モクセイ疾風・キ106 製作記まとめ(主に工作編)
前回では、各部小物類の改修・ディテールアップを行いました。今回は、機体全体の補正改修、主脚廻りのディテールアップの後、塗装作業に入ります。
機体全体の補正改修(ハセガワ・キットとの比較検証)
前回までのパーツ間の継ぎ目処理にて消失した主翼上面のスジ彫り復元が終わった状態です。

主翼上面には、点検ハッチがあるので、ヒンジ部分を伸ばしランナー等で再現し、更に部分的なディテールアップを行います。

ここで、また問題発生です。何気に仮組みしたハセガワの疾風と並べて比較すると、何やら違和感が・・・。タミヤ・キットの機体胴体の長さが、ハセガワ・キットより短い。それも約3mm。図面資料を確認するとハセガワ・キットの長さが正解。そう、作っていて何となく珍竹林な印象を受けていた原因は、これだったのです。

どうするか悩んだ結果、機体胴体部を延長するために胴体切断します。

そして、プラ板積層にて3mm延長しました。これで違和感が解消され、疾風らしいスマートなフォルムになりました。こんな対応ばかりで、作業は1歩進んで、半歩下がる状態が続いています。

主脚収納庫廻りのディテールアップ
主脚収納庫内のディテールアップです。キ106は、主脚引き込み機構が四式戦「疾風」と同一でないため内部形状も異なると考えられます。また、木製構造であるため、当時の国産機で参考に出来る情報がありませんので、ここは、妄想力を利かせてデッチアップします。

続いて、主輪カバー廻りのディテール・アップです。この部分は、四式戦「疾風」と同じ機構と考え、主輪カバー本体は、キットのパーツを使いますが、ヒンジ部分は、主脚収納庫を深くしたこともあって、キットパーツは使えないので自作となります。尚、自作パーツは、強度を考慮して、真鍮細板、真鍮線、真鍮パイプとプラ材を組み合わせています。

自作した主輪カバー+ヒンジ・パーツを機体に仮組みして納まり確認します。実機では、主脚が収納されるとこのヒンジ部分に主輪が当たり、更に押し倒すことで連動して主輪カバーが閉じる仕組みになっています。この後、主翼下面のスジ彫りの復元、凸ライン・モールドを凹ライン・モールドに改修します。

主脚柱のブレーキ線追加工作
主脚柱部分のディテールアップで、ブレーキ線の追加です。切り出した真鍮パイプをブレーキ線を主脚柱に固定する金具に見立てて接着し、ブレーキ線(0.3mmΦの銅線又は鉛線)を差し込んで接着します。尚、オレオ部分は、ビニールパイプ0.4mmΦ(内径0.2mmΦ)にて使い分けています。

ディテールアップを終えた主脚パーツを機体に仮組みして納まり確認します。因みに主輪タイヤには自重変形加工を施しています。

主脚廻りの全景。キ106の主輪タイヤ径は、四式戦「疾風」より一回り大きいので、主脚が短く見えて全体的にずんぐりした感じがします。

リベット打ち工作
全てのパーツが揃いましたので、機体の金属部分へのリベット打ち作業に入る準備のため、シルバーサフを吹いて表面仕上りのチェックを行います。全体を俯瞰すると、四式戦「疾風」より少し首が長いキ106独特のフォルムとなりました。

機体下面の全景です。キ106の主翼フラップは、スプリット式(単純引き下げ式)で、四式戦「疾風」の蝶型式と異なる構造となっています。主脚収納庫内のデッチアップもそれらしく馴染んでいる感じです。

表面仕上りのチェックで気になった箇所を修正し、再度シルバーサフを吹いた後、機体の金属張り想定部分にリベット打ちを行います。
小物類の塗装仕上げ
小物類の塗装作業に入ります。まずは、発動機の塗装仕上げです。

続いて、主脚柱の塗装仕上げとブレーキ線の設置完了です。

そして、主輪と尾輪の塗装仕上げです。

機体の塗装(木目仕上げ)
機体本体の塗装作業に入ります。国籍マークや機体番号等の塗装後にマスキングを行い、作業を終えたら下地塗装兼シャドウ色としてブラックを全体に塗装します。


機体の木製部分に色を付けて行きます。単色で塗装すると間が伸びるので、パネル毎に色味を変えて塗装します。まず1色目は、クレオスNo.19(サンディブラウン)で塗装。


1色目の塗装箇所をマスキングし、続いて2色目は、タミヤLP-16(木甲板色)を塗装。


2色目の塗装箇所をマスキングし、続いて3色目は、クレオスNo.44(タン/黄褐色)を塗装。


3色目の塗装箇所をマスキングし、4色目は、クレオスNo.45(セールカラー)を塗装し、1~3色目のマスキングを全て除去します。


機体の木製部分の下地塗装が完了したので、更に各部木製部分に木目を塗装します。木目塗装は、タミヤエナメル(XF-52/フラットアース)を使用し、市販のエッチング製マスキングプレートを用いたエアブラシ、スポンジ拭き取り法、並びに色鉛筆による描き込みにて行います。


今回はこの辺で、ごきげんよう。
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