中国人民解放軍海軍 殲-15(J-15A)艦上戦闘機「フライングシャーク」 製作記まとめ(主に工作編)
前回では、機体本体塗装工程と部分ウェザリング工程にて塗装仕上げを行いました。 今回から、デカール貼り工程に入るのですが、塗装完了後からの補正修正を行う必要が生じたため、先にその作業を行います。早速、解説に入ります。
キャノピー部分の補正修正
さて、塗装工程を終えても悩ましく考えていた風防キャノピー部分です。いつもは、機体本体に風防キャノピー部分を接着してから一体で塗装するのですが、風防キャノピー前部にある突起状のIRST(赤外線探索追尾装置)部分と機体との合いが微妙で、またIRST先端部はクリアーのため、塗料の回り込みを危惧し、別々に塗装を行いました。当然パーツを組み込めば継ぎ目が発生します。


この風防キャノピー部分と機体本体とのパネルラインについて、実機では殆ど目立たず、風防キャノピー部分は、機体本体と一体化して見えます。ナナニイのスケール感を考慮すると、このパネルラインの存在は、やはり良くないですね。ですので、マスキングテープで養生し、瞬間接着剤を盛ってラインを消します。


このパネルライン消しに際し、電動式のヤスリを使用すると切削範囲を最小限に出来て便利ですね。
切削後は、スポンジヤスリ等で表面を均して再塗装を行います。反対側も同様に仕上げています。この後、当該部分の再度スミ入れ兼ウォッシング塗装→クリアーコートの工程を経て作業完了です。


これにて、全てのパーツの塗装を終えましたので、機体本体に主翼、各尾翼を本接着して、漸く士の字まで作業が進みました。このあと、主脚等のランディングギア・パーツも機体本体に本接着して、デカール貼り作業に入ります。


垂直尾翼廻りの塗装色の補正修正
これは、キットの塗装説明図兼、デカール貼り指示図なんですが、左下段の機体右側面図の垂直尾翼前縁の下部にクレオスC332の部分塗装が記載されています。そう、右側だけ・・・、完全に見落としでした。この塗り分けは、ロシア機特有で、このロシアン・トラップを中国機も踏襲していたのでした。


実機画像を確認していて、キット塗装説明図の誤りを発見。垂直尾翼の上部色は、キット塗装説明図のクレオスC301より薄いグレー色。この濃いグレー色は、試作機(500番台の機体番号)の塗装色の様であり、実戦配備され始めた量産機(100番台の機体番号)から、ライトグレーに変更された様なのです。実機写真もいつ頃撮られたのか不明なので、時系列に把握が困難ですが、集めた情報を総合的に考えると、この実機写真は、2013年頃に空母遼寧に配備された初期量産機の様です。

キットのデカールでは、104号機か105号機かの選択なので、間違いなく初期量産機。迷った末、実機画像通りに是正するため、塗り直しを決行します。垂直尾翼の誤り箇所は、クレオスC332のライトグレーで、機体背部のダークグレー部は、機体色のクレオスC338のライトグレーで補正します。(赤丸部分)


補正後の状態。スミ入れウォッシング塗装とクリアーコートも済ましています。色が薄くなって模型的に締まりが無くなりましたが、上手くリカバーできました。

各部パーツが接着されていますので、マスキング作業は、結構大変でした。吹き込みミストやマスキング部の塗装滲みが無いように広い部分はサランラップ併用で全体を覆いました。

右側垂直尾翼だけ、前縁下部に塗装されるも、更に裏表で塗装範囲が異なっています。また、キットのパネル割りもどこまで実機反映されているか不明なので、違和感が無いように塗装範囲を決めています。


これで漸く、塗装作業が完了しました。是正作業前は、モチベダウン気味でしたが、修正が上手くいったので、気を取り直してデカール貼り作業に入れそうです。

デカール貼り作業
先ずは、デカール貼り作業終了の状態。ナナニイなので、主要デカール以外のコーション類は少なめ。しかし・・・、

キット付属のデカールは、いわゆる難デカールの類。極薄でクシャクシャになりやすいため、デカール貼りの基本手順に従い台紙ごと、近くまで持っていってデカールをスライドさせて貼付けするのですが、台紙の質にも問題があって、スライドしにくいため作業は難航。

更に中華系キットにあるあるのモデラー泣かせの無駄なパーツ細分化構成。国籍章のデカールは、星型一文字のベースに「八」と一」を重ね貼る3ピース構成。大小六か所あります。因みにハセガワの同機種キットでは、国籍章デカールは、全て一体化印刷した1ピース構成です。

