2025/01/21【検証】1/32 ニューポール17~素組み仕上げとディテールアップ仕上げとの比較検証~

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 キットメーカーは異なりますが、同じ金型のキットを同時製作し、一方は、素組みにて仕上げて、もう一方は、ディテールアップを施して仕上げました。同時期完成で制作者も同じなので、2機の仕上がりタッチは、概ね同じ感じとなりますが、はたして、手を入れたモノと、そうでないモノとの差は、はたして如実に出てくるのか。今回は、それを比較検証してみたいと思います。

◆比較検証の作品概要◆

エース・オブ・フレンチエースィズ
【キットメーカー】アカデミー
【スケール】1/32
【機種タイプ】ニューポール17
【作品の完成】2024年10月

「跳ね馬」カヴァリノ・ランパンテ
【キットメーカー】ホビークラフト
【スケール】1/32
【機種タイプ】ニューポール17
【作品の完成】2024年11月

◆比較検証◆

先行して完成した『エース・オブ・フレンチエースィズ』です。フランス空軍 第65飛行中隊 シャルル・ナンジェッセ中尉の搭乗機です。この作品は、素組みにて製作し、塗装もキット塗装説明書に従って行っています。プロペラ、及びエンジンも固定しています。ウエザリングは、全体に軽くウォッシングを施しています。
苦難と試行錯誤の末に完成した『「跳ね馬」カヴァリノ・ランパンテ』です。イタリア軍 戦闘機部隊第91中隊 フランチェスコ・バラッカ少佐の搭乗機です。この作品は、各所にディテールアップを施して製作し、アフターパーツのデカールを使用しつつ、塗装は、独自の考証に基づき行っています。プロペラ、及びエンジン共にマグネット脱着式で回転します。ウエザリングは、全体にウォッシングを行った後、機首下面の排気汚れをエナメル塗料にて追加し、その他は、タミヤのウエザリングマスターを部分的に施しています。
羽布張りの主翼や尾翼のモールドについて、
木製の骨組みに羽布を張った際に生じる「撓み」について、キットは単純なカマボコ型凸モールドでデフォルメ表現となっています。
ディテールアップ版では、この羽布張りの「撓み」について、自然な感じになる様にキットのモールド段差をなだらかにする加工と、機体胴体部分にも同様に、羽布張り「撓み」を施しています。
上下の主翼間に設置されている張線について、キット組立説明書では付属の糸を切り出して、キットパーツにある孔に直接接着することになっています。
ディテールアップ版では、張線基部に自作した金属パーツを追加、更に張線をテグスに置き換え、
実機における張線のテンション調整用の金具(ターンバックル)を真鍮パイプ等で自作追加しています。あと、水平尾翼は、実機の駐機状態に合わせてダウン状態へ、垂直尾翼も少し舵を切った状態に改修しています。
機首カウリング廻りについて、キットは、かなりアッサリとした造形されています。主翼の支柱や主脚フレームについても同様で、1/32スケールとしては、物足りない感じがします。
ディテールアップ版では、機首カウリングカバーの分割リブの再現や、主翼の支柱や主脚フレームの基部金物のモールドを再現しています。機首機銃(ビッカース機銃Mk.Ⅰ)は、アフターパーツのレジン+エッチングのキットを組み込み、取り合う部分の追加ディテールアップも行っています。また、プロペラ、及び上下主翼間の支柱の木目を塗装にて再現しリアル感を醸し出しています。
コクピット内部は、上主翼によりあまり見えないのですが、キットでは、パイロットシート、操縦桿+フレーム、スロットルフレームのみで、かなり省略化されています。
ディテールアップ版では、チラリズム効果を期待して、コクピットフレームを自作して、ディテールアップしたパイロットシート、操縦桿+フレーム、スロットルフレームを組み込み、タコメーターや補助翼操作ロッド等も自作追加して、コクピット自体のディテールアップを行っています。

◆比較検証の結果◆

 最後に製作者としての検証結果なのですが、ぱっと見、ディテールアップしても全体のフォルムが変わっていないのであまり変化なしって感じでしょうか。画像アップで各部を見比べると、違いは判るのですが、機体表面が羽布張りであることもあって、モールド情報量が少ないことから、労多くして功少なしの心境ですね。でも、工作や塗装技術的には得るものもあったので、とんとんですかね。

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