殲-15(J-15A)/フライングシャーク(2026年)

1/72スケール

中国人民解放軍 海軍航空兵の艦載機部隊

2013年頃 航空母艦 遼寧

◆作品概要◆
【キットメーカー】トランぺッター
【スケール】1/72
【機種タイプ】中国人民解放軍海軍 殲-15(J-15A)
【作品の完成】2026年10月

【外装工作】
・全面のスジ彫直し、全面のビス、クイックファスナー打ち直し。
・市販アフター部品(機首ピトー管)置換え。
・キャノピーは閉状態。
・武装(キット付属品)一部同社のJ-11Bキットから流用し追加。
【内装工作】
・基本素組み、各部プラ材・真鍮線にて内部補強。
・パイロットシート・パーツは、ハセガワSu-33より流用し置換え。
・アフター部品(シートベルト)追加。
【塗装全般】
・本体塗装は基本迷彩を多重グラデーション法をベースにより塗色。
・機体全体のリペイントや退色感をエナメル塗料にて控えめウエザリング。
・マーキング類は、デカール(キット付属品)を使用。

 本機は、中華人民共和国の瀋陽飛機工業集団と601研究所により開発された艦上戦闘機です。NATOコードネームは「フランカー X2」、中国人民解放軍海軍での愛称は、「フライングシャーク」で、中国の空母建造計画の一環として開発製造されました。また、ロシアのSu-27やアメリカのF-15などと同じ第4世代ジェット戦闘機の系統に属しますが、改良型やアビオニクス(航空電子機器)のアップデートを加えた派生型(J-15Tなど)は、第4.5世代に相当する性能を持つとされています。

 本キットは、A型(単座の量産型)を再現しており、A型は、2013年頃からの空母「遼寧」の運用から始まり、空母「山東」でも運用されました。現在では、アップデート型のJ-15T(A型の改良型)に置き換えられて、退役が進んでいるとされています。機体番号については、当初3桁で統一されていたが(試作機551~556、量産機100~123。ナンバーのない派生試作機もあり)、空母「山東」の就役(2019年)に前後して、2桁のナンバーに改められている。 機番や公開演習から、初期試作機6機や派生試作機を除いた生産型がA型66機、T型14機、S型(複座型)15機、DH型(電子攻撃機型)2機以上あるとされています。

 本機の開発は、1991年のソビエト連邦崩壊により建造ストップとなったウクライナの黒海造船工場において、1993年に竣工予定(1991年段階で進捗率75%)で建造中であった空母「ヴァリャーグ」を1998年に中国系民間会社が落札。中国へ回航後は、入札条件であった「軍艦として再生することを禁ずる」を有耶無耶にして、中華人民解放海軍に渡り中国初の空母「遼寧」として完成となります。J-15は、J-11B(ロシア空軍Su-27フランカーのライセンス生産機を無断改良したタイプ)をベースに、2001年頃にウクライナから入手したSu-33試作型(T-10K-3)から得られた艦上戦闘機特有部分を構造強化したとされるが、機体フォルムを含め各部構成は、Su-33とほぼ同じとのことです。

 あと、2025年12月6日には、沖縄本島南東の公海上空で、中華人民解放海軍の空母「遼寧」から発艦したJ-15戦闘機が、スクランブル(対領空侵犯措置)で対応中の航空自衛隊のF-15戦闘機に対して火器管制レーダーを断続的に照射する事案が発生したことは記憶に新しいです。

 本キットは、中華系メーカーのトランぺッターから新金型で2023年にリリースされ、前年の2022年にリリースされた同じフランカー系譜である同空軍のJ-11Bキットとのほぼ共有の無い新金型となっています。各パーツの合いは、新金型キットだけあって比較的良好で、 モールドもスケール感を意識してしっかり入っており好感が持てます。 ただ、プラ表面は、海外キット特有の梨地となっていますので、塗装前の下地作りの段階で、全体的に軽く研磨が必要となります。

 本作品は、対空対艦攻撃用にチョイスしていますが、詳しい資料がないので実機運用の組合せは不明。ミサイル満載にて適当に見繕っています。因みに搭載空母(遼寧、山東)の艦載機運用における構造的欠陥(カタパルト未装備)により、空母発艦時は、ミサイルと燃料の満載搭載は出来ないとのことです。

 主翼前部の機首カナード翼の取付けは、差込みピン部が短いため接着面が小さく、また機体側が空洞なため、 上反角をセットした状態の維持は難しいと判断し、真鍮線を通して両翼を連結させ、 かつ回転防止用にも軸打ちを行っています。

