2024/01/27 めっ金ット!製作記事~1/48 P-51Dマスタング(タミヤ)~#01

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ノースアメリカン P-51D「マスタング」~シルバーフィニッシュ~ 製作記まとめ(主に工作編)

 シルバー鍍金(めっき)されたキットの特性を活かし、ほぼ素組みでお手軽に仕上げるコンセプト製作、名付けて「めっ金ット!」。第1弾は、1990年代にタミヤが48シリーズで最初にリリースした大戦期アメリカ陸軍機のP-51Dです。尚、このキットについての解説は、もはや不要と言って良いぐらい有名で定番のキットですね。パーツ数は、ほどほどに抑えられていて、ビギナーにもやさしい設計となっています。

シルバーめっき(シルバーフィニッシュ)仕様のキットについて

 近年リリースされる航空機のキットでは、鍍金り・・・もとい、めっきり少なくなりましたが、リアルな金属感を得られることから、昔は、鍍金を施した限定生産品が多く発売されていました。本キットもその例に漏れず、当時の市販塗料による塗装では、再現不可能とされたジュラルミン無塗装風のキラキラ金属感ある機体を、リアルに作ることが出来る謳い文句で発売されますが、他メーカーの鍍金キットと同様に、鍍金面への剥離しない塗装、鍍金パーツに発生するゲート跡やパーツ接合部に対する配慮や技術(現代では、塗装部分のデカール対応、パーツ割調整やスライド式金型の導入、アンダーゲートの採用等あり)が未発達であり、モデラー側においても、それらの適切な対応処理は、高度な技術を要することから、ほぼ不可能といったモデラー泣かせのアイテムあったと記憶しています。で、そんな難物アイテム・キットを今回、現代流通のマテリアル・アイテムを駆使し、それら問題の一挙解決を狙って試行錯誤を行いつつ挑みます。

鍍金を残すパーツの仕分け

 プラモデル製作の基本として、確実なパーツ間の接着と塗装膜の定着にある言っても過言ではないでしょう。一般に鍍金パーツ間の接着は、溶剤系セメント接着剤は効かないため、瞬間接着材を使用しますが、接着部分に柔軟性がないため、力が掛かると割れやすい傾向にあります。また、鍍金面に対してプラモデル用の塗料は、喰い付きが悪いので塗装済み面にマスキングテープ等を貼ると、剥がす時に塗膜がテープに持って行かれます。ですので、これら作業の障害となる不要な鍍金を除去する必要があるため、鍍金を残すパーツ(主に機体外装等)と鍍金を除去するパーツ(コクピット等の内装や塗装で仕上げるもの)とを仕分けします。

とりあえず鍍金を残すパーツ群

鍍金の剥離処理

 次に鍍金を除去するパーツにおける鍍金除去の方法について解説します。鍍金除去の作業手順は、大きく2段階あります。第1段階は、鍍金本体である仕上げ鍍金部分の除去です。これは、市販の塩素系の液体漂白材(キッチン用やバス用)に漬けることで、化学反応を利用し簡単に短時間で処理できます。作業にあたっての注意点は、使用する漂白剤液の濃度が高い程、化学反応は早くなりますので、原液濃度での使用が望ましいですが、製品によっては、プラ材への侵食劣化を引き起こす可能性もありますので、不要鍍金パーツや鍍金ランナー等で事前テストされると良いでしょう。あと、漂白材液は、人体に害がありますので、メーカーの使用上注意を十分に理解した上で、取扱いに注意して作業を行ってください。因みに漂白材液が、指の皮膚面に直接付くとヌルヌルしてきます。皮膚炎になる可能性がありますので、即水道水にて洗い流しが必要です。

鍍金仕上げ部分を除去したパーツ群(1次処理)

 第1段階の漂白材液漬けにて、仕上げ鍍金部分の除去が確認できたなら、漂白材液に直接皮膚等が触れない様にして各パーツを取り出し、水道水に漬ける等して十分に漂白液を落として乾燥させます。次の第2段階では、鍍金下地のコーティング膜の除去処理を行います。

鍍金下地コーティング除去したパーツ群(2次処理)

 この鍍金下地のコーティング膜は、極薄厚である鍍金が綺麗に仕上るための平滑面を確保するために施されているもので、鍍金面と同様に接着性や塗装性を低下させる傾向があります。また、膜厚もかなりありますので、パーツの凹モールドが埋もれていることも多く、仕上りを考慮すると除去する効果は大きいです。で、除去方法ですが、溶剤系アクリル塗料(通称ラッカー系塗料)の薄め液に、暫く(約1~2時間程度)漬けておくことで、この鍍金下地のコーティング膜がふやけてきますので、頃合いを見計らって薄め液に漬けながら、ブラシ(歯ブラシ等)で擦って除去します。

仮組み確認

 機体外装の各パーツにおける「合い」の状況確認と全体構成の確認と対策検討のため、仮組みを行います。そして、各パーツに発生するゲート跡やパーツ接合部の処理方法と手順、塗装やデカールにかかる手順等ついて思考します。

