フィアットG.55/0 チェンタウロ 製作記まとめ(主に工作編)
前回でコクピット内部の本組立てディテール・アップ工程まで終えましたので、引き続き塗装仕上げ、機体側のコクピット廻りの本組立てディテール・アップ、尾輪基部の補強、及び機体下面のラジエター部分の本組立てディテール・アップ工程に入ります。それでは各工程の解説です。
コクピット内部の塗装仕上げ
コクピット製作の続きです。コクピット内部の塗装が完了しました。尚、座席やシートベルト、ラダーペダルや操縦桿、各部レバー類の配色については、組説書に従わず独自の考証に基づいて行っています。
キットでは省略されている、正面計器パネル上の射爆照準器に隣接設置されている露出計器メーター(コンパス?)も自作パーツにて再現しています。一応、自作計器メーター面は、面落ち加工して、ジャンク・デカールの計器メーターを貼った上に、薄い透明板をポンチで切り出しガラスとしてはめ込んでいます。因みにその接着は、UVクリアーレジンで行いました。
コクピット床で、座席右側のボンベ(恐らく高高度飛行時用の酸素ボンベ)も、キットに付属しませんのでプラ棒3mmΦにて自作しました。因みにボンベ・バルブは、キット付属のエッチングパーツの余剰パーツを流用しています。
このあと、各パーツを組立て接着しますので、各部は覗き込んでも見えるか、見えないか。でも、チラリズム効果で密度感が期待できます。
尾輪の工作
左右の機体胴体を接合する際に基部を含む尾輪部分を挟み込む構成なので、尾輪部分の工作に入ります。キットの組説書では、機体内部の隔壁パーツに尾輪支柱をイモ付けして、尾輪を尾輪支柱のスリット内側の突起にはめ込む・・・。なかなか、強度不足な構造のオンパレードとなっています。因みにキットの尾輪支柱パーツには、スリット内側の突起はありません。また、塗装工程も複雑化の様相を秘めています。
そこで、補強兼改良工作となります。今回は、尾輪部分を後接着出来る様にオレオ部分で分割し、塗装が楽に出来る様に改良を加えています。具体的には、機体内部の隔壁パーツに尾輪支柱の基部を真鍮線を差して補強し接着。尾輪支柱のオレオ部分は、アルミパイプ(外径:1.3mmΦ)に置き換え、内部に軸芯(真鍮線0.6mmΦ)を通して、補強と尾輪支柱の基部への差し込み接合出来る様に加工。尾輪と尾輪支柱のスリット部分との接合は、貫通軸芯(洋白線0.4mmΦ)を通して加工します。
各パーツを仮組みすると、御覧の通り。強度確保とディテールアップの一石二鳥ですね。
風防の開状態への改修工作
先の工程で、コクピット内の塗装が完了しましたが、機体側のコクピット廻り各部のディテールがどうなっているのか。決定的な実機資料画像が見つけられないのと、実機レストア機のコクピット内ディテールや塗装色も、省略や考証不足?により、どうやら正確に再現されていない様なので、余計に混乱します。ですので、私の独断・偏見(妄想?)で、ディテール構築して作業を進めたいと思います。
先ず、キットのキャノピーですが、一体のワンピースなので、ただでさえ見えにくコクピット内が余計に見にくくなります。ですので、カットして分割します。
手順は、分割ラインを分かり易くするために、極細マジックで分割ライン上に印を付けます。次に分割ラインに沿ってスジボリ用のガイドテープを貼り、スジボリ・ツール(ニードル→ラインチゼル)にて凹スジボリを入れます。そして、凹スジボリをガイドにエッチング・ノコにてカットします。
本機のキャノピー天蓋の開閉は、ドイツ戦闘機Bf-109と同じく横開き式。また、実機写真から開閉用の振れ止めワイヤーが張ってあることが分かります。(下写真の赤丸部分)