 本キットでは、主脚柱を支点に前部と後部がギリギリ釣り合っている状態で、 後部を上から押すと起き上がらず、尻餅状態となりますので、機首部分に錘を設けて尻餅対策を講じています。

 キットの水平尾翼や垂直尾翼、主翼の後端部に設置されているライトニングアレスタ(放電索)ですが、基部のみの再現なのか、申し訳程度にしか再現されていません。ディテール再現度は劣りますが雰囲気を重視して、柔軟で折れにくい素材であるテグスを追加しています。

 機首レドーム先端に設置されているピトー管について、今回は、強度面とディテールアップも兼ねて社外アフターパーツを使用しています。尚、J-15用の専用のパーツはありませんので、ベース機のSu-33用のモノを使用しています。

 キットのキャノピー・パーツですが、Ω形断面のため、中央にパーティングラインがあります。また、風防前方に設置されている突起状の赤外線探知・照準/レーザー測距装置部分との一体成形によるパーティングラインの段差もあり、平滑処理を行っています。

 機体後部上面、及び機首部下面に設置されているIFFアンテナについて、キットでは機体と一体でモールド化されていて、射出成形技術としては、スゴイのですが、制作中の取回し過程で破損しそうなので、洋白線に置き換え補強しています。

 脚カバー取付け部について、点接合となっており強度面に不安が残りますので、金属線を軸打ちして補強しています。

 このキットでは、エアインイク内部に異物吸入防止用のフィルター・パネルが、展開状態でパーツがセットされ再現されています。因みにこの異物吸入防止用のフィルター・パネルは、フランカー系の機体に装備された格子状のフレームに網が張られている構造で、離着陸時やタキシング時に立上り、空気取り入れ口をカバーします。

 本キットも例に漏れず、現代ジェット戦闘機の機体表面から突出するアンテナ・センサー類は、別パーツとして構成・再現されています。しかし、機体への接着は、海外キットに有り勝ちなイモ付けや浅い凸凹付け等で、接着面積が小さく根本部分から折れやすいため、金属線で軸打ちして補強しています。

 キットのパイロットシート・パーツのヘッドレスト後部は、肉抜き状態であり、シート高さも不足しておりディテール不足に感じたので、出来の良いハセガワ版のパイロットシート・パーツを流用し、アフターパーツ(ファインモールド製)のシートベルト(Su-33用)を追加しています。コクピット内の塗装色について、キットの塗装説明は大雑把で、細部の塗り分けが分からないのと、塗装色そのものが実機と異なる様ですので、実機写真から近似色を選定しています。また、機首左側に設置されている空中給油プローブについて、先の機関砲と同様に機体と一体モールドとなっており、立体感が乏しいため、機体の彫刻モールドを切削して開口し、空中給油プローブを自作して取付け、ディテールアップしています。

 右側機首部の30mm機関砲について、機体と一体モールドとなって、砲身も太くスケールアウトしていますので、機体の彫刻モールドを切削して開口し、30mm機関砲の砲身を真鍮パイプで自作してディテールアップを行っています。

 垂直尾翼の後上縁部に設置されているILSアンテナ・パーツは、エッチング製ですが、垂直尾翼側に取付けるための代が全く無いため、ディテール面や強度面を考慮した追加工作を施して取り付けています。

 実機のエンジン・テールパイプは、熱焼けによりパネル表面に色味変化が見られます。ナナニイ・スケールで、実機並に色の変化を加えることは現実的でないため、機体全体を捉えた遠目の実機画像からイメージしてマスク塗装やウェザリング塗装を行っています。また、ジェット排気ノズル廻りには、ウェザリングによる熱焼け表現を行っています。

 キットのミサイルとパイロンとの接合は2点の凸凹部で接着となっていますが、強度的に弱いので、接合2点の凸凹部に真鍮線による軸打ち補強を行っています。尚、ミサイルを満載搭載にするに当たり、キットで不足する空対空ミサイル(PL-8)の2発、空対空ミサイル(PL-12)の2発を同社J-11Bキットの余剰パーツから流用して追加しています。

 垂直尾翼部分の塗分け塗装色について、キットの塗装説明書に誤りがある様なので、実機写真を参考に補正を行っています。

 キットの主翼は、展張状態と折畳み状態の選択式で、今回は主翼展張状態にて製作していますが、キットの接続パーツままでは、いささか強度的な不安が残りますので、真鍮製を追加して補強を入れています。

 デカールのクリアーコートの後、段差処理を行って塗膜面が平滑になる様に塗膜の研ぎ出しを行って、スケール感を損なわない様にフィニッシュしています。

Fine

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