2022/08/18 製作記事~1/48 零戦21型(エデュアルド)~#06

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三菱 零式艦上戦闘機21型 製作記まとめ(主に工作編)

 引き続き小物類の製作とその仕上げについて解説します。今回は特別?に搭乗員フィギュアも製作しています。

主脚廻りのディテールアップ その3

 前回からの続きです。主脚柱にはブレーキホースを追加して、ディテールアップしています。ブレーキホースは、タイヤ付近の主脚支柱に取付けたブレーキホース止めを分割部として、支柱側を0.3mmΦの鉛線、タイヤ側を0.2mmΦ銅線を芯にして0.4mmΦのビニールチューブを被せています。また、ホイールカバー接続部には外径0.5mmΦ(内径0.3mm)の真鍮パイプを通して孔開け固定します。因みにブレーキホース止めは、外径0.6mmΦ(内径0.4mmΦ)の真鍮パイプを使用し、取付け方法は0.3mm真鍮線で縫って補強して瞬間接着剤で接着固定しています。主車輪タイヤは、いつもの簡易な自重変形加工して、トレッド溝が無い初期仕様のもので仕上げます。

 本キットの主輪パーツは、3つのパーツで構成(タイヤ本体、内側ホイール、外側ホイール)されており、塗装工程での塗分けでマスキング・フリーとなっています。この点は非常に良いですね。

 主脚柱の各パーツの塗装仕上げを終え、ブレーキホースを取り付けます。本作品では、主脚柱にブレーキホースを追加する都合上、内側ホイール・パーツを先に接着しています。因みに、この内側ホイール(正確にはホイールカバー)部分は回転しませんので、ブレーキホースの固定は維持されています。(外見上、タイヤ本体が回転しています)

 主脚カバーの各パーツの内側部分の塗装仕上げを終えました。

 同様にタイヤ部分の各パーツの塗装仕上げを終えました。因みにタイヤ内部の孔は、内側ホイールとの接着時に接着剤(流し込みタイプ)を流し込むために設けています。

尾脚部分の仕上げ

 前回の製作工程の後、各部をバラして塗装後、組立て仕上げます。本キットでは、製造番号プレートのデカールが付いていますので、塗装後に忘れない様に貼付けてから、パーツ全体にクリアー・コートを行います。

射爆照準器(九八式射爆照準器一型)のディテールアップ

 本キットの射爆照準器(九八式射爆照準器一型)は、従来品と同じく透明パーツの一体モノですが、エッチング・パーツで十字照準リングが含まれていますので、これを追加するだけで、グっと精度が上がります。しかし、パーツ中央部にパーティングラインがあり、これを処理すると射爆照準器の反射ガラスやフィルターガラス部分が台無しになってしまいます。また、本作品では操縦室廻りの各部をディテールアップしておりますので、バランスを取る上で、自ずと道連れディテールアップとなってしまいます。以下、作業概要です。

 まず、射爆照準器の上部突起である、分厚い反射ガラスとフィルターガラスを切取り、切り口を平たんに整えます。次にレンズ部分をWaveのH-アイズ3(クリアー1.0mmΦ)に置き換えますので、レンズ位置にピンバイスで孔(1.1mmΦ)を彫ります。また、WaveのH-アイズは、フラット面に他で余った銀シール(完成後に光の入射加減でキラッと反射します)を貼っておきます。

 射爆照準器本体は半艶ブラック、衝突安全クッション部をダークラバー色にて塗装し、全体を半艶クリアーにてコートします。この後、自作レンズ・パーツを事前に彫った本体孔へ埋込み接着し、透明プラ板(0.2mm厚)から反射ガラスとフィルターガラス(スモークグレー塗装済)を切り出して接着(美透明接着剤/MR.HOBBYがおススメ)して完成です。

突起パーツ等の補強

 初期タイプの零戦において、主翼のエルロン(補助翼)の外側にマスバランスが取付けられています。キットの主翼エルロンには取付けモールドが彫刻されていますが、基本イモ付け接着となりますので、取付け強度的に問題となります。よって、真鍮線0.4mmΦにて軸打ち補強を行います。マスバランス・パーツ側、及び主翼エルロン側には、ピンバイスにて孔を開けておいて、真鍮線を差し込みます。また、資料本「ソコハ何色?」による塗色考証では、艶ありブラックとなっていますが、ここだけやけに照かっているのも不自然なので、本作品では半艶ブラックで仕上げています。