このキャノピー天蓋の開閉用の振れ止めワイヤーも再現すべく、0.1mmΦの極細金属線をよじって丸環を自作し基部とし、キャノピー後部枠に取り付けます。あと、キャノピー天蓋の開閉ギミックを0.5mmΦプラ棒を貼って”らしく”再現しつつ、開閉ロックハンドルも自作しています。尚、開閉ロックハンドルは、0.3mmΦ洋白線を曲げ加工し、ノブ部分は瞬間接着剤を盛ってディテールアップしています。
また、機体胴体側のキャノピー天蓋の開閉用の振れ止めワイヤーの基部について、明解な実機写真(レストア機は省略されている)は、見つけることが出来なかったので、実機取説書?の解説図(写真の赤丸部分)から自己解釈(妄想?)して、0.19mmΦの極細銅線をよじって丸環を自作し取り付けています。下写真画像は、手持ち資料本「Fiat G.55 Centauro (In Combat)」(出版: Kagero Oficyna Wydawnicza)から抜粋引用したG.55の座席とシートベルトとの構成、及び各部の取付き図です。
機体胴体のヘッドレスト廻りについて、キットでは雑なパーツ分割ラインが目立つのと、ノッペリ感が漂っているので、実機を参考に0.3mm厚プラバンの貼り増し+面落ち段差でディテールアップしています。因みにヘッドレストのマット部分もキットパーツからカットし、調整後に切り出したプラバンにて再生しています。
あと、アンテナ支柱の基部補強+機体強度アップ用として、機体胴体内部にプラ棒をつっかえ柱として入れています。
機体下面ラジエーターの製作
続いて、機体下面に設置されているラジエーターも製作しましたので解説します。キットのラジエーター・パーツには、グリル・モールドが刻印されていますが、エッチング・パーツ(以下:EP)のラジエーターグリル・パーツもディテール・アップ用に入っています。これは使わないと勿体ないので活用します。その際のキット・プラパーツにEPを接着する方法ですが、双方のモールドをつぶさないために、接着は、プラ用の流し込み接着材を使用します。EPをプラパーツに隙間が生じない様に軽く押さえたまま、双方の隙間に流し込み接着材を差して、乾くまでじっと我慢してそのまま押えていると接着完了です。尚、この現象は、本来の接着でなく、面着(大根等をよく切れる刃物で切った後、再び接合するとくっ付く現象)なので、カッターナイフの刃などでパーツ間をこじると剥がれます。ですので完全接着したい場合は、パーツ間の四周の四周に瞬間接着剤を塗って保護します。
そして漸く、主翼下面パーツに仮組みしてやるとラジエーターカバーの内側にやや目立つ分割ラインが・・・。更にラジエーターグリル・パーツとラジエーターカバー・パーツとの間にもやや目立つ隙間が・・・・。製作者としては、トーゼン?気になるので、これらへの改善工作を講じることにします。
方法は単純です。切り出したプラバン(0.2mm厚)をスペーサー兼ワンピースの内壁として追加します。作業手順として、主翼下面パーツの凹部とラジエーターカバー内側の側面にそれぞれ別々にマスキングテープ貼って、その上から極細ペンでそれぞれのカタチを写し取り、プラバン(0.2mm厚)に貼り付けて合成してやると、一体化してラジエーターカバー内の内壁パーツが出来ます。
そして、一体化ラジエーターカバー内壁パーツを組み込んで、主翼下面パーツに仮組みした状態。これでもう、ラジエーターカバー内側の分割ラインは、気になりませんね。
ついでに、ラジエーターカバーの後部シャッターのディテールアップとして、シャッターパネルの開閉ロッドを白洋線(0.3mmΦ)にて追加します。
ラジエーターカバー・パーツを主翼下面パーツに仮組みした後ろ側のショットです。細々と手が掛かりますが、密度感がアップしましたね。
今回はこの辺で、ごきげんよう。
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