅薄く切り出して貼付け再現し、ディテールアップをしています。次回は、操縦室廻りの塗装仕上げ工程に入り予定です。

  今回はこの辺で、ごきげんよう。

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