川崎 二式複座戦闘機「屠龍」丁型 製作記まとめ(主に工作編)
前回では、機体内部の各部仕上げ完了、及び機体外装の下地処理等完了まで進みました。今回から外装小物を含め外装仕上げに入ります。尚、ディテールアップは、ポイントを絞って最小限に留めます。
空中アンテナ線支柱の補強兼ディテールアップ
キットのアンテナ支柱は、当然プラ材ですが強度的に不安があるので、真鍮棒(2mmΦ)を金槌で叩き出し、金属ヤスリ等で成形して自作します。
尚、自作アンテナ支柱先端の旗板状のモノは、切り出した真鍮板(0.1mm厚)を巻いてハンダ付けしています。簡単ですが、方法手順について解説します。
【作業手順】
①予めアンテナ支柱先端にこの旗板を巻いて位置がズレない様に端をクリップ等で仮固定します。尚、この作業では、バイス等を併用してパーツを支持すると両手が空き作業がし易くなります。
➁次にパーツを平らなところに置いて、糸ハンダをカッターナイフ等で極少量切り出した小片をアンテナ支柱で接合したい箇所に落ちない様に置きます。
➂加熱にはハンディタイプのガスバーナーを用います。ガスバーナーの炎を小片の糸ハンダを含めてアンテナ支柱と旗板に当てて加熱します。糸ハンダが解けて毛細管現象で接合部に染み渡ったらガスバーナーを離します。
④部品全体の熱が冷めたら作業完了です。
因みにこの様な極小部分のハンダ付けですが、私はハンダごてを使わずに行います。詳しくは、当ウェブサイトでのディテール・アップ技法「ガスバーナー・ハンダ付け法」をご覧ください。
アンテナ支柱の金属加工の作業が完了したら、キットのアンテナ支柱から取り付け基部をカットし移植してます。そして、金属用のプライマーで下地塗装してから、本塗装に入ります。今回の仕上げは、スケルトン+ジュラルミン素地としますので、シルバー色はガイヤカラーのスターブライトジュラルミンを使っています。
ピトー管の補強兼ディテールアップ
ピトー管も自作パーツに置き換えします。構成部材は、真鍮パイプ(外形:0.6mmΦ、内径:0.4mmΦ)、真鍮パイプ(外径:1mm、内径0.6mm)、真鍮パイプ(外径:1.4mm、内径:1mm)、キットパーツをカットした基部で、これらを組み合わせています。
工作が完了したら、金属用のプライマーで下地塗装して本塗装に入ります。今回の仕上げ方針に沿って、シルバー色(本体:ガイヤカラーのスターブライトジュラルミン、先端部:クレオスのスーパーシルバーC159)としています。
機関砲銃身の仕上げとディテールアップ
今回の仕上げ(スケルトン+ジュラルミン素地)のため、ホ五 二式20mm固定機関砲の全体がシースルーとなります。キットパーツの銃身は、ディテールが甘いためアフターパーツの真鍮製に置き換えます。また、銃身色は、先に仕上げた機関砲本体部分と同色にするため、今回は塗装にて仕上げます。塗装手順は、同様に下地にブラック塗り、機関砲部分を当サイトの「銃器等の塗装法」にて行います。
空中アンテナ線の機体固定基部のディテールアップ
空中アンテナ線の機体側固定部の補強工作を解説します。屠龍の空中アンテナ線における尾翼側の固定部は、突起状となっています。キットは当然プラ製となっていますので、これに極細テグスでアンテナ線を取り付けると強度的に不安です。ですので、真鍮板(0.3mm厚)から切り出し「コ」の字形に曲げ、これに芯板を挟んで整形します。尚、固定部本体と芯板との接合には、ガスバーナー・ハンダ付け法(先述)にて固定しています。
この自作パーツは、両側の機体パーツに挟み込む様に取り付けますので、両側の機体パーツは、事前にその厚み分を削っておきます。下写真は、アングル的に空中アンテナ線の機体固定基部の状態がわかりにくいですが塗装仕上げを終えた段階です。
機体胴体の塗装仕上げ
今回の仕上げ(スケルトン+ジュラルミン素地)に行うに際し、スケルトンとなる部分(透明)とジュラルミン素地(不透明)となる部分について、事前に設計デザインし全体のバランスを調整しておきます。考え方の手順は、内部メカの納まりや見え方を考慮してスケルトンできる部分を抽出し、バランスを見て内部を隠す部分(ジュラルミン素地)を決めて行きます。ジュラルミン素地部分は、機体胴体の内部側に機体内部色(自作調合色:黄緑七号)を塗装しますが、事前にスケルトン部分へマスキングを行います。塗装完了したら、クレオス スーパークリアー(半光沢)でクリアーコートし、軽くエナメル系ブラック+ダークブラウンの混色でウォッシングして仕上げます。この作業を終えた後、マスキングを除去して完了です。
機体胴体の外部側についても、内部側と同様にマスキングして、ジュラルミン素地色(ガイヤカラーのスターブライトジュラルミン)を塗装しますが、綺麗な金属感の仕上りを保持したいのでクリアーコートは行っていません。
上写真は、内部メカ部分を仕上がった機体胴体パーツに組み込んだ状態です。 このキットの凄いトコロが段々と顕現化してきました。
今回はこの辺で、ごきげんよう。
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