ニューポール17 製作記まとめ(主に工作編)
前回では、機体内部のフレーム+臓物パーツの自作、及び整形・仮組みまで行いました。今回は、機体内部のフレーム+臓物パーツの塗装仕上げと組立て、外装の工作とディテール・アップを行います。
コクピット内各部パーツの仕上げと組立て
先ずは、スロットル・レバーのフレームの塗装仕上げ完了です。塗装前のチェックで室内灯の存在を見落としていたことに気付き、急遽の自作対応しています。
コクピット内で唯一の計器メーター:タコメーターの塗装仕上げ完了です。メーターは、ジャンク・デカールから流用し、貼付け乾燥後に透明レジンを塗って、その上に円形にガラスに見立て、切り出した透明プラ板を貼った後、透明レジンを紫外線照射にて硬化、透明レジンは接着剤も兼ねています。
機銃(ビッカース機銃Mk.Ⅰ)の塗装仕上げ完了です。機銃部分の塗装は、モデルガンに使用する塗料を使っています。因みに機銃下部に付いている棒状のモノは、空薬莢の排出シュート管です。
パイロット・シートの塗装仕上げ完了です。シートベルトは、エデュアルド社のカラーエッチングを使用しています。
自作したコクピット内部の木製+鋼製フレームの塗装仕上げ完了です。因みに鋼管部分は、ミディアムブルーに塗ってあるトコロです。
因みにパイロット・シート以後の機体胴体内部面のブレースを入れ忘れていたので、塗装前に追加しています。
機体胴体内側の塗装仕上げ完了です。木板部分と帆布部分とを塗り分けています。
仕上げた各部パーツをコクピット内部の木製+鋼製フレームに本接着して組み込みます。
ホントは、スロットルフレームの裏側に給弾ベルトの巻き上げドラムが設置されているのですが、各部の自作パーツと同様、完成後は、殆ど見えなくなりますので、今回オミットです。
仕上げた各部パーツを取り付けたコクピット内部の木製+鋼製フレームを機体胴体に組み込み、エンジンとプロペラを取り付けた断面透視のショット。機体内部の構造と各部の構成がよくわかりますね。
外装の羽布張り表現のディテール・アップ
ご存知の通り、第一次世界大戦時代の複葉機の機体や各翼は、羽布張りでした。ですので、金属や木材フレームに羽布を貼り付けて機体や翼のフォルムを形成しています。羽布は、ピンと張ってあるものの、フレームの無いトコロは微妙に撓(たわ)んだ様な状態になっています。
一般にキットでは、この微妙な撓みの表現を簡略化してフレーム部分を凸リブモールドとされているケースが多いです。このキットも例に漏れず、上写真の様な機体表面のフラット面上にはっきりした、かまぼこ型凸リブでフレーム部分がモールドされています。しかし、32ぐらいのスケールとなると、流石にこのモールド表現は不自然に感じますので・・・。
このカマボコ型凸リブのフレーム部分を含めて機体表面を改修し、微妙な撓みの表現を付けてディテールアップします。上写真は、改修後の上主翼の上面で、下写真は、改修後の上主翼の下面です。
別々の写真では分かりにくいかと思いますので、比較出来るように下写真にて、下主翼の下面の改修前(上側)と改修後(下側)を並べてみました。簡単ですので、改修手順について解説致します。
羽布張り撓みの表現工作の手順
まず、改修を行う凸リブ・フレームモールド(赤線部分)のきわきわにマスキングテープを貼ります。
次に凸リブ・フレームモールドが露出するプラ面をマスキングテープきわきわにスポンジヤスリでヤスリます。この時、マスキングテープに少し掛かるぐらいでヤスり、凸リブ・フレームモールドが平面部分に均等に馴染めば止めます。
続いて、マスキングテープをはがして、凸リブ・フレームモールドの反対側へ貼り直します。この時、凸リブ・フレームモールドのセンターラインに合わせてマスキングテープを貼るのがポイントです。
前回同様に、凸リブ・フレームモールドが(半分)露出するプラ面をマスキングテープきわきわにスポンジヤスリでヤスリます。この時もマスキングテープに少し掛かるぐらいでヤスり、凸リブ・フレームモールドが平面部分に均等に馴染めば止めます。
マスキングテープを剥がして作業完了です。キットの凸リブ・フレームモールドは、なだらかな波型のモールド(爪楊枝が差す部分)に改修されました。
機体各部の羽布張り撓みの表現
上記の撓みの表現工作の手順やその応用にて、水平・垂直尾翼も同様に改修します。下写真は、キットのカマボコ型凸モールドを改修し、撓み表現処理後にサフェーサーを吹いた状態です。
尚、水平尾翼は、一旦切り離しダウン舵状態にて再取付けします。また、機体胴体の側面部分も木製フレームに羽布張りなので、木製フレームのタテのラインが浮き出て見える様に撓みの表現を追加しています。その他、機体表面が単調にならない様に、凸リベット打ちやプラ板等を部分追加してディテールアップを行っています。
機体胴体の下面についても側面部分と同様に木製フレームに羽布張りですが、尾橇設置廻りやコクピット底部分には板張りが施されていますので、微妙な段差を彫刻にて付加し表現しています。
あと、実機では、尾橇の基部に固定金物がついていますので、切り出したプラ板にて金物を自作し、ディテールアップしています。
今回はこの辺で、ごきげんよう。
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