ニューポール17 製作記まとめ(主に工作編)
前回では、カウリングの脱着式にしてエンジン廻りの改修を行いました。まだ、全体の仮組みを行っていないので、今回は、仮組みができる状態まで必要なパーツの切り出しと整形を行います。
主脚部分のディテールアップ
主脚部分の改修残りで、機体と取り合う基部の金物ディテールを切り出したプラ板(0.2mm厚)等にて再現します。
尾橇(びぞり)の補修とディテールアップ
やっちゃいました・・・、尾橇(びぞり)の先端部を折ってしまいました。キットのプラ材質が、非常に硬質なので、柔軟性が無く、知らずと引っかけて簡単?に折れました。メーカーにおけるパーツ数の削減設計とは言え、この部分は、別パーツでお願いしたいトコロですね。
仕方がないので、尾橇部分は、補強を兼ねて自作します。尚、キットの形状は、デフォルメ感が漂うので、ついでにディテールアップしています。尾橇部分の基部はプラ棒(2mm角)から切り出し、橇部分は真鍮平板(1.3mm幅✕0.4mm厚)を加工しています。また、これらの結束金具は、プラ板(0.2mm厚)とホッチキスの針を曲げ加工して再現しています。
自作の尾橇パーツを機体に装着します。尚、機体側には内部にブラ棒を仕込んで尾橇パーツの受け補強を行っています。これで、一寸やそっとではもう折れることはありません。
主翼の調整
続いて、主翼パーツの調整作業に入ります。上主翼は、一枚モノでフラットですが、下主翼には、上反角が付いていますので、補強を兼ねて、真鍮線(0.8mmΦ)を機体胴体を貫通させて、左右両翼に差し込みます。
そして、下主翼を機体胴体にセットして、左右の上反角が同じになる様に調整します。これで下主翼の位置と角度が概ね決まりました。
尾翼類の取付け位置調整
尾翼廻りの製作・調整です。キットには、水平尾翼の機体へのセットする位置の印(ダボやスリット)が無く、ただのイモ付け・・・。仕方がないので、位置決めと補強を兼ねて、水平尾翼側にプラ棒(2mm角)、機体側にダボスリットを開口しています。
更に垂直尾翼、なんと機体と線状断面にてイモ付け。そもそも接着強度の確保が出来ているのか、メーカー設計者のセンスを疑ってしまいますが、やはり簡易キット、一々驚いていても仕方がありません。
垂直尾翼の回転軸を真鍮線(0.4mmΦ)にて軸打ちし、機体側には受けの真鍮パイプを設置して補強しています。
仮組み確認
垂直尾翼パーツを機体胴体にセットし、状況を確認調整した後、全体の仮組み確認を行います。ここから、更に細部の不具合箇所を見極め、今後の調整作業をピックアップしていきます。
具体的には、各パーツ間の隙間やズレ、左右不均等、何処に原因があり、何処を調整してやれば解決できるかをじっくりと観察します。因みに接着してなくてもガタツキなく、ストレスなく、各パーツがしっくりと組まれている状態を保持できるのが理想です。
上下主翼間の支持材の角度調整
では、全体の仮組み確認からの課題攻略に入ります。先ずは、上下主翼間の支持材ですが、キットパーツでは、V字角度が微妙に大きく上下主翼のダボ孔にピッタリと入りません。ですので、先端間隔寸法を約1mm縮める補正を行います。補正方法は、V字の谷部分に切り込みを入れて、力技にて押し縮めます。下写真の右側は、キットパーツの状態。左側はキットパーツを補正した状態。
角度補正が完了したら、V字の谷部分の切り込みに瞬間接着剤を充填し、隙間を塞ぎます。更に結束バンドのモールドが、簡易的過ぎるので、サフェーサーを盛って立体感を持たせてやります。
結束バンド・モールドのサフェーサーが乾燥したら、スポンジヤスリ等でサフェーサー表面を整えて、形状と仕上り確認のため、ブラックを吹きます。また、キットパーツでは、上下の基部金物のモールドが省略されていますので、同様にサフェーサーを盛ってモールドを構築してやります。
上下主翼間の支持材の仕上げ塗装です。主材料は、木材なので、ウッドブラウンにて基本塗装後、エナメル塗料にて木目表現を行い、クリアーコート(クリアーイエロー+クリアーオレンジ)。結束バンドは、シルバーを塗装して、薄めたエナメル塗料でウォッシュ・フィニッシュにて仕上げています。
エンジンの塗装仕上げ
さて、作業は全体の仮組み確認からの課題攻略中なのですが、これまでずっと工作ばかり行っていますので、少々飽きてきました。ですので、部分的に仕上げ塗装を行ってみます。先ずは飛行機の心臓であるエンジンからですね。キットのパーツは、少々ディテールが省略されていますが、良い造形ですね。丁寧に塗り分けてやると、中々リアルになります。
今回は控えめの汚しで、シリンダー部分の焼け表現をクリアーイエローとクリアーブルーを吹いて、
薄めたエナメル塗料でウォッシュ・フィニッシュにて仕上げています。
エンジン裏側には、点火プラグ線を銅線(0.19mmΦ)にて追加しています。混合気を送るインテーク・マニホールドは、銅管ですが、熱や油で汚れた感じを出すため、薄めたエナメル塗料でウォッシュ+拭き取り(主に綿棒でポンポン拭き取り)にて行っています。
各部外装部分の塗装仕上げ
続いてプロペラの仕上げ塗装です。実機は、木板の積層合板から削り出して製作されていますので、
マスキングにて濃淡2色のウッドブラウン系の塗装にて塗り分けて、色鉛筆にて木目表現を行った後、クリアーコート(クリアーイエロー+クリアーオレンジ)。更にクリアーを塗り重ね、研ぎ出しにて表面を平滑に仕上げています。
エンジンカウルカバーの仕上げ塗装です。下地のシャドー色にブラックを吹いた後、パネルの縁を残す様にファンデーション・ホワイト(フィニッシャーズ・カラー)にてハイライト吹きを行い、スーパーステンレス2(SM204)にてオーバーコート。更に、パネルの縁を残す様にスーパーファインシルバー(SM201)にてハイライト吹きを行っています。そして、微妙に汚れた感じを薄めたエナメル塗料でウォッシュ+拭き取りにて行い、グロス・クリアーコートにて仕上げています。
主脚部分の仕上げ塗装です。下地のシャドー色にブラックを吹いた後、ワンウェイトーン塗りの要領でファンデーション・ホワイト(フィニッシャーズ・カラー)にてハイライト吹きを行い、スーパーシルバー(C159)にてオーバーコート。各基部の金物は、シルバー72.052(ファレホ/GAME COLOR Metallic)を筆塗りにて仕上げています。同様に微妙に汚れた感じを薄めたエナメル塗料でウォッシュ+拭き取りにて行い、半艶クリアーコートにて仕上げています。
今回はこの辺で、ごきげんよう。
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