川崎 三式戦闘機「飛燕」Ⅰ型丙 製作記まとめ(主に工作編)
前回の操縦室廻り工作が完了しましたので、いよいよ塗装仕上げ工程の解説です。が、その前に前回の工作で解説しきれなかった機体胴体内部の補強からの解説です。
機体胴体内部の補強工作
今回も機体全体にリベット打ちを行いますので、力が掛かって割れやすいパーツ接合部分にランナー等を使ってつっかえ棒にして補強します。
操縦室内廻りの塗装仕上げ
今回のメインディッシュの塗装工程の解説に入ります。と、その前にまたまた補足事項です。キット及びレジンパーツにも含まれていないパーツで、風防内後部にある横転保護柱骨内に設置されている高圧作動油タンク(主脚・フラップ等の操作力をまかなう)の自作です。このパーツは、本体をプラ棒(2mmΦ)から切り出し、銅線(0.19mmΦ)を巻いてリブを表現しています。そして、油管接続部(上下2本)を真鍮パイプ(外径0.6mmΦ、内径0.4mmΦ)を埋め込んでいます。後で自作した油管を差し込み仕上げます。
因みに高圧作動油タンクは、写真の様に横転保護柱骨内に設置されています。
では、気を取り直して塗装工程の解説です。先ずは、市販アフターパーツ(レジン製)のホ103一式12.7mm機関砲の本体をモデルガン専用のスプレー缶塗料(使用メーカー:インディ、色:ダークパーカー)で塗装します。乾燥後、先を短く切り揃えた筆(ドライブラシやボカシ塗装に使うのと同じ)で、全体塗膜表面を擦る(タワシで擦る様に)と自然な光沢が出て、銃器っぽくなります。そして、先の工程で製作した市販アフターパーツ(真鍮製)の銃身をセットします。因みに銃身パーツは、黒染め処理後、クリアーコート(半光沢)して仕上げています。(主翼のマウザー砲銃身も同様)
計器盤の仕上げです。市販アフターパーツ(レッド・フォックス社:3Dプリント樹脂製)を貼っています。尚、この商品の素材は硬質で曲げると割れるので、左右の角度が付く面部分の計器盤を一旦切り離してから接着しています(要注意)。
射撃照準器の仕上げです。市販アフターパーツ(レジン製と付属のエッチングパーツ)を使っていますが、レンズ部分をウェーブのH・アイズ(クリア:1.5mmΦ)に置換えと、投影+フィルター・ガラスを透明プラ板(0.2mm厚)から切り出して自作しています。
フットバー・ペダルの仕上げです。市販アフターパーツ(レジン製と付属のエッチングパーツ)を使い、滑り止め部分(革製?)を塗分けました。
そして最後は、操縦室内の塗装仕上げです。尚、塗装色は、最近の実機考証に基づき、所謂カワサキ機内色である黄土色でなく、陸軍機の基本機体色である灰緑色としています。塗装方法は、定番のワンウェイトーン塗りで基本塗装を行い、全体をウォッシング(黒色+こげ茶色)して、各細部をエナメル系塗料で筆塗り分け後、クリアーコート(半光沢)しています。
因みにこの灰緑色は、1944年(昭和19年)に陸軍からの通達が出るまで川崎航空機工場内で使われたとのことで、飛燕Ⅰ型の生産は、この期間に当たります。
また、この通達後に生産対象となった機体である飛燕Ⅱと五式戦は、黄緑7号と言うカーキグリーン系色で塗装されていました。
今回はこの辺で、ごきげんよう。
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