VW へブミューラー・2シーター・カブリオレ 製作記まとめ
前回では、内装仕上げ作業を終えましたので、ボディー関連の小物製作・改修に入ります。では、製作の解説に入ります。
ドアパネル内装の補修
先ずは、ドア内張り部分からで、モールド内にピンホールが・・・、何もそんなトコロに設けなくてもいいでしょうに、と思う厄介なトコロにあり、かつ、この部分のキットパーツはゴム系プラ材なので、パテ埋め等の通常処置は使えません。ですので、極薄プラ板を貼り足して処置します。
作業手順として、ヒケ防止のため、先にピンホール部分にプラ板0.13mm厚から切り出した同径の円板を張り付けます。そして、ドア内張りのモールドに合わせて、同様にプラ板0.13mm厚から切り出して貼り付けて完了です。
タイヤとホイールハウスとのクリアランス調整
しかし、ここでまた気になるトコロが・・・。それは、ボディー・フェンダーのホイールハウスの開口形状とシャシーのタイヤの位置とがしっくりしていないことです。前後タイヤ共にクリアランスが不均等で何となくズレでいるように見えて締まりがありません。
で、盛った削ったで調整を行います。因みに盛り部分は、プラ板で裏当てを設置してから光硬化パテを盛って整形しています。
ついでに、フロント・フェンダーのエラ部分についても、実車写真を参考に改修しています。キットまま部分(右側:赤色線)は、ほぼ垂直ラインなのですが、それに対し改修部分(左側:黄色線)では、内側へ傾斜を付けています。
内部の小物追加・ディテールアップ改修
フロント窓内部に付くルームミラー+サンバイザーの自作からです。ルームミラー本体は、キット・パーツを加工して使用していますが、これ以外は、真鍮線(0.4mmΦ)と真鍮パイプ(内径:0.43mmΦ/外径:0.6mmΦ)、及びサンバイザーを真鍮板0.3mm厚とプラ板0.2mm厚の組み合わせにて製作してます。このパーツで重要なのは強度の確保です。ですので、真鍮パイプと真鍮板との接合はハンダ付けにて行っています。
次にルームミラー+サンバイザーと並んで、フロント窓内部の両端に付くルーフ・ロック受金物です。当然ながら、これも自作となります。プラ板0.5mm厚とプラ棒1mm角の組み合わせで、らしく再現しています。フロント窓内部との接続は、真鍮線0.4mmΦにて軸打ち補強を行っています。
外部の大小物追加・ディテールアップ改修
外部側へ移行します。大物のバンパーからディテール・アップします。改修箇所はボディーとバンパーを繋ぐ、バンパーステーです。キット・パーツは、角材のような形状をしていますが、実車では板状のものとなっています。
ですので、真鍮板(1.4mm×0.4mm)に置き換え再現してみました。このパーツも強度確保は必須なので、ボディー側とバンパー側との接続部分では、バンパーステーの端部をリューターで細く削って差し込み式にしています。
出来上がったバンパーをボディーにセットして仮組み確認します。見た目も強度もいい感じです。
続いて、外部小物類の製作と改修です。このキットのメッキパーツは、ほとんど表側にゲートが出でいますので、目立つものについては、塩素系漂白剤に浸けてメッキを落とし、最終的には塗装にて仕上けます。外部のドアノブは、オーバル・ウインドウ初期の短いタイプに改修しています。ボディー・ドアへの取り付け部には、真鍮線0.4mmΦにて軸打ち補強を行っています。あと、内部側のドアノブ、ウインドウ・昇降ハンドルも同様の補強を行っています。
ナンバープレートも四周を斜めに削って、縁を薄く見せる加工を行っています。これは飛行機の風防を薄く見せる方法と同じ応用です。
キット・パーツのワイパーは、その形状からお世辞にもワイパーとして作動するモノとは思えないので、ほぼ自作とします。取り合えず、キット・ワイパーの基部を残して切り捨て、基部にはヤスリ等でそれらしくテーパーを付けます。ワイパー・ブームを真鍮線0.3mmΦで、ワイパー部分のフレームをプラ板0.5mm厚、及びゴムベラをプラ板0.3mm厚から切り出して断面をT字型になる様に接着し、各部をピンバイスで孔を開けて瞬間接着剤で接着し組立てます。
また、キットでは、ボディ部分への取り付け孔の位置が、左右対称でなく偏っていますので、一旦埋めて正しい位置にピンバイスで孔を開け直しています。因みに自作ワイパーとボディ・フロント上面との接続は、真鍮線0.4mmΦにて軸打ち補強を行っています。
あと、自作ワイパーの仮組みに際し、その位置が、事前に参考にした実車写真と同じ位置にセットできることと同時に、ワイパーゴム部分はフロントガラス面に隙間なく設置できることを確認します。
次は、ラジオアンテナの設置改修です。このアンテナはキットに付属していませんが、実車には配備されています。また、設置するとリアリティがアップするだけでなく、これがまたカッコイイ・・・。で、自作します。本体の材料は真鍮パイプ(外径:0.5mmΦ/内径:0.33mmΦ)と真鍮線0.3mmΦです。基部にはプラ棒2mmΦ、先端部はプラ棒0.75mmΦをそれぞれテーパー掛けて切り出し、ピンバイスで孔開けし瞬間接着で接着し組立てます。
そのアンテナの設置位置ですが、通常はフロント・フェンダーパネルに沿わせるのですが、カブリオレなんだから、やはりフロントガラス前方のド真ん中ですよね。これも実車で存在していますので、細部を慎重に観察します。ポイントはワイパーとの干渉を避けるためにフロントガラス面とクリアランスが確保されていること。及び、フロントガラス・フレーム上部に固定プレートが設置されていることなので、真鍮板(0.3mm厚)を切り出して再現してやります。
そして最後は、フェンダーミラーの設置改修です。これもキットに付属されていませんので自作となります。一応、当時の習い?に従ってドライバー側のみの設置とします。ミラー本体の材料は、WAVE社のH・アイズ(クリアー)5mmΦで、そのままでは厚みがあるので、径が変わらない程度で薄く削って使用します。ミラー・ブームは真鍮パイプ(外径:0.7mmΦ/内径:0.53mmΦ)と真鍮線0.5mmΦの組合せとし、ボディ側とミラー本体側にピンバイスで0.5mmΦの孔開けし瞬間接着で接着し組立てます。因みにミラーは、塗装後にミラーフィニッシュ(ハセガワ)を貼り仕上げます。
実車写真を参考にミラー・ブームを曲げ加工して、微調整を繰り返します。うむ、いい感じです!今回の自作パーツを仮組み確認です。上手く納まりそうですね。
あと、ドアノブ類の取り付け補強として、真鍮線を軸に仕込みます。
これで、ほぼ全てのパーツ製作が終了しましたので、次回からは塗装工程に入ります。
今回は、ここまで。次回に続きます。ごきげんよう!
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