イタリア軍 戦闘機部隊第91中隊 フランチェスコ・バラッカ少佐 搭乗機
1917年 イタリア 夏
◆作品概要◆
【キットメーカー】ホビークラフト
【スケール】1/32
【機種タイプ】ニューポール17
【作品の完成】2024年11月
【外装工作】
・プロペラの磁石組込み脱着加工
・ロータリーエンジンのプロペラ連動回転・脱着
・ロータリーエンジン点火プラグ線の追加
・カウリングのマグネット式脱着化工作
・カウリング面の各部パネルジョイント・リブの追加
・カウリング上面の潤滑油の給油キャップの追加
・機首上面の主翼支柱の金属帯モールド追加
・機首上面の羽布張り留金具モールドのディテールアップ
・機首上面の燃料の給油キャップの追加
・機体胴体のコクピット側面の段差モールド追加
・機体胴体、主翼、尾翼の羽布張り撓み表現
・機体胴体、主翼の羽布張り重ねの段差モールド追加
・主翼支柱部の金属帯モールド追加。
・上下主翼間の張線テグス張り、張線ターンバックルの自作追加
・水平尾翼の昇降舵ダウン加工
・垂直尾翼の方向舵・梶切り加工
・尾橇(びそり)の補強とディテール追加による自作置き換え
・尾橇基部の金物ディテール追加
・機銃(ビッカース機銃Mk.Ⅰ)は、レジン+エッチングのキットに置き換え
・機体下面の排薬莢用のシュートの自作追加
【内装工作】
・コクピットのヘッドレストの自作追加
・コクピットのバックミラーの自作追加
・コクピット内部フレームの自作追加
・タコメーターの自作追加
・室内灯の自作追加
・操縦桿のディテール追加
・補助翼操作ロッドの自作追加
・フットレバーベルトの自作追加
・パイロットシートのディテール追加
・燃料タンクの自作追加
・弾倉ユニットの自作追加
【塗装全般】
・本体塗装は、グラデーション下地塗装によるオバーコート塗り(ワンウェイトーン塗り)
・羽布張り部分は、塗色を含め独自考証によるアルミドープ塗り表現
・機体下面の排気+油漏れのウェザリング
・主脚・主輪の泥汚れウェザリング
・国籍標識は塗装、その他はデカール(アフター社外品)を使用
・プロペラの積層木目表現塗装
・ロータリーエンジンの熱焼け表現塗装
・上下主翼間支柱部の木目表現塗装
・尾橇の木目表現塗装
・機銃のモデルガン塗装
ニューポール(Nieuport)社は、フランスの航空機会社である。第一次世界大戦前では、レーサー機の製造。第一次世界大戦期間と次大戦まで期間では戦闘機を製造したことで知られています。創業沿革は、1902年にニューポール・デュプレ(Nieuport-Duplex)としてニューポール兄弟により創設され、自動車用電装品の製造を始めました。1908年1月13日、社名をALS(Société Générale d’Aéro-Locomotion)に変えて、航空機用部品の製造に進出し、1911年には、飛行機製作を専業とする製作メーカー、Société Nieuport et Deplanteを設立します。
第一次世界大戦後も航空機製造事業を継続し、1921年に飛行船メーカーのアストラ社を合併してニューポール・アストラ (Nieuport-Astra)となった後、ほどなく社名をニューポール・ドラージュ (Nieuport-Delage)に変更します。1932年のフランス航空界の再編によって、主任設計者のギュスターヴ・ドラージュが引退したことから、社名は再度ニューポールに戻されます。1935年には、ロワール社と合併してロワール・ニューポール (Loire-Nieuport)となったが、1936年の航空機メーカーの国営化計画に伴いSNCAO(Société Nationale de Constructions Aéronautiques de l’Ouest:西部航空機製造公社) に統合され、メーカーとしては消滅してしまいます。
