2023/01/09 製作記事~1/48 零戦21型(エデュアルド)~#09

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三菱 零式艦上戦闘機21型 製作記まとめ(塗装編)

 前回で機体外装の基本塗装を終えましたので、今回は墨入れ等のエフェクトを交えた仕上げ工程について解説します。

塗膜の研磨工程

 墨入れ等のエフェクト仕上げ工程に入る前に、マスキングテープにより生じた塗膜段差と下地塗装の効果を出す目的で、全体の塗膜を使い古しのスポンジヤスリ(800-1000相当)→メラミンスポンジを用いて、薄皮一枚剥ぐ感じで研磨します。全体の研磨が完了したら最後にヤスリステック フィニッシュ(ウェーブ)を用いて艶出し研磨を行って作業完了です。

墨入れ・フィルタリング工程

 実機では、航空母艦搭載機のみに塩害対策の機体全体にワニス系のクリアーコートが施されていたとのことで、今回の作品は、航空母艦へ配属された機体として製作しますので、このクリアー塗料がやや褐色化したクリアー色だったことを考慮し、「灰色J3」に見られる淡い青色味とクリアーコートの淡い褐色(黄色)とが重ねって緑色っぽくなった雰囲気を出すために、ウォッシュ+墨入れ色をエナメル塗料の黄緑系グレー(タミヤ・コクピット色/XF-71)を用いて、「僅かに飴色がかりたる」フィルタリング効果を図っています。

 因みに本作品の様な、やや高明度のグレー系色には、有彩度のグレー系中間色を墨入れ色として使うと一般的に良く使うブラック色やダークブラウン色より控え目にモールドを引き立て、より自然に仕上がるかと思います。

 全体のウォッシュ+墨入れ塗装が概ね乾燥したら、エナメル系溶剤を付けたティッシュペーパー等で全体を荒拭きし乾燥後、更にエナメル系溶剤を付けた綿棒を使って、僅かにウォッシュ+墨入れ塗装が残る様に拭き取って仕上げます。

 尚、ウォッシング塗装が濃く残ってしまった部分や前工程の塗膜研磨時で不自然に下地色が露出した部分は、エアブラシ細吹きでスポット塗装して補修・調整します。

 以上の工程が完了したら、溶剤系アクリル塗料(ラッカー系塗料)の艶有クリアー色にて全体をコート塗装し、デカールの下地(シルバリング防止対策)と、これまでの塗装を保護します。

 補足として、カウリング部分へのウォッシュ+墨入れ色は、エナメル塗料のライトグレー(タミヤ・ミディアムグレイ/XF-20)を用いています。

機体全体の仕上げクリアーコートの艶

 本作品は、航空母艦搭載機で発艦前の状態としますので、汚し無しとすると共に、海軍伝統の油磨きでピカピカに輝く仕上げとします。因みにこれは、当時の発艦待機時の白黒写真でも、機体に反射して周囲が移り込んでいることから確認できます。(下写真)

昭和17年5月8日 サンゴ海海戦直前の航空母艦「瑞鶴」の飛行甲板上の零戦21型(最前列2機)の機体艶に注目
Webサイト:Pinterestより写真引用

 仕上げクリアーコートの前に各部のデカール貼作業を組立説明書の指示に従い行います。各デカール貼作業を終えてデカールが十分乾燥したら、仕上げクリアーコート塗装を行います。そして塗装が十分乾燥したら全てのマスキング材を除去します。

最終組み立て工程

 完成まで最終段階の工程に入ります。先行して製作した発動機を他小物類を機体に組み込み固定して行きます。

発動機や各部機銃を機体への組み込みを終えた状態

 零戦には主翼上面に編隊灯(片翼2か所、計4か所)が設置されています。キットでは、翼端灯と同じくクリアーパーツが用意されていますが、そのまま取り付けると下地色の影響を受けて色味が変わりますので下地の調整塗装を行います。使用する塗料は、エナメル系塗料のシルバー色で、編隊灯取り付け位置に塗布し、乾燥後にキットのクリアーパーツを水性クリアーボンドで接着します。はみ出たシルバー塗料は、エナメル溶剤で綿棒等を使って拭き取り仕上げます。あと、エナメル系クリアー系塗料を筆塗りにて、左翼赤、右翼青に塗って完了です。

主翼上面にある編隊灯の設置部分にエナメルシルバーを塗布
左写真の工程後、編隊灯カバー(キット:クリアーパーツ)を取付け

 完成まであと少し・・・、ごきげんよう。

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