大口径砲搭載型Yak-9 製作記まとめ(主に工作編)
ICM社は、ウクライナのプラモデル老舗メーカーです。
本キットの発売時期は、かなり昔ですがエンジン再現と組込みを両立した当時としては”スゴイ”キットです。(パッケージ・アートも古さ満点!)
加えて、金型剥離用のオイル(?)にまみれており、中性洗剤にて何度も洗浄することになった強者(つわもの)でした。(本個体のみ?)
少し前までソ連機に関する情報の入手が困難だったため、本キットは最近までお蔵入りでしたが、近年のインターネット等の普及により、細部を含めた情報が比較的に入手しやすくなったため在庫整理のため、引っ張り出してきたものの、素組み程度のプチ改修に留めるつもりが予感通り、かなり手を入れてしまいました。
全体
まず機体構造のお勉強から、ソ連機は基本木製ですが、機体胴体内部は強度確保とエンジン取付け基部を兼ねてスチールパイプが内部フレームとしてトラス構造で組み込まれており、コクピット内部やエンジン廻りで見えるため、これらをプラ丸棒にて加工・追加して再現します。因みに使用したプラ丸棒は、エバーグリーン社製やPlastruct社製の0.3mmΦ、0.5mmΦ、0.75mmΦのものです。
エンジン
エンジン廻りについて、実機写真(カラー写真のものは、ほとんどレストア機ですが・・・)を参考に配線・配管を追加する等、いくつかディテールアップを行っています。尚、Yakシリーズはエンジンシリンダーを左右交互にV型配置した液冷エンジン(いわゆるV型エンジン)の谷間部分に機関砲を設置し、銃身をプロペラ軸に通る様に設計されています。
コクピット
機体内部フレームのほか、省略されているサイド計器盤やレバー類を自作し追加しています。因みに自作レバー類は、伸ばしランナーの先端をライター等であぶり、熱で先を丸くする処理を行っています。また、コクピットとエンジン・ルームとの間仕切り部にプラ板にて防火壁も設置・追加しています。
同じく機首エンジン・ルーム内にも、省略されている内部フレームやエンジン架、それに機首下部のエア・インテイクとの隔壁を追加しています。
機首エンジン・ルーム内にエンジンをセットし仮組み確認中。エンジン直後の防火壁との間にプラ板にて自作した機関砲用の弾倉を設置・追加しています。
コクピットのメイン計器盤には、計器メーター類デカール(他キットから流用)を貼っています。また、射撃照準器について、キットのものは形状やモールドの省略が著しく、また取付けにかなり無理な加工を要求しており本プラ材の性質(硬く・脆い)上、正直使えません。(バーツ切離し中のバー部分が折れました!)仕方がないので、プラ板や流用キット・流用エッチング部品を使って自作しています。
座席後背部に設置されている防弾ガラスは、キットままを使用していますが、傾斜しているので取付け脚部を追加し真鍮線にて補強を入れています。
操縦座席について、キットはただ分厚いプラ板なので、三方を斜めに削って厚さを薄く見えるように加工し、シートベルトを追加しています。尚、アフター商品で第二次大戦期のソ連機用シートベルトは、手に入れにくいので、鉛板(0.1mm厚)と真鍮線(0.3mmΦ)等で自作しています。また、操縦桿は、運良くレジンパーツ(クイック・ブースト製)が手に入ったので、置換えています。
ソ連機(特に第二次大戦期)の内外塗装色について、マイナージャンルのためか国産塗料メーカーでは作っていないため、海外製のAKリアルカラー(ラインナップが豊富)を使用しています。
塗装と汚しを終えたコクピット、エンジン部の全容。
各部品を組込むとこんな感じ。
主翼・尾翼
エンジンカバーを外すと主脚収納部のエンジンルーム下部が見えますので、忘れずに内部フレームや潤滑油タンク(?)を自作し追加しています。
また、主脚収納部内に於いても、引込み脚の開閉用にシリンダーやロック機構のディテールを追加しています。
垂直尾翼のラダー(方向舵)は、キットではイモ付けとなっており、強度不足が考えられます。よって、プラ丸棒にてダボを作って補強しています。
以上、超簡略版の製作記(みたいな?)でしたが、主たる補強や改修ポイントはお解り頂けたでしょうか。
本作品の完成写真は、下のボタンをクリックすると移動できますので、宜しければご覧下さい。
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