2024/03/05 製作記事~1/48 フィアットG.55/0 チェンタウロ(スぺシャル・ホビー)~#01

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フィアットG.55/0 チェンタウロ 製作記まとめ(主に工作編)

 実機は、16機製作された先行量産型のセリエ0(ゼロ)シリーズで、一般量産型のセリエ1シリーズとは武装配置が異なり、なんと機首に20mm機関砲(プロペラ軸)1門、カウルの上下左右に12.7mm機関砲4門を集中配備しています。この配置は、機体軸と射軸とが一致するので、恐らく主翼配置の機銃と比べて命中精度が非常に高かったでしょうね。因みに設計者は、イタリアが誇るかの天才技師のジュゼッペ・ガブリエッリ。本機は先の大戦におけるイタリアの最優秀戦闘機となりました。因みにチェンタウロとは、半人半獣のケンタウロスのイタリア読みです。

本キットについて

 大戦中における実機の活躍期間が短かったためか、リリースされたキットは、1/72スケールでは結構あるものの、1/48スケールでは、数える程しかない様です。今でもネット・オークション等で手に入れることができるのは、セマーやタウロ・モデルからリリースされている簡易インジェクション・キットぐらい。ですので、専用エッチング入りのインジェクション・キットであるスペシャル・ホビー(以下:スぺホ)のG.55は、手に入りにくい『お宝』級のキットと呼べるのではないでしょうか。
 キットのプラ質は、柔らかく脆い感じのする、紛れもないスぺホ独特のテイスト。キットのリリースは、2007年頃で古くバリ等は少ないものの、パーツのエッジがややダルい感じなので、カッチリ整えてやらないと隙間だらけとなって、綺麗に組み上がらないでしょう。あと、製作着手前の妄想段階ですが、本製作における改修のポイントについて下記に記載します。

【主な改修ポイント】
・風防と天蓋の縁厚の薄々加工
・風防天蓋のオープン状態への改修
・排気管のディテールアップ(排気口の開口)
・アンテナ支柱、及びピトー管の自作金属パーツ置き換え
・アンテナ線張り
・武装機関砲等の自作金属パーツ追加
・主脚ブレーキホースの追加と主輪の自重変形の加工
・全面リベット(◎形手打ち)の追加
・その他気付くトコロのディテールアップ

まずは、実機情報を資料本からお勉強

 製作に必要な本機に関連する資料本についてです。1冊目は、英語表記でモノクロ写真ですが、ディテール関連の掲載が多めの機体解説本。解説図も多く機体構造の概要が掴み易いです。

 2冊目(下写真:左)は、リベットの入った精密図面集。このシリーズ、他の機種もリリースされて比較的安価なので、結構使えます。3冊目(下写真:右)は、イタリア語表記でモノクロ写真がベースですが、復元機のカラー写真も掲載された機体解説本。主なメーカーの完成品キットの解説が掲載されています。

本キットで選択可能なG.55の型式について

 本キットの内容構成ですが、セリエ0シリーズとしながらも、選択機体は、垂直尾翼の異なる戦中タイプ(上)と戦後タイプ(下)の2種類が入っています。

 機首カウル下部のパーツも2種類入っており、セリエ0シリーズ(下写真:右)とセリエ1・Aシリーズ(下写真:左)の選択式。機体パーツとの組み合わせで、単座のセリエ0、1、A(戦後生産)シリーズの全種類の製作が可能となっています。

仮組み確認

 本製作では、希少価値的な存在?のセリエ0シリーズを選択して製作を進めます。スぺホなので経験上、何処でどんな落とし穴が待っているかわかりません。仮組みは、コクピットや排気管、風防の主要なパーツのすり合わせも並行して行いました。

 結果、やはり、メーカーの設計ミスに起因して、いくつか干渉や調整が必要な箇所を見つけました。その点を除けば、全体的には上手く納まりそうです。

プロペラの回転脱着加工

 飛行機製作では、コクピットの組み立てが定番の先行工程なのですが、このキットでは、機首カウル部分が機体胴体と別パーツになっていますので、機体胴体との接合調整を先行して出来る様にこちらの組み立てから着手します。先ずプロペラですが、キットでは機首カウルに接着固定する構造になっています。

 流石にこのプロペラ固定方式は、発想時代が古いので近代改修します。実機は、プロペラ軸内に20mm機関砲(MG151/20)が配置されていますので、真鍮パイプ(外径0.9mm/内径0.7mm)で銃身を自作すると共に、プロペラ軸の真鍮パイプ(外径1.4mm/内径1.0mm)に組み込んで接着し、合成プロペラ軸を自作します。(下写真の右側パーツ)

