モクセイ疾風・キ106 製作記まとめ(主に工作編)
前回では、関連資料の検証を行い、四式戦闘機「疾風」(キ84)から、キ106Ⅱ型への主な外観相違点を抽出、及びそれを受けて機首廻りの改修を行いました。今回は、引き続き機首廻りの改修で発動機廻りの改修に着手します。
プロペラのマグネット脱着化の改修
それでは早速、スピンナーですが、タミヤキット(右側)のパーツ形状は、アリイ(旧オオタキ)のパーツ形状に比べて、ボリュームが乏しい感じがするので、好みでアリイから移植します。
尚、タミヤのプロペラ・パーツをセットするためには、スピンナーのプロペラ・ブレード用の開口を調整する必要がありますが、比較的簡単に収まりました。
そして、プロペラのマグネット式脱着化の加工作業を行います。具体的には、発動機シリンダー後列の裏側にネオジム磁石(5mmΦ)、同前列の裏側に軸受けのボールベアリング(外径5mmΦ/2mmΦ軸径)を仕込み、プロペラ軸は、真鍮パイプ(外径2mmΦ/内径1.6mmΦ)にピアノ線(1.5mmΦ)を仕込んでプロペラに接着します。
プロペラ部分の構成パーツを組立ると写真の通りとなります。
尚、スピンナー部分の内部は、ランナーを用いてピアノ線の軸受けを仕込んでいます。この軸受けは、スピンナーとプロペラ・パーツとの接着接合を兼ねていますので、双方のパーツ塗装後の接着に際し、接着剤のはみ出し跡が隠せますね。
先の写真で見えなかった発動機シリンダー前・後列の裏側をアップしておきます。因みに発動機シリンダー前列の軸孔は、5mmΦ、同後列の軸孔は、7mmΦです。
発動機パーツに対する発動機前方の減速機パーツの位置決め、ズレ止めのため、軸受け用のプラパイプ(外径3mmΦ/内径2mmΦ)を延長して発動機パーツに差し込むと共に、真鍮線も仕込んでいます。
発動機パーツ、及びプロペラ・パーツを機体胴体にセットして全体を確認します。
更にカウリング・カバーを被せて、仮組み確認します。問題無さそうです。
単排気管の改修と自作
機首廻りの排気管の作成に取り掛かります。タミヤキットの排気管は、カウリングと一体モールドであることから、別パーツ感が乏しくリアル感が減退していますので一旦くり抜いてあります。ですので別パーツを流用・自作にて対応します。その際に、機体胴体側の受け固定するトコロを設ける必要があるため、約3~6mmの長さに切ったプラ棒(3mm三角)を排気管基部として、発動機固定部の所定位置に接着します。
左右の排気管で上下に出てるモノは、ハセガワ疾風の余剰パーツを流用し、カウルフラップから適切な長さで露出する様に調整します。排気管の開口部は、ピンバイスで仮孔を開けてから、リューターにて開口の大きさを整えます。また、機体胴体に設置している排気管基部との接続は、真鍮線0.4mmΦを介して行うので軸打ちします。
左右の排気管で中央に出てる4連モノは、アルミパイプ1.0mmΦを潰して楕円形に整形し、開口部の先端部にある鉢巻状の凸帯の再現のため、0.1mm厚の板鉛を切り出し巻いて接着しています。これも先と同様に、カウルフラップから適切な長さで露出する様に調整します。排気管の開口部は、リューターにて開口の大きさを整えます。これも先と同様に、機体胴体に設置している排気管基部との接続は、真鍮線0.4mmΦを介して行うので軸打ちします。
出来上がった各排気管パーツを機体胴体に仮設置した状態。左右の排気管で中央に出てる4連モノは、自重で垂れてしまっていますが、概ねカウルフラップの欠き込み部分に納まりそうです(汗)。
更にカウリング・パーツを被せた状態。自作した左右中央の4連排気管が、整然としていませんが、接着後に調整可能ですので、現状では良しとします。
防火壁スリット等の開口ディテールアップ
カウリング後方からの排気管ショット。プラパーツとアルミパーツが同じ様に見えるかがキモなんですが、塗装してみないとわからないので、まだ調整が必要かもしれません。あと、機首2か所の機銃煙排出口と防火壁のスリットは、モールド対応としないで、リアル開口としています。
因みに機銃煙排出口と防火壁のスリットの開口の開け方ですが、各凹モールドの底に達するまで裏からリューターで削って薄くして行きます。そして、表から楊枝等で突くと綺麗な開口が出来上がります。
尚、真横から機銃煙排出口と防火壁のスリット開口を見ると反対側の開口と重なり、透けて見えることからガランドウ感が否めないので、補強を兼ねて防火壁と透け防止用の仕切り壁を切り出したプラ板で設置してあります。因みに防火壁のRライン型取りは、型取りゲージを使うと便利ですね。
今回はこの辺で、ごきげんよう。
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