2021/04/25 製作代行~1/48 紫電改(ハセガワ)~製作記事#03

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 本作品は、当サイトをご覧頂いた方からのご依頼にて製作代行させて頂いています。ご依頼の機体は、日本海軍局地戦闘機 紫電21型(紫電改)で、マーキングは第343海軍航空隊(通称・「剣」部隊)の戦闘301飛行隊(新選組)隊長で有名な菅野 直大尉機です。

令和3年4月度(第3回)の進捗状況

 プラモデルのスケールモデルは実在する(した)ものを再現しするため、その全てのパーツはプラスチックで出来ています。また、モデル自体の重量も軽いため、細い部分や薄い部分、金型の都合上でパーツの接着部分は十分な強度が確保出来ないところが多々あります。特に飛行機モデルでは、主脚部分やアンテナ支柱等の自重を支持する部分や手や指が引っ掛かりやすい部分は、持ち運び時やホコリ除去の掃除時等で破損させてしまうことが多く、折角の完成モデルが残念な状態となってしまいます。これらを考慮して私の作風は、①キットのディテールを損なわない補強工作と②補強を兼ねたディテールアップ工作を可能な範囲で施しています。そんなこんなで今月度の製作状況は以下の通りの進捗です。

 上の写真は、機体本体のサフェーサー吹き作業が完了した状態です。キットのパネルラインやリベットモールドを全て彫り直して、塗装工程における墨入れラインがクッキリする様に事前仕込み行います。この後のサフェーサー吹き工程の前に全てのパーツを超音波洗浄器に入れて、パネル・ラインやリベット・モールドに残っているプラ粉の除去と同時にパーツの油脂等の洗浄を行います。

機体胴体廻りの製作状況

 操縦席のヘッドレスト部に相当するロールバー(転覆時保護支柱)は戦争末期の資材不足から、紫電改では木製となっていますので、塗装にて杢目表現し雰囲気を醸し出しています。

 風防と天蓋は、縁断面部を削って厚みを薄く見せる加工を行い、更に全体を研磨し歪みを取ります。因みに一般にクリアーパーツは着色プラより硬いので、加工作業に伴う変形が大きいと内部にヒビが入ったり、割れたりして取り替えしが付かない事になりますので、作業全体を俯瞰しつつ一か所に力が集中しない様に注意と冷静さを保つことが肝要です。

 機体パーツの尾灯部分を切り取り、クリアーパーツに置き換えています。また、尾灯部分には内部の電球表現を付加しています。本作での尾灯は、機体部分と隙間なくフィットさせるため、キット付属パーツを使用せずクリアーランナーを大きめに切り取って、機体に接着し削り出して整形・研磨しています。

 排気管の塗装完了。写真では解り難いのですが、塗装にて排気管本体の焼けやスス汚れを付加しています。

主翼廻りの製作状況

 主脚部パーツのディテールアップ作業の完了。主脚柱はオレオ部分を1.4mmΦアルミパイプに置き換え、ブレーキホース結束帯の追加、及び内部に0.8mmΦ真鍮線を仕込んで強度アップ化。主脚カバーは厚みを薄く削りシャープ化。主脚柱引き込みロッドはスプリング部分を0.3mmΦ真鍮線と1.0mmΦスプリングの組み合わせに置き換えています。

 主車輪カバー部のディテールアップ作業の完了。主車輪カバーは機体への取り付け強度アップのため、0.4mmΦ真鍮線を追加。主車輪カバー引き込みロッドは強度アップとシャープ化を兼ねて、腕部を0.6mmΦ真鍮線を曲げ加工し置き換えと、本体部のスプリング・モールドを削り取り、0.19mmΦなまし銅線にてスプリングを自作し置換えてディテールアップしています。

 主車輪部のディテールアップ作業の完了。キットではタイヤのトレッドモールド(溝)が再現されていませんので、スジボリにて追加しています。

 主脚支柱と主車輪カバーを機体へセットして仮組確認。完成後は下面になるので、あまり見えない部分となるのですが、鑑賞中に時折チラリと見える細部のディテールが良い味を出してくれるので、それが楽しみですね。(“ちらり”ズムのロマン!)

 翼端灯も忘れずにクリアーパーツ化。尾灯と同様に内部の電球表現を付加し、機体部分と隙間なくフィットさせるため、キット付属パーツを使用せずクリアーランナーを大きめに切り取って、機体に接着し削り出して整形・研磨しています。

 主脚部パーツの塗装完了。主脚柱にはブレーキホース(0.3mmΦ鉛線と0.4mmΦビニールチューブ)を追加しています。

次月の作業予定

 今月の作業は、機体胴体廻りと主脚廻り等の作り込みと仕上げを中心とする精密な作業とその塗装作業を終えて小物パーツは全て完成しました。次月は完成へ向けて機体本体の手打ちでの全面リベット作業の後、塗装作業に移行して行きます。

それでは、次月末まで、ごきげんよう。

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