モクセイ疾風・キ106 製作記まとめ(主に工作編)
前回では、フラップ廻りの改修工作等を行いました。今回は、各部小物類の改修とディテールアップに着手します。
ピトー管と空中アンテナ線支柱他の金属パーツ化改修
前回で、キ106の特徴となる箇所の改修は全て終えましたので、今回から各部小物類のディテールアップ改修に入ります。まずは、ピトー管と空中アンテナ線支柱の強度確保のため、自作金属パーツの製作を行います。

ピトー管は、0.3mmΦの白洋線と真鍮パイプ(外径:0.5mmΦ、内径:0.3mmΦ)との組み合わせとしています。因みに先端部に白洋線を使用しているのは、シルバー塗装の手間を省くためです。

空中アンテナ線支柱は、真鍮板(0.4mm✕1.3mm)をテーパー付きに切削しています。支柱基部は0.3mm厚プラ板から切り出し、機体との隙間隠しにしています。また、支柱先端部には、ピンバイスで孔を開けて、アンテナ線基部として捩った極細の銅線を通しています。

尾翼側のアンテナ線基部も捩った極細の銅線を使用し、尾翼にピンバイスで孔を開けて差し込みます。

各部小物類のディテールアップ
機首カウリング下部に設置される、潤滑油の冷却器の給排気口ですが、キットのモールドは甘いので、自作の六角メッシュモールド・パーツを上から貼ります。

ここで、自作の六角メッシュモールド・パーツの製作方法を紹介します。
【用意するもの】
➀プラ板(今回は0.3mm厚使用)
➁刷毛塗りタイプの瞬間接着剤(タミヤ)
➂六角メッシュのエッチング板
【作業手順】
・プラ板の片面に瞬間接着剤を均等に塗ります。
・瞬間接着剤を塗り終えたら、直ぐにエッチング板を載せて瞬間接着剤と密着させます。
・瞬間接着剤が乾いたら、エッチング板をプラ板から剥がします。
・プラ板上に六角メッシュモールドの付いた瞬間接着剤層が形成されたら完了です。

出来上がった自作六角メッシュモールド・パーツの上に薄く溶いたエナメル・ブラックを塗り、乾いたらスポンジヤスリ(#1000)でモールド表面を整えて、仕上りを確認します。因みに、モールドが剥げている箇所は、接着剤の量が多かったのでエッチング板側に持って行かれたトコロです。中々、加減が難しいですが、使用面積は小さいのでこれで十分です。あとは、使える部分を切り出して使用します。

主翼下面に設置される燃料冷却器です。キットパーツは、ただの塊なので、給排気口をピンバイスで孔を開けています。また、取り付け基部金物が省略されていますので、切り出した0.3mmプラ板にて追加しています。また、主翼への取り付け補強のため、真鍮線を軸打ちしています。

主翼下面に燃料冷却器を設置した状況です。考証により、キット位置より1mm程度前方に取り付け位置を調整しています。

主翼フィレット部分の凹スジボリ追加・復元
一連の小物類の製作が完了しましたので、機体全体の凹スジボリ、及びハッチ等の追加・復元作業に入ります。特に主翼フィレット等の複雑、かつ微妙な曲線の復元は、専用のテンプレートを自作して行います。

専用テンプレートは、キット機体部分にマスキングテープを貼り、極細マジック等でラインを描いた後、0.3mm厚プラ板に貼って、カッターナイフ等で切り取り自作します。因みに専用テンプレートを裏返すと、機体の反対面に使えます。

垂直尾翼の改修
ここで問題発生です。垂直尾翼部分のスジボリ作業中、図面資料からスジボリ・ラインの採寸した際に、寸法が合わないことに気が付きました。キットの垂直尾翼の高さは、約1.5mm低いのです。また、垂直尾翼の下部の膨らみも不足しています。(下写真参照)

作業省力化のため、ハセガワの試作疾風のパーツを流用し、機体側の調整(垂直尾翼の高さ延長)を行い、スジボリもやり直しして、漸く作業終了。

主翼着陸灯のディテールアップ
主翼の着陸灯をディテールアップするため電燈部分を自作します。製作方法ですが、なました0.3mm厚アルミ板から3.0mmΦポンチで打ち抜いた反射板に、昆虫標本用の有頭虫針を差しています。

着陸灯を主翼にセットじた状態。因みに、着陸灯が納まる主翼部分は、スジボリラインと合うように調整しています。

風防のディテールアップ
キットの風防枠厚は厚い(下写真:赤塗部分)ので、スケール感を損なっています。ですので、枠厚を薄く見せる加工を行います。

パーツの養生のため、削る内側に細切りマスキングテープを風防枠に沿って貼り、リューターで少しづつパーツの内側角を45度を目安に削って行きます。風防枠厚の見え掛かりが半分ぐらいになったら作業を止めて、切削面部分をスポンジヤスリ等で整え、最終はコンパウンド等で磨いて完了です。

また、第3風防のパーツについて、取り付け位置がしっくりしないので、接着時の位置決めが出来るように、銅線0.19mmΦにて軸打ちしておきます。

これで、風防取り付け時にズレる心配は無用ですね。

今回はこの辺で、ごきげんよう。
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