2023/05/26 製作記事~1/48 零戦22型甲(タミヤ)~#07

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三菱 零式艦上戦闘機22型甲 製作記まとめ(主に工作編)

 前回から引き続きの機体リベット打ち作業は、今回で完了です。そして、新たに外板凸凹たわみ加工作業を行います。それでは手順を追って解説します。

リベット打ち工程の完了

 前回の左主翼上面に続いて右主翼上面、主翼下面のリベット打ちが終了しました。これで漸く全てのリベット打ちが完了しました。


 この後、リベット施工で発生した廻りの膨れをスポンジヤスリで均して塗装となるのですが、この機体、使い込んで少しヤレタ感を醸し出してみたいので、外板表面の追加工作を行います。

落下式増槽他のディテール・アップ

 と、その前に落下式増槽の追加ディテールアップを行います。その内容は、凸リベット化とパネルラインの凸モールド化です。因みにキットのモールドは、全て凹モールドとなっていますが、実機形状に合わせて再現してみました。パネルラインの凸モールドは、伸ばしランナーと極細丸プラ線(0.3mmΦ)の併用です。また、凸リベット打ちは、Dr.リベットを使用していますが、今回は少々工夫を凝らしまして、改良施工法による半球状の有頭リベットに仕上げています。尚、作業手順の詳細については下記に記載していますので、ご参考下さい。

【改良凸リベット打ち】
使用する工具  まず初めに、当サイトの作品製作において、凸リベット作業に使用している主なツールを紹介します。尚、類似する代用品を使うことも可能な場合がありますので参考程度として下さい。 極小凸リベット整形ツール(Dr.リベット) Dr.リベ...

 引き続き、既に作業完了していた風防内の凸リベットについても、この落下式増槽での改良凸リベット仕上りと統一感を出すため、全て除去してリセットし、この改良凸リベット打ちにて再施工します。

 下写真は、改良凸リベット打ち再施工後、リペイントし軽くエイジングして仕上げています。更に、機体胴体の風防前部分についても同様に作業を行います。

外板凸凹たわみ加工

 作業が前後していますが、外板表面の追加工作として外板凸凹たわみ表現の加工に入ります。まず、大きな方針として、稼動実機の写真を観察して外板凸凹たわみの単純視化と、これらが生じている機体外板部分のみなし分析を行います。
【機体表面に生じている外板凸凹たわみの分布】
・外板凹たわみ部分:概ね平面部分に発生している。
・外板凸たわみ部分:比較的緩い曲面に発生している。
・外板平滑部分:比較的強い曲面に発生している。
また、リベット・ラインは、機体フォルムを形成している構造材上に配列してあるので、外板凸凹たわみが発生しているトコロは、リベットラインを除く部分となっています。

 これらを考慮して、外板凸凹たわみの組合せ配置と加工形状をデフォルメ化して、
リベットラインを除く面に下記の下地加工を行いました。
【外板凸凹たわみ加工の内容】
・外板凹たわみ部分:カーブの付いた刃でカンナ削りにて加工
・外板凸たわみ部分:筆塗りによるサフェーサーの盛上げ+シワ付け塗りにて加工
・外板平滑部分:キット面まま、無加工

 現段階では、まだ、わざとらしい感が残っていますが、次の均し工程である程度マシになる目論見です。

外板凸凹たわみ加工の均し工程

 外板凸凹たわみ加工を終えたら、モールド保護のため各動翼、風防各部のマスキング処理を行い、エナメル系グロス・ブラックを全体に吹き付けて、塗膜による外板凹凸たわみ面の均しを行います。

一般的に飛行機模型で、エナメル系塗料をこの様に用いることはないかと思いますが、カーモデル等では、シルバー系塗装の下地作りにエナメル系塗料を用いる場合があります。

アルクラッド社のメタリック塗装下地用のエナメル・ブラック(グロス)

 グロスのエナメル系塗料は、ラッカー系塗料より肉厚なため、プラ表面の微細なキズを目立たなくすると共に、非常に光沢度の高い塗膜を形成します。また、表面張力がよく働き、凹モールドへの塗料の入り込みが少ないので、凹モールドが綺麗に残ります。

 今回、これらエナメル系塗料の特性を活用して、外板凹凸間の均しにチャレンジしてみました。ただし、課題として、塗料の乾燥に時間を有すること、溶剤がプラ材に浸透し割れを生じさせることに注意が必要となります。

 これらの対策として、前者は3日間の乾燥時間をとること、後者は事前にラッカー系クリアーで保護塗装を行うことで予防策を講じています。

機体の仕上げ塗装

 外板凸凹たわみ加工の均し工程が完了したら、各部のマスキング塗装に入ります。胴体白帯や機体番号、主翼前縁の味方識別帯の黄橙色下地、及び日の丸等の赤色下地となる部分にホワイト(ガイアEx-01)を吹きます。続いて白色部分をマスキングし、黄橙色となる主翼前縁部を吹いてマスキング。そして赤色となる日の丸等の部分を吹きます。因みに使用した赤色塗料は、フィニシャーズのディープレッドです。更に赤色部分を浮き等が無いように確実にマスキングします。

 全てのマスキング塗装が完了したら、全体にブラック(ガイアEx-02)を塗装して、下地ベース塗装の完了です。

 今回はこの辺で、ごきげんよう。

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