2023/01/22 製作代行~1/72 V-22 オスプレイ”陸上自衛隊”(ハセガワ)~製作記事#02

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 本作品は、当サイトをご覧頂いた方からのご依頼にて製作代行させて頂いています。ご依頼の機体は、陸上自衛隊で現行運用されているベル/ボーイングV-22 オスプレイです。それも固有機で機体番号91702号機です。オスプレイは、ティルトローターと呼ばれる飛行方式を採用した、世界初の実用航空機です。この飛行方式は、エンジン部分と回転翼(プロペラ)を含めた全体(ローター)を傾ける(ティルト)ことで、操縦飛行可能な航空機を差し、目的に応じてヘリコプター・モードと固定翼モードとを切り替えることができます。

令和5年1月度(第2回)の進捗状況

 では早速、前回における仮組みで得たキットの構造確認に基づいて具体的作業内容とその手順について、検討を踏まえながら行った作業内容とその進捗状況を以下、簡潔にまとめてみたいと思います。

 それでは早速、ここまでの作業過程についての解説に入ります。

プロペラ軸受け部分の改修

 先ず、プロペラ軸受け部分の改造から開始です。キットでは、プロペラ軸抜け防止目的のポリキャップ部品を取り付けることになっています。これは、プロペラ自体の自由回転を阻害しない構造なので、格納状態でのプロペラ位置の固定ができません。よって、0.3mm厚の細切りプラ板をプロペラ軸受内部に部分的に貼って、スペーサーにしてポリキャップへの拘束力を増加させます。ただし、このままだとプロペラ自体が回転しづらくなくなるので、ポリキャップの片側のみにカッターナイフでカットして、拘束力を緩和する加工を行っておきます。

 次にプロペラ・ブレードのピッチ(角度)を可変化する改造を行います。キットパーツのプロペラ・ブレード差込み形状(矩形断面)から丸形断面の真鍮パイプ(1.0mmΦ)に置き換えます。

 プロペラ・ブレード差込み形状の改造を終えたら、スピンナー・カバーとの固定性強化のため、プロペラ軸受けの先端に5mmΦの丸形プラ棒を設置して補強柱とします。因みにその長さ調整は、スピンナー・カバーの内側より少し短めにしてクリアランスを確保しておき、スピンナー・カバーのパーツを接着する際は、自前にこの補強柱先端にゼリータイプの瞬間接着剤を盛っておくと、瞬間接着剤が硬化後にスペーサーになり、密着することができます。

プロペラ・ブレードのギミック改修(その1)

 更にプロペラ・ブレードのピッチ(角度)の可変化改造を続けます。まずは、自作ポリキャップ部品の製作です。これは、キット付属のポリキャップ部品のランナーを流用しますので、必要長さ(6mm程度)を3本、2セット切り出します。

切り出した自作ポリキャップ部品には、中心にピンバイスで1.0mmΦの貫通孔を開け、プロペラ・ブレード差込み軸孔とし、かつ先のプロペラ軸受けパーツの工程と同じく、拘束力を緩和するためポリキャップの片側のみにカッターナイフでカットしおきます。

 プロペラ・ブレードの差込み孔の形状をリューター等で大まかに円形にした後、ピンバイスで自作ポリキャップ部品と同径(3.0mmΦ)で同じ長さの孔を開けます。

 プロペラ・ブレードの差込み孔に自作ポリキャップ部品がすっぽりと入る様に丸型ヤスリやリューター等で調整します。そして、自作ポリキャップ部品をプロペラ・ブレードに納めたら、0.5mm厚プラ板で塞いで形を整えます。因みにこの塞ぎプラ板は、大き目に切り出して、先にプロペラ・ブレードの差込み軸孔(1.0mmΦ)を開けてから位置調整し、プロペラ・ブレードに接着すると軸ズレしなくてすみますね。尚、この改造を行うプロペラ・ブレードは左右で各1枚ずつです。

プロペラ・ブレードのギミック改修(その2)

 引き続き、折り畳みタイプのプロペラ・ブレード改造について解説を行います。まず、折り畳み部分となる関節?には、市販のジョイント・パーツを使用します。今回使用するのは、コトブキヤのABSユニット01(Tジョイント)で、その中の小サイズです。尚、実機を観ての通り、格納時のプロペラ・ブレードは90°以上に角度を付けて折り畳まれていることを考慮して、ダブルジョイント仕様を採用します。

 あと、折り畳み関節パーツについて、キットのプロペラ・ブレードに組込むには幅が大きいので、金属ヤスリで幅2mmになる様に削ります。

左側:加工後、右側:加工前

 続いて、キットのプロペラ・ブレ―ドを改造します。実機の通り折れ位置となるキット折り畳みモールド部分に合わせて、エッチングノコ等でカットします。

 カットにて切り出されたプロペラ・ブレードの基部には、折り畳み関節パーツを仕込むスペースをカッターナイフやヤスリ等で設けます。(写真:左は加工前、右は加工後)