 更にこの合成プロペラ軸の機体側には、有頭の虫ピン(スチール製)を差し込み接着して、機首カウル側に仕込んだネオジム磁石と接合出来る様に長さを調整して、プロペラを回転・脱着出来る様に改修します。因みにネオジム磁石は、4mmΦ/2mm厚を使用し、プラパイプ(外径:6mm/内径:4mm)の底に0.5mmプラバン貼って、ネオジム磁石の収納と固定部品を自作しています。あと、ネオジム磁石の押えのため、中心に1.5mmΦの貫通孔を開けたプラ棒4mmΦをプラパイプの中にスペーサーとして仕込んでいます。

 プロペラ軸内20mm機関砲の砲身長さについて、この段階では、まだ決められないので、少し長めとしています。各部の組み立てが進み、接着・固定により位置が確定したら調整します。

機首カウル廻りの組み立て

 組立説明書を確認すると各パーツが細かく分かれており、基本イモ付けとなっています。特に排気管受け部分(C15、C16)は、機軸に対し水平を維持してカウルの上下パーツと組めないため、補強を設けて組み込んでいます。

 下写真は、機首カウルの主な構成パーツで、各部がピッタリと合わさる様に調整を行っています。排気管受けパーツには、プラ棒(2mm角)を突っ張り棒として補強を入れています。また、機首カウルの上部パーツには、自作したプロペラ軸受けを接着し、これにもプラ棒(2mm三角)を補強として接着面が大きくなる様に入れています。

 そして、下写真は、各パーツを組み合わせてみたトコロです。排気管受けパーツの先端カバーの下面には、どうしても隙間が出来ます。これは、どうやら設計ミスの様ですね。この部分は、本接着後に対処します。

 機首の各部にある突起物ですが、実機写真を確認すると、これ全て空気導入用の開口カバーとなっています。この部分は微細なトコロですが、このままにしておくと精密感が損なわれますので、開口モールドを入れてやります。

 開口方法ですが、先ずニードル等を用いて開けたい開口両端部分に当たり用の孔を入れます。次にその当たり用の孔にピンバイス(0.3mmΦ)で軽く窪み孔を開けます。そして、浅いスリットの場合は、その両端の窪み孔を繋げる様にカッターナイフの刃を入れて、凹モールドとなる様にニードルやラインチゼル(0.3mm)で一定の幅に整えます。また、半円形スリットの場合は、更に追加で中央にピンバイス(0.4mmΦ)で軽く窪み孔を開け、これらを繋げる様にカッターナイフの刃を入れた後、モーターツールを用いて半円形の凹モールドとなる様に整えます。最後に荒れた凹部分に流し込みセメントを差して面を整えて完了です。

 排気管パーツですが、当然?ながら排気口の開口はありません。ですので、先の半円形スリットの要領で開口します。因みに、キットパーツの中央には金型パーティングラインがありますが、除去しないで実機にある溶接痕に見立ててそのまま活用します。(少しオーバー表現なので、後程もう少し調整を加えますが・・・)

 下写真は、機首カウリング廻りの各パーツを組み立て接着・固定したモノを確認のため仮組みした状態です。機首の上下左右に搭載の4門の12.7mm機銃(ブレダSAFAT)は、真鍮パイプ(外径0.7mm/内径0.5mm)で銃身を自作しています。

 また、排気管の直上部パネルにある両側の各片面3か所の空気導入用の開口カバーは、キットでは平面外形モールドなので、実機通り凸モールドに加工して開口モールドを施しています。

 この排気管直上部パネル部の空気導入用の開口カバーの製作方法は、プラ棒1.5mmΦの先端を斜め45°にカットしたモノを自作して貼り付けた後、ヤスリ等を用いて形が揃うように整えています。

 先の工程で課題となった、排気管受けパーツの先端カバー下面に出来た隙間は、切り出した0.3mm厚プラバンで塞いで一体化となる様に瞬間接着剤をパテ代わりにして整形しています。

  今回はこの辺で、ごきげんよう。

2024/04/14 製作記事~1/48 フィアットG.55/0 チェンタウロ(スぺシャル・ホビー)~#02
フィアットG.55/0 チェンタウロ 製作記まとめ(主に工作編)  前回で仮組み、プロペラの回転脱着加工及び機首カウル廻りの組み立てまで終えましたので、コクピット内部の本組立てディテール・アップ工程に入ります。それでは各工程の解説です。 コ...

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