2024/04/14 製作記事~1/48 フィアットG.55/0 チェンタウロ(スぺシャル・ホビー)~#02

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フィアットG.55/0 チェンタウロ 製作記まとめ(主に工作編)

 前回で仮組み、プロペラの回転脱着加工及び機首カウル廻りの組み立てまで終えましたので、コクピット内部の本組立てディテール・アップ工程に入ります。それでは各工程の解説です。

コクピット内部の製作

 トップ画像(下写真)は、コクピット内各部のパーツを取り付けた状態です。このキットには、専用のエッチング・パーツ(以下、EP)が付属していますが、キットパーツのモールドと組説書の図柄と一致しないトコロがあり、PEの付けトコロが「?」となってます。また、EPが存在するのに、取り付け指示が組説書に記載されておらず、次の場面で、いきなり設置完了となっています。ですので、実機(レストア機)のコクピット写真をじっくり観察しつつ、WWⅡ戦闘機の万国共通?の常識に照らし合わせて、各部の取り付け、更に不足していると思われるディテールをプラ棒やプラバン、更にERの余分な部分を使って再現しました。

 計器盤パーツについて、キットのプラパーツに計器メーター類のモールドが一応彫刻されていますが、これとは別にEPが用意されています。因みに古いキットなので従来品の無着色仕様です。また、計器メーターは、透明フィルムに印刷なので、裏側にホワイト塗料を吹いて切り出し、EPと重ねてキット計器盤パーツに張り込み、接着して仕上げます。

 このキット兎に角、仮組みチェックに継ぐチェックが必要です。追加工作として、自作したパイロット・シートを支持する支柱(プラ棒0.75Φmm)が、ブラケット(EPの余りを切り出し)を経由して、後部の機体固定部と連結するディテールを再現。

 その他の追加ディテールは、奥まっているのでほとんど見えませんが、自己満足と言うことにします。あと、正面計器パネルの前方部分ですが、キットではシースルー状態です。で、実機写真を確認するとパネルで塞いでありますので、プラバンを追加しました。

シートベルトの設置と各部の考証

 下写真は、パイロットシートにキット付属のEPシートベルトを設置して、コクピットに組み込んで仮組みした状態です。今回、シートベルトに若干手を加え、ディテール・アップしてありますので解説します。

 まず、キットの組説書におけるEPシートベルト取付け位置の指示です。検証用に入手した復元機の写真や資料本では、完全なシートベルトが未装備であること、そして、シートベルトが実装されている実機写真や完全な解説図等が入手できていないことから、基本、組説書に従い組立てていきます。WWⅡ期のイタリア戦闘機機のシートベルト何となくの構成は、何となくイギリス機に近い感じがしますが、
やはり、他国と大きく異なるトコロは、鎖式のベルトを使用していることでしょう。

 キット付属のEPもシートベルトを残すのみ。異色の鎖式ベルトが目を引きますが、やはり立体感に欠けますね。そこで、・・・。

 艦船模型のディテールアップ用に購入しておいた、マイクロ・チェーン(真鍮製)を使用し、鎖式ベルトの鎖部分を置換えてディテール・アップします。

 と、いきなり作業完了です。鎖の先端部分は、座席等への差込み取付け用に、銅線(0.19mmΦ)をよじって丸環を作っています。

 そして、シートベルトや背当てに曲げ癖をつけて、座席パーツに瞬間接着剤にて接着します。

 後ろ側のショットです。垂れ下がっている鎖式ベルトの先は、パイロット背後の機体設置の防弾板?に取り付きます(組説書による)。

シートベルトの設置と各部の考証(補正)

 前回の工程説明で、コクピット・シートのシートベルト類をディテール・アップしつつも情報不足から、キット組説書の内容に沿って各パーツを取付けましたが、仕上がったその形状機構から何となく違和感を感じておりました。かといって、どの資料の何処が正しくて、そして間違っているのか、若しくは省略されているのか判断出来ませんでしたが、知人からの提供の実機(Mc205)カラー動画を見たことで、気付きを得ることができました。で、いつもの妄想を取り込んだ考証を行った結果、キット組説書のシートベルト類における取付きに誤りがあると判断し、早速、修正作業に入ります。尚、各EPは、瞬間接着材にて接着していますので、専用のはがし液を塗って、改修対象のEPを丁寧に外していきます。

 下写真画像は、手持ち資料本「Fiat G.55 Centauro (In Combat)」(出版: Kagero Oficyna Wydawnicza)から抜粋引用したG.55の座席とシートベルトとの構成、及び各部の取付き図です。
図の赤丸部分の機構については、キット組説書と異なるトコロで、図ではシートベルト基部をワイヤーを通じて機体側(防弾板?)に固定していますが、キット組説書ではシートベルト基部を座席背面裏側に固定することになっています。また、図の緑丸部分の背当て下部と座席をつなぐ左右の鎖状ベルトの基部についても、キット組説書と異なり、図では座面側にあり、キット組説書では座席外面側にあります。

 そこで、シートベルト基部に白洋線0.1mmΦを捩った丸環付きワイヤーを通した銅線0.19mmΦを取り付け改修します。また、座席の又部金具他のチェーンの長さも短く調整を行っています。

 G.55資料本の図をベースにシートベルトの取り付け機構について各部見直し改修します。

 改修を終えた座席とシートベルトをコクピットに収めた状況です。やはり何となく、WWⅡイタリア戦闘機のシートベルト機構は、イギリス空軍戦闘機と似ていますね。

射爆照準器の自作

 射爆照準器(San Giorgio射撃照準器/Type C 後期型)の製作について解説します。キットの射爆照準器は、レジンパーツにて付属していますが、組説書では、ドリンクホルダーみたいなカタチで、レジンパーツは、台座部分を除去しても組説書で図示のカタチに見えません。これでは、照準器の機構を全くイメージできません。流石にメーカーのリサーチする能力を疑いたくなります。

 よって、仕方がないのでパーツを自作します。幸い、本機に搭載された射爆照準器画像の写真を入手済みなので、キット計器盤パーツとの現物合わせで寸法を割り出し、プラ棒、ブラバンを組み合わせてカタチを作っていきます。因みに中央の円柱は1.5mmΦのプラ棒を使用しています。

 そして、計器盤パーツに、自作した照準器パーツを取り付けてバランスを確認します。因みに照準器パーツに隣接するメーターもキットに付属していなかったため、自作しています。これで、コクピットパーツが全て揃いましたので、この後は塗装工程に入ります。

 コクピット内の塗装に先立ち、射爆照準器の塗装仕上げを行います。尚、コクピット全体写真では、分かりにくいのでクローズアップ写真を掲載します。尚、照準投影ガラス部分は、いつもの定番工作で、を0.2mm厚の透明プラ板から切り出して取り付けています。また、照準器レンズとして、1.0mmΦのクリアーレンズをはめ込んでいます。クリアーレンズの底にはメタルシートを貼っていますので、
見る確度によってキラッと反射させて、アクセント演出としています。

  今回はこの辺で、ごきげんよう。

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