左側:加工前、右側:加工後

 次に、前回工程と同様にプロペラ・ブレード基部の差込み孔に自作ポリキャップ部品がすっぽりと入る様に丸型ヤスリやリューター等で調整します。そして、自作ポリキャップ部品をプロペラ・ブレードに納めたら、0.5mm厚プラ板で塞いで形を整えます。尚、この孔の反対側には自作ポリキャップ部品の抜け止め用に丸形プラ棒(3mmΦ)を差し込んで固定しておきます。

 更に、プロペラ・ブレード先部分には、同基部と接続する2枚のプレートをプラ板(0.3mm+0.5mmの合成・差込みアシ付き)から切り出して強固に接着します。尚、プロペラブレード先部分、及び同基部における各々の断面隙間には、プラ材と光硬化パテを充填し、全体を整えています。

 続いて、先の工程で製作加工した折り畳み関節パーツを組込むため、プロペラ・ブレード先部分、及び同基部における、それぞれの接続部分にピンバイスで孔(2.5mmΦ)を開けます。

 折り畳み関節パーツをプロペラ・ブレード先部分、及び同基部に組込み接続した後、全体の形を整えつつ、露出する折り畳み関節パーツのプロペラ折り畳み時に外側になる部分のみにカバープレートとして、0.5mm厚プラ板を切り出して接着します。その際は、可動部分に接着剤が付かない様に注意が必要ですね。

 一通り改造を終えた全てのプロペラブレードをプロペラ軸受け+スピンナーに取り付け、展開状態、及び折り畳み状態への一連動作チェックを行います。

主翼部分の回転ギミック改修

 引き続き、主翼回転の改造について解説を行います。初回で述べましたが、メーカーのキット設計段階では主翼の回転可動を考慮していた痕跡があり、主翼側の固定ピン(2か所)に内、1本をカットすると残りのピンが回転中心軸の役割を果たします。ですので、このピン軸を活用して機体胴体側にポリキャップを仕込んで、主翼の回転可動と主翼・機体胴体との接続の両立化を図ります。尚、後の作業を考慮して、左右に分割されている機体胴体側の回転軸の基部部分(直方体)について、右側部分のみを切り取って左側部分に接着します。

 使用するポリキャップは、キットの余剰パーツを活用します。丁度、6角形断面のポリキャップ・パーツがおあつらえ向きに使えますので、これを機体胴体側の回転軸受け側にピッタリ入る様に加工します。

 機体胴体側の回転軸受け側にポリキャップ・パーツを納めたら、その廻りをプラ板で囲う様に覆ってポリキャップ・パーツを固定します。因みに上面の固定用プラ板について、回転軸孔(2.5mmΦ=ポリキャップ内径)を先に開けてから、取り付け位置調整すると軸ズレしなくて済みますね。

 主翼側部分の改造として、まず回転軸受けポリキャップの孔径に合う真鍮パイプ(外径:2.5mmΦ、内径:2.1mmΦ)をキットのピン軸部分に差し込みます。因みにキットのピン軸径は、2mmΦ弱だったので、そのまま差し込んで瞬間接着剤で固定します。

 次に、主翼回転における飛行形態時、及び格納形態時のストッパーを自作設置します。その準備として、各形態での機体胴体側の回転軸基部部分の位置を、主翼裏側に鉛筆等でマーキングしてストッパー設置の位置明示し、自作ストッパー(角型プラ棒3mm+1.2mmプラ板)を主翼パーツへ強固に接着します。

格納形態でのストッパー位置確認
飛行形態でのストッパー位置確認

 回転ストッパーと機体胴体側の回転軸基部部分との納まりを確認します。まずは、格納形態でのストッパー位置。続けて、飛行形態でのストッパー位置・・・。何れもOKですね。

飛行形態から格納形態への変形ギミック確認

 それでは、今回改造の成果として、飛行形態から格納形態への一連動作確認です。

➀飛行形態
➁プロペラ・ブレードのピッチ変更
➂プロペラブレードの折り畳み
④エンジンナセルの回転前倒し
➄主翼の格納回転途中
⑥主翼回転完了にて格納形態

次月の作業予定

 今月度の作業内容は、機体格納ギミックの盛り込み改造まで終えました。次月は、機体胴体部分の製作と改修作業を進めて参りたいと思います。

・機体胴体部分の製作
・陸上自衛隊仕様への機体各部改修(予定)

それでは、次月末まで、ごきげんよう。

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