真鍮線による軸打ち補強
塗装仕上げ完了

風防・天蓋のディテールアップ

 本作品は、開閉天蓋(第二風防)をオープン状態として仕上げますので、風防と天蓋は、縁断面部を斜めに削って厚みを薄く見せる加工を行います。一般的にクリアーパーツは着色プラより硬いので、加工作業に伴う変形が大きいと内部にヒビが入ったり、割れたりして取り替えしが付かない事になりますので、作業全体を俯瞰しつつ一か所に力が集中しない様に注意と冷静さを保つことが肝要です。

 まず、加工する断面部分にマジック等で着色します。これは風防・天蓋の縁断面部を切削する際、残すべき範囲を見失わないために行うマーキングなので結構重要なポイントです。次にリューターや丸型ヤスリを用いて風防・天蓋パーツ縁断面の内側角を斜めに削るのですが、削る範囲を側面のフレーム枠範囲からはみ出ない様に注意します。また、風防・天蓋の縁断面部は、キットパーツ厚みの半分ぐらい残すのを目安にします。

風防・天蓋の縁断面部切削が完了したら、切削面を耐水サンドペーパー等で整えた後、コンパウンドで研磨して作業完了です。あと、開閉天蓋(第二風防)に内側にある、コの字型開閉把手と開閉天蓋位置固定用の作動レバーは、エッチング・パーツとしてキットに含まれていますので、事前に塗装を行っておいて、最後の全体組立て時に取り付けます。

搭乗員フィギュアの製作

 機体各部の主な小物類の仕上げ作業を終えましたので、搭乗員フィギュアを製作します。手持ちの他キットの余り物フィギュアをベースに、このポーズを取らせるのに数体からパーツを移植しつつ、腕や手の角度を変更調整するのに切断と接続を行っています。尚、腕や手、及び頭部の各部の接続に際し、その接合部に真鍮線0.4mmΦを差し込み軸打ち補強を行っています。この後、塗装工程に入りますので頭部は未接着とし、別々に塗装を行い最後に接着して完成とします。尚、搭乗員フィギュアの基本塗装方法は、当Webサイトの「ワンウェイトーン塗り」を応用します。

【ワンウェイトーン塗り】
【塗装方法の解説】  本サイトの作品において、主に操縦室内部や外部から見える主脚格納部等に用いている塗装方法で、下地シャドー色の低明度色(暗色)の上へ、高明度色+彩色(清色)を入射光の照射の如く吹付けて塗装することから、暗清色照射塗法(ワン...

 先ず、下地シャドー色としてブラックを全面塗装します吹きます。尚、私見ですが、縮尺スケールの小さい場合は、陰影を強くする方がフィギュアの彫刻にメリハリが出る様です。

 次に、光源(この場合は頭上の太陽)から、ホワイト(太陽光に相当)を入射光の照射の如くエアブラシで吹付けて塗装し、陰影を人工的に作ります。尚、前後左右の何処から観ても陰影が成立するように、真上から少し角度を付けて、前後左右にエアブラシを吹くと良いです。

 そして、頭部、胴体部分について、それぞれの基本色(頭部:Mr.カラーの肌色/C51、胴体:Mr.カラーのレッド・ブラウン/C41)を下地シャドー色を残しながら、オーバーコートします。ここでエアブラシを用いての基本塗装は完了です。

 細部については、水性アクリル塗料「ファレホ」で筆塗りしています。この「ファレホ」は隠ぺい力が高く、また速乾性なので作業効率が良いですね。最後に薄めたエナメル塗料にて墨入れし、ドライブラシにてハイライト入れて、頭部を除く全体を艶調整でクリアーコート(今回使用:Mr.カラー:スーパースムースクリアー(GX114)/艶消し)して作業終了です。

因みに今回使用した「ファレホ」カラーについて記載しておきます。尚、( )内はカラー番号です。
◆頭髪他:グロシー・ブラック(70.861)
◆唇:ライト・ラスト(301)
◆スカーフ:ホワイト(70.951)
◆上着襟ボア:バフ(70.976)
◆救命胴衣:タンクグリーン(71.011)/紐部分:オールド・ウッド(310)
◆手袋・ブーツ:ダーク・ラスト(302)

 背中の「零戦虎徹」は、デカールです。ハセガワ零戦の特別仕様キットから拝借しました。これで、このエース搭乗員が誰か、もうおわかりですね(笑)。

 今回はこの辺で、ごきげんよう。

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