プロペラの回転+脱着化の追加工作

 全体の製作手順について大まかな方針を構築したなら、早速製作に入ります。先ずは定番のマグネット式プロペラの回転+脱着化の追加工作の解説です。キットでは、ポリキャップ部品にてプロペラの回転+脱着化を行う設計となっていますが、ポリキャップを介しての回転+脱着化は、プロペラを機体から脱着する時に力が掛かり、破損するリスクが高いのと、ポリキャップとの摩擦抵抗大により、プロペラが楽に回転しなくなります。

 ですので、マグネットによるプロペラの回転+脱着化方式へ変更改造を行います。使用する材料は、マグネット(ネオジム磁石4mmΦ、2mm厚)、プラパイプ(外径6mmΦ、外径4mmΦ)、鋼製虫ピン(0.8mmΦ有頭ピン、一般オフィス用品)です。

 マグネットは、プロペラ・スピナー内部に仕込みますが、軸長さの確保を考えて、キットのポリキャップ設置部分は、軸受けとすべくプラパイプ(外径4mmΦ)を埋め込みます。そして、プロペラ・スピナー先端パーツのポリキャップ押え軸(4mmΦ)を必要分(2mm)カットして、マグネットを収納するスペースを確保します。また、プラパイプ(外径6mmΦ)の内径は4mmΦなので、プロペラ・スピナー先端パーツのポリキャップ押え軸に差してマグネット収納として加工します。

 この一連の加工により、プロペラ・パーツの軸部分(上写真の赤マーキング)が干渉しますが、プロペラ部分のピッチ(ねじれ角)が維持・再現できるように少し残してカットします。

 次にプロペラ軸側の加工作業に入ります。プロペラ・スピナー側のマグネットを磁力にて固定させるために鋼製の虫ピンをキットのプロペラ軸に仕込みます。尚、キットのプロペラ軸には、予めピンバイスにて虫ピン径より直径0.1mm大きい貫通孔を開けておきます。

 プロペラ軸の長さ調整は、改造プロペラ・スピナーを実際にプロペラ軸にセットして、そのクリアランスを確認しながらカットすると良いでしょう。

 最終調整として、プロペラ回転のために設けられた機体部分とのクリアランス再現で、その寸法をキットで0.2mmに設定するために、同厚のプラバンから切り出して、プロペラ軸側にセット・接着します。

 下写真は、マグネット式プロペラの回転+脱着化の追加工作における、プロペラ・スピナー廻りに関する工作が完了した状態です。

コクピット内の簡易ディテールアップ

 キットには、パイロット・パーツが付属していますが、今回パイロット・オミットで製作しますので、シートベルトを追加します。因みに追加するシートベルトは、市販アフターパーツを使用します。

 キットのパイロットシート・パーツは、簡略化されつつも特徴をよく捉えられておりますので、そのまま使用しています。尚、シートベルト・パーツは、パイロットシートとの一体感を出すために、らしくクセを付けて塗装前に接着する方が良いでしょう。

 実機のコクピット床は、生産性向上のため木製合板製で、ニス塗り仕上げとなっています。キットの組立説明書では、塗装色の1色仕上げとなっていますが、イマイチ雰囲気がでません。また、塗装による木目表現の技法もありますが、少々手間が掛かりますので、今回は、市販の木目デカール(水転写式)を貼って仕上げます。

 先ず、コクピット床・パーツに合わせてコピー紙等で型紙を作り、木目デカールの台紙裏面に重ねて鉛筆等で型を写し取ります。次にカッターナイフやハサミを用いて切り出し、コクピット床・パーツに仮セットして、ピッタリ合うように調整します。

 そして、調整完了した木目デカールをコクピット床パーツに貼るのですが、その前にコクピット床・パーツを含めコクピットを構成するパーツの組立て・接着を行って、基本塗装まで終えておきます。この時、コクピット床の木目デカールを貼る部分には、明るめのブラウン系色を塗っておきます。木目デカールを貼り終えたら、十分乾燥させてからクリアーオレンジやクリアーブラウンを発色薄め(クリアーで希釈)に調整してオーバーコートします。

 キットのコクピット計器パネル・パーツについて、メーター類のモールド省略、付属デカールも無いため、素組みではイマイチの仕上りになります。ですので、比較的お手軽なディテール・アップを行うべく、市販アフターパーツを使用します。

 今回使用した市販アフターパーツは、パーツ全体の置換えでなく追加で貼付けする方式なので、キットのコクピット計器パネル・パーツの貼付け面部分をヤスリ等で、市販アフターパーツの厚み分を均等に削る必要がありました。因みにこの市販アフターパーツでは、射爆照準器パーツの取付け孔が無いため、真鍮線等で接続出来るようにピンバイスで孔開けを行っています。

 キットでは、ラジエーター関連パーツもコクピット床下部分にセットする必要があるため、塗装+簡易汚しを終えておきます。

 コクピット廻りの各パーツを取付けて、コクピット内部の製作は完了です。

  今回はこの辺で、ごきげんよう。

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