そして、デカール貼り最大の難関となった垂直尾翼のシャーク・マーク。このマークの余白はマークのラインに沿って同じ幅なためヒレ部が絡まり易い形状。更に追い打ちをかけたのは、大き目のデカールのため台紙から全くスライドしないことです。デカールを台紙から持ち上がると間違いなくクシャクシャになりますので、打つ手なし・・・・。そこで天からアイデア降臨!。以下手順説明です。
➀デカールを台紙ごと水皿に浸けてデカール(浮き)と台紙(沈む)とを一時分離。
➁水皿から台紙を取り出し、カッターナイフで2分割する。
➂台紙をカットラインに付き合わせて並べ、ジョイント部の片方を幅広のピンセットで挟んでつまみ上げる。
➃水皿に浮いているデカールを2分割突合せの台紙ですくい上げて再セットする。
➄デカール+台紙を垂直尾翼面に置いて、片方づつ台紙を抜き取りデカールを落とし込む。
➅デカール位置を調整して完了。

また、デカール貼りでのやらかしミスのリカバリーも発生しました。機体上面左右にあるウォークウェイラインのデカールですが、左側は上手く貼れたのですが、右側(赤丸部分)は、ラインがよれよれになってしまいました。原因は、デカール位置決め後にマークセッター塗布して乾燥待ち中に機体パネルラインとウォークウェイラインとのズレに気付き、手を加え補正を行ったため、軟化デカールの伸び縮みのバランスが狂い、乾燥するに従い歪みが生じてきたためです。少し補正タイミングが遅かった様です。

ですので、右側のライン部デカールを剥がして塗装にてリカバーするのでが、このデカール、乾燥すると密着力が非常に強く、セロハンテープでも剥がれず、粘着強のテープでも完全に取れなかったため、塗膜表面ごとスポンジヤスリで削り取って漸く取れました。よって、機体色から再塗装してウォークウェイラインをマスキンズしエアブラシにて再現しました。また、赤色味が左右で合わないため、左側部もデカールの上に塗装にて色合わせしています。

デカール廻りの段差処理
先ずは、デカールのクリアーコートの後、段差処理を行って、仕上げのクリアーコートを終えた状態。各作業工程の写真は、取り忘れたので、解説により補足します。

因みに仕上げのクリアーコートは、艶消し(クレオス スーパースムースクリアー GX114)を使用しました。マイメソッドですが、一般に実機を近くで見ると意外に光沢があることが多く、スケール感を実機から離れた距離に見立てると、1/72スケールでは、結構離れたトコロから見ることになります。空気遠近法の観点から、距離が遠くなる程、霞が掛かった現象が強くなることから、艶消し加減を調整し仕上げを採用しています。特にグレー系の色は艶消し感が顕著になります。

極薄のデカールとは言え、デカールを貼れば段差が生じます。デカールの段差はスケール感を損ないますので、特に小スケールの場合は、段座処理は必須とした方が良いと考えます。作業手順は、十分乾燥させたデカールの上を中心に全体をクリアーコート(光沢)を適度にインターバルを置きながら、3~4回重ねた後、一週間程自然乾燥させてクリアー層の硬化を待ちます。因みにクリアーコート(光沢)は、クレオス スーパークリアーⅢUVカット(GX112)を使用しています。

クリアーコートが完全に乾燥したら、デカール面とその周囲を中心に耐水ヤスリで水研ぎを行います。耐水ヤスリは、#4000→#6000→#8000→#10000の順に番手を変えて塗膜を研磨します。水研ぎは、小まめに水分をティッシュペーパー等で取って、塗膜面の様子を確認しながら行います。作業完了の目安は、デカール面とその周囲との段差付近に光沢クリアー部分が無くなって、艶消し状態になっているかです。お分かりかと思いますが、研磨し過ぎるとクリアーコート下のデカールまで削れてしまい、リカバー不能となりますので注意が必要となりますので、水研ぎのコツは、人の力は添える程度で力を入れず、耐水ヤスリが持つ最小限の研磨性能のみを駆使するイメージで小まめに研磨面を確認することです。因みに耐水ヤスリは、スポンジ付きの神ヤス(ゴッドハンド)を使用しています。水研ぎ研磨でデカール段差処理後、水分を拭き取って十分乾燥させて、仕上げのクリアーコートを吹き作業完了です。

小物パーツの取付け
そして、残りの全てのパーツ取付け終えて・・・・、漸く完成です。





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