主翼が、「セスキプラン」と称される一葉半形式の戦闘機は、ニューポール社の主任設計者ギュスターヴ・ドラージュが設計したもので、第一次世界大戦が勃発するとニューポール10として、イギリス海軍航空隊に採用され、その有用性が証明されました。この一葉半シリーズは、その後11、17、24と発展していきますが、「セスキプラン」の下翼は、その単桁構造の故に脆弱であり、飛行中に分解する不都合な傾向を持っていたため、更に航空機の高性能化や高速化が進むと、この欠点が足枷になり次第に採用されなくなりました。
ニューポール17は、先に開発されたニューポール11をやや拡大した機体で、より強力なエンジンと大きな翼で計画され、全体的にも洗練されたフォルムで設計されました。当初は110馬力のル・ローヌ9J回転式空冷星型9気筒エンジンを装備していましたが、後に改良された130馬力エンジンに換装され強化されています。
ニューポール17は、1916年3月にフランス軍の部隊配備が始まり、旧式化したニューポール11との機材更新を開始しますが、1916年の一時期において、フランス航空部隊のすべての戦闘機隊がニューポール17を装備することになりました。ニューポール17は、当時のどのイギリス戦闘機よりも優れていたため、イギリスの陸軍航空隊や海軍航空隊からも発注を受け、イタリア、アメリカ、ロシア他にも海外輸出が行われたベストセラー機となりました。
ニューポール 17は当初ニューポール11が装備していた翼の上のルイス機銃を引き継いでいましたが、フランス軍では間もなくこれをプロペラ同調式のヴィッカース機銃に置き換えられた。
イギリス陸軍航空隊では、翼の上のルイス機銃は、改良されたフォスター銃架(パイロットが弾倉を交換したり、弾詰まりを除去できるように曲がった金属製のレールがついたもの)と大容量の97発ドラム弾倉を利用することによって続けて使われました。両方を装備したものも数機(エース機?のみ)ありましたが、重量の増加などによって性能悪化がもたらされるため、1挺のみの機銃とするのが標準とされました。また、ニューポール11同様に、ごく少数機には、対気球用に翼の支柱にロケット弾を装備した機体もありました。
本作品での製作概要は、外装工作として、キットのモールド段差をなだらかにする加工し羽布張りの「撓み」を再現しています。
プロペラ、及びエンジンは、共にマグネット脱着式で回転改修を行っています。機首カウリングカバーの分割リブも再現しています。
また、水平尾翼を駐機状態(ダウン)へ改修、張線をテグスに置き換えターンバックルを真鍮パイプ等で自作追加。
内装工作として、コクピットフレームを自作して、ディテールアップしたパイロットシート、操縦桿+フレーム、スロットルフレームを組み込み、タコメーターや補助翼操作ロッド等も自作追加して、コクピット全体をディテールアップ。
主翼の支柱や主脚フレームの基部金物のモールドを再現。機首機銃は、アフターパーツのレジン+エッチングのキットを組込み。
本作品のカラーリングは、WWⅠにおけるイタリア軍のトップ撃墜王で、パーソナルマークが「跳ね馬」(カヴァリノ・ランパンテ)の超有名なエース、フランチェスコ・バラッカ少佐の搭乗機です。
因みにこの「跳ね馬」エンブレム、撃墜したドイツ空軍のパイロットが付けていたシュトゥットガルト市の市章をモチーフにしたとする説が有名ですが、正しくは、バラッカが騎兵将校時代に所属していたイタリア陸軍第2騎兵連隊の紋章とのこと。
また、このエンブレム、1923年にアルファロメオのドライバーとして初優勝したエンツォ・フェラーリへ、亡き撃墜王の親族から、この「跳ね馬」マークをプレゼントされたことから、あのフェラーリ社のエンブレムとなったとのこと。
塗装全般として、本体塗装はグラデーション下地塗装によるオバーコート塗り(ワンウェイトーン塗り)の上、機体全体の使用感をエナメル塗料にて控えめウエザリング、国籍標識やパーソナルマークはデカール(アフターパーツ品)を使用。プロペラ、及び上下主翼間の支柱の木目を塗装にて再現。
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