2023/03/01 製作代行~1/72 V-22 オスプレイ”陸上自衛隊”(ハセガワ)~製作記事#03

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 本作品は、当サイトをご覧頂いた方からのご依頼にて製作代行させて頂いています。ご依頼の機体は、陸上自衛隊で現行運用されているベル/ボーイングV-22 オスプレイです。それも固有機で機体番号91702号機です。オスプレイは、ティルトローターと呼ばれる飛行方式を採用した、世界初の実用航空機です。この飛行方式は、エンジン部分と回転翼(プロペラ)を含めた全体(ローター)を傾ける(ティルト)ことで、操縦飛行可能な航空機を差し、目的に応じてヘリコプター・モードと固定翼モードとを切り替えることができます。

令和5年2月度(第3回)の進捗状況

 前回で機体格納ギミックの盛り込み改造まで終えましたので、その続きの機体胴体部分の製作・改修作業と部分塗装仕上げを行っています。

 それでは解説に入ります。

機体胴体の補強

 キット機体胴体の構成は、左右2分割のパーツを合わせる所謂モナカ構造となっていますので、パーツの接着部分の継ぎ目を消しても、この部分に力が加わると割れを発生する恐れがあります。よって、力が加わりそうな可動部分や端部を中心にキットのランナーを活用して、内部につっかえ棒としての補強柱を立てて、変形防止処置を行います。

 あと、キット機体胴体上面部の開口は、主翼の回転格納時の過程でまる見えになりますので、切り出したピッタリ寸法のプラ板で接着し塞ぎます。

主翼動翼(フラップとフラッペロン)のディテールアップ改修

 キットの主翼動翼は、主翼と別パーツとなっており、下げ状態を選択することが出来ますが、主翼回転時の障害となりますので、通常状態の位置でセットします。この動翼ですが、キットでは凹モールドを介してフラップとエルロンが一体となっています。本来、フラップとエルロンは機能・役目が異なることから別々に作動しますので、それぞれを切り離して薄紙1枚のクリアランスを設けて、主翼にセットしてます。

 尚、オスプレイを含む現代機では、離着陸時にこのエルロンにフラップと連動する機能を持たせ合理化を図っていますので、正確にはフラッペロン(フラップ+エルロンの合成語)と称しています。

追加ディテールと小物パーツの補強

 陸上自衛隊仕様では、ツインの垂直尾翼の天端部にフィン(赤丸部分)が付いています。キットでは再現されていないので、キットのランナーを削って自作し真鍮線の補強を入れて追加改修を行っています。また、垂直尾翼の後縁に付く放電索の再現するために、先行してピンバイスで0.3mmΦの孔を開けておきます。

 機体胴体の各部には、フィンやセンサー、アンテナ類が取り付きキットでも再現されていますが、基本イモ付けなので、強度的不安が残ります。よって、ピンバイスを用いて真鍮線の接続補強を入れておきます。

前脚・主脚のディテールアップ改修と仕上げ

 実機の前輪と主輪のタイヤ接地面には、溝状トレッドが施されていますのでこれを再現します。方法は、タイヤ幅に切り出したリボン状のプラ板(0.2mm厚)にラインチゼルやニードルでトレッド凹モールドを平行に同間隔で彫り、キットのタイヤパーツに巻きます。尚、キットのタイヤパーツの接地面は、ヤスリ等で全周に同幅平面を事前に削り出しておきます。今回、タイヤの自重変形表現として、タイヤ接地面の一部をヤスリで削っています。よって、先のリボン状のプラ板の接続部分で削ることで、接続部分を目立たなく工夫しています。

 また、小スケールで微細なモールドが再現された前脚と主脚パーツには、真鍮線にて補強を入れて強度アップ化を施しています。

 前脚と主脚廻りのパーツは、先行して塗装仕上げを終えておきます。

コクピットのディテールアップ改修と仕上げ

 キットのコクピットには、計器盤類のモールドが立体再現されています。今回は付属の計器盤デカールを用いますが、計器盤類のモールドを活かすべく、デカール軟化剤を使用してモールドに馴染ませませています。
 作業手順は、コクピット各部を最小ブロックで組み立てた後に基本塗装を行います。今回パイロットは搭乗させないので、類似形状のシートベルト(市販アフターパーツ)を追加しています。また、基本塗装はワンウェイトーン塗りにて行っています。

 基本塗装後は、各部の塗分けをエナメル系塗料にて行い、光沢クリアーコート(ラッカー系)にて塗装面の保護とデカール下地(シルバリング防止)を作ります。塗装が乾燥したらデカール軟化剤を使用してデカールをモールドに馴染ませつつ貼ります。デカールが乾燥密着したら半光沢クリアーコート(ラッカー系)にてデカール保護と全体の艶感統一化を図ります。あと、追加として、モニター部分に切り出した透明プラ板(0.2mm厚)を水性クリアーボンドを用いて貼り追加ディテールアップを行っています。

【ワンウェイトーン塗り】
【塗装方法の解説】  本サイトの作品において、主に操縦室内部や外部から見える主脚格納部等に用いている塗装方法で、下地シャドー色の低明度色(暗色)の上へ、高明度色+彩色(清色)を入射光の照射の如く吹付けて塗装することから、暗清色照射塗法(ワン...

プロペラの仕上げ

 先の工程で製作したプロペラ・ブレードの塗装を行っています。尚、ブレード折り畳み関節部分のABS樹脂(市販アフターパーツ加工)は、塗料の溶剤で脆くなるので塗料の希釈度(溶剤量を少なくする)に注意が必要となります。

 各部の塗分け後、クリアーコートにて光沢クリアーコート(ラッカー系)を行い、塗装面の保護とデカール下地(シルバリング防止)を作っています。次工程でキット付属のデカールを貼って仕上げます。

次月の作業予定

 次月度の作業内容は、下記の内容で進めます。

・陸上自衛隊仕様への各部改修(残り)
・塗装、デカール貼、仕上げ(予定)

それでは、次月末まで、ごきげんよう。

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