2023/07/29 製作記事~1/32 屠龍丁型(造形村)~#01

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川崎 二式複座戦闘機「屠龍」丁型 製作記まとめ(主に工作編)

 このキットは言わずと知れた造形村の変態キット(最上級の称賛!)です。正に実機を組み立てるがごとくの精密な構成となっています。よって、製作上で全体の仮組みは実質不可能なので、各小パーツを部分的に仮組み確認した後、組立て接着したユニット化パーツ(塗装工程を考慮して)に分けて製作し、またそれぞれを同様に仮組み確認して組み立て、これを全体に広げていく製作法で進めます。尚、ディテールアップは、ポイントを絞って最小限に留めます。

まずは、実機関連情報を資料本からお勉強

 ・・・とその前に、模型製作に欠かせないのが実機資料本ですね。色々な資料本が出回っていますが、新旧が入り混じっていますので、どれが最新の定番情報なのかを見極める必要がありますね。本作品では、主に下写真の資料本を最大限に活用してみたいと思います。

発動機のディテールアップと仕上げ

 まず、発動機から製作を行います。ここでのポイントは、キットで接着式となっているプロペラ部分を磁石脱着式に改造します。手順は、発動機側のプロペラ・シャフトに有頭の虫ピンを差して接着。そして、プロペラ側にネオジム磁石を仕込みます。ネオジム磁石は、4.0mmΦのものを使用しプラパイプ(外径:6mm/内径:4mm)切り出しに底ブタを切り出したプラ板にて塞いだ受けパーツに納めて、キットのプロペラのシャフト孔の前側に接着します。これにより、回転機能を保持しながら、脱落防止と後付け作業が楽になります。

 続いて、発動機の組立てと塗装ですが・・・、もう既に仕上げていますが、ここでのポイントは、点火プラグ配線の追加です。今回使用したのは、0.3mmΦのフレキシブルワイヤーです。
 屠龍の発動機(ハ102)の実機写真が掲載されている資料本を参考に配線するのですが、その配線は、零戦等の栄発動機と勝手が違って、前列発動機のシリンダーには前方から、後列発動機のシリンダーには後方から配線されています。
 配線の固定と見映えを考慮し、事前に発動機シリンダーの点火プラグは、短くカットした真鍮パイプ(外径:0.6mm/内径:0.4mm)に置き換えています。

 あと、発動機内部の基部塗装色は、クレオスの濃緑色(川崎系)C130を陸軍機の規定色:黄緑七号色と同色と見なせるのですが、色味がやや暗いと感じるので自作調合色した黄緑七号色で塗装しています。因みに調合色は、黄橙色(クレオスC58)+黒(クレオスC2)+クールホワイト(クレオスGX1)です。

スピンナーのディテールアップ

 キットのプロペラ・スピンナーのパーツについて、脱型都合で、モールドが甘くなっていますので、彫り直しが必要となります。特にテーパーのある曲面部分のスジボリは、難しいのですが、木工で使う道具「毛引き」を使うと楽に再生できます。

 因みに毛引きを使ったスジボリ作業手順については、以下の通りです。
①毛引きの台の上にキットパーツを置きます。
➁毛引きのスライド刃を固定している蝶型ネジを緩めます。
③キットパーツのスジボリ高さに毛引きのスライド刃の高さを合わせて固定の蝶型ネジを締めます。(上写真参照)
④キットパーツを毛引き刃に当て、毛引き台面上で浮かない様に注意しながら、指で押さえながらキットパーツを1回転させてスジボリします。

操縦室廻りの組立て

 続いて操縦室廻りの組立て兼仮組みの作業に入ります。因みに組立ては、組立説明書(以下:インスト)の順序に行わず参考程度にして、小パーツを可能な限り組立て・接着したユニット化の構築、並びに塗装手順を考慮しながら作業を進めます。下写真は、ユニット組立て中の操縦室前方からのショット。

 続いて、操縦室の後方からのショット。

 下写真は、先述の構築したユニット化パーツ群を分解した状態。各パーツは、塗装後に組み立て・本接着します。

操縦室廻りのキットにおける組立てポイント

 ここで、これら一連の作業の中に気づいたポイントを2点解説します。まず最初は、後部銃座室内の左右フレーム廻りの納まりについてです。
 インストではこの左右フレームの接続用凸状ダボは、機体側のフレームにある左右各3か所ある孔(下写真:赤丸部分)に差し込む説明となっていますが・・・、

 キットパーツ機体側のフレームにある左右の凹孔の数は各2か所(下写真:赤丸部分)で、インストと異なっています。メーカー側の校正ミスですね。

 加えて、キット後部銃座室内の左右フレームパーツの接続用凸ダボは、ランナーのゲートと一体化していて、どこで切り離したら良いか分かりにくいです。で案の定、切り過ぎましたので真鍮線で補強して0.75Φプラ棒(エバーグリーン)にて接続用凸ダボ(下写真:赤丸部分)を再生しています。

 連動して機体側のフレームパーツの左右2か所孔(下写真:赤丸部分)の底を0.8mmΦピンバイスにてさらって穴明しています。

  次のポイントは、補助翼の操作ロッド・パーツについてです。本キットは細いパーツが非常に多いので、プラ材は結構粘りがあります。つまり折れにくいのですが、主翼フレーム・パーツは力を加えると容易に変形します。
 インストでは、補助翼の操作ロッド・パーツは主翼フレーム・パーツに2点接着固定となっていますが、これを今の段階で行うと今後の組立て作業中で主翼フレーム・パーツに力が掛かった場合、補助翼の操作ロッド・パーツが破損する恐れがあります。

 そこで、補助翼の操作ロッド・パーツは、1点のみの接着固定として、もう1点(上下写真:赤丸部分)はフリーにしておいて、主翼フレーム・パーツを主翼外面パーツに納める段階で接着固定します。

  今回はこの辺で、ごきげんよう。

2023/08/18 製作記事~1/32 屠龍丁型(造形村)~#02
川崎 二式複座戦闘機「屠龍」丁型 製作記まとめ(主に工作編)  前回では、発動機部分の仕上げ完了と、操縦室廻りの組立て作業を途中まで進めていましたので、今回も引き続き操縦室廻りの各部パーツの組立てを進めて作業完了を目指します。また、各部の小...

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