2024/07/28 製作記事~1/32 ニューポール17(ホビークラフト)~#01

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ニューポール17 製作記まとめ(主に工作編)

 この機体は、WWⅠにおける当時の航空機先進国、フランスで開発された優秀機の一つに挙げられていますね。因みにパッケージアートのマーキングは、フランス最高のエースであるジョルジュ・ギンヌメール大尉機ですが、古く劣化して、デカールは使えない可能性がありますので、今回製作するマーキングは、追々検討する予定です。

本キットについて

 本キットは、カナダのメーカーで今は亡きホビークラフト社。因みに本金型は現在、アカデミーが買い取り現行でもリリースされています。古い時代のキットなので、モールドはあっさり・・・と言うか、簡略・省略が目立ってツルツルです。ナナニイかヨンパチをそのままサンニイに拡大した感があります。しかし、全体フォルムはイイ感じですので適切なディテールアップを施すことで、サンニイらしい精密感を醸し出していく方針で製作を進めて参ります。

まずは、実機情報を資料本からお勉強

 製作に必要な本機に関連する資料本です。本書は、内部構造まで詳細な図示があるので非常に助かります。洋書で手に入りにくいですが、非常にお勧め資料本です。

プロペラの回転脱着加工

 では、製作解説に入ります。先ずはエンジンからの組立てです。キット組説書を眺めるとプロペラは接着固定の指示ですね・・・。やはり、レシプロ飛行機模型はプロペラ回転する方が良いし、プロペラの破損防止にもなるので、プロペラの脱着・回転改修を行います。

 機体側のプロペラ軸(2mmΦ)を仕込むベースを製作します。使用材料は、各径プラパイプを組合せて、内部にネオジム磁石(4mmΦ/2mm厚)を仕込みます。具体的には、プロペラ軸の受け用パイプ(外径4mmΦ/内径2mmΦ)、ネオジム磁石の受け用パイプ(外径6mmΦ/内径4mmΦ)+底板0.5mm厚プラバン、機体側への接着用の拡底用パイプ(外径8mmΦ/内径5mmΦ)の内径を6mmΦに加工したものを使用しています。

 尚、この時代の航空機のプロペラを回転させることは、すなわちエンジンも回転させることになります。よって、エンジン・パーツ内にミニ・ボールベアリング(軸径2mmΦ)を仕込んて、ロータリーエンジンに加工します。

 エンジン廻りの各パーツ構成です。エンジンを取外し式にするので、カウリングの脱着工作を行う必要が生じますが、これは次回にて。この構造・構成により、ロータリーエンジン軸(真鍮パイプ:外径2mmΦ/内径1.6mmΦ)内にプロペラ用の回転軸(鋼線:1.5mmΦ)を通して、機体側に仕込んだネオジム磁石の接合させ挟むことで、全体が外れない様にしています。また、エンジン・パーツ側に設置したプロペラ接続部には、真鍮線を2本差して、プロペラ・パーツと連結させています。

 プロペラを含む、エンジン廻りの各パーツを所定の順序にて組立てた状態です。

 そして、プロペラを手動で回転させると、エンジンも連動して回転します。まさにロータリーエンジン、実機通りのギミック再現です。

機首カウリングの脱着加工

 先ずは、カウリングを固定する受け部分を自作します。実機では、エンジン直後に潤滑油タンク(4分の1の円柱形)が設置されていますので、プラ板積層にて3mm厚にして、切り出し整形し機体へ接着します。また、下部2か所の突起をプラ棒4mmΦから切り出し、機体へ接着します。そして、ネオジム磁石(1mmΦ)を潤滑油タンクの頂部、下部2か所の突起の計3か所にピンバイスで円周面側に孔を開けて埋め込みます。

 カウリングの内側には、機体側の3点のネオジム磁石の位置に合う様に虫ピン(鋼製)をピンバイスで孔を開けて差し込みます。作業工程が前後しますが、事前にキットのカウリングは、実機写真等を参考にプラバンにて、部材接合部のフランジ・リブを再現しディテールアップを行っています。

 カウリング廻りの各部の調整が完了し、仮組み確認中。因みにカウリング上部の丸い孔は、潤滑油の給油口です。

 続いて、コクピット外部廻りの改修を行います。キットには、実機にあるパイロットの背当て板が省略されており、コクピット内のスカスカ感を見事に演出しています。よって、背当てパーツを自作するのですが、その前に背当てパーツの納まりを良くするため、実機資料を参考にコクピット開口部のカタチを改修します。

コクピット開口部の両縁は、プラ板積層にて埋めて全体を切削して調整します。あと、キットの機首上部の両側にあるモールドですが、古いキットにありがちで適当なモールドが彫刻されています。小スケール・キットなら、これで誤魔化せそうですが、サンニイとなると、やっぱ無理でしょう。ですので、実機写真を参考にディテール最適化を行います。因みに、この機首上面部分について、実機では、キャンバス張りの様で、機首両側の木製骨組み桁に鋲を打って、それに糸を掛けキャンバス生地を張付けています。これを再現すべく、極細の虫ピン(志賀昆虫針/有頭00番)で鋲表現、キャンバス生地の重なり部分は、切り出したプラ板0.2mm厚にて表現し、それぞれ等ピッチ(約1.5mm)で孔を開けて、銅線0.1mmΦを通し掛けています。

 そして、改修したコクピット開口部の内側にマスキングテープを貼って、極細マジックで背当て板のアウトラインを写し取り、この写しマスキングテープをプラ板0.5mm厚に貼って切り出し、現物合わせにて整形します。尚、背当て板は曲面なので、カタチをキープ出来る様に裏側にプラ板で補強を入れています。

 主輪の組み立てです。キットパーツのままでは、主輪間隔が広く間違っていますので、主輪軸パーツの両端をそれぞれ約3mmカットします。あと、機体胴体との接合補強に真鍮線(0.4mmΦ)を軸打ちしています。

 主輪パーツを機体胴体に接合し、仮組み確認中。因みに実機でも主輪主脚部材の前部材は、カウリングに干渉しており、カウリングの後縁の一部欠き込みがあります。

 カウリングの脱着加工、及びエンジン廻りの改修が完了です。

  今回はこの辺で、ごきげんよう。

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