2026/07/05 製作記事~1/72 中国殲-15(J-15A)艦載戦闘機「フライングシャーク」~(トランぺッター)~#01

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中国殲-15(J-15A)艦載戦闘機「フライングシャーク」 製作記まとめ(主に工作編)

 今回使用のキットは、ラッパのマークでお馴染みのトランぺッターから発売の1/72スケール 中国海軍艦上戦闘機 殲-15(J-15A)フライングシャークです。 このキットは、2023年にリリースでされ、前年の2022年にリリースされた同じフランカー系譜である同空軍の殲-11Bキットとのほぼ共有の無い新金型となっています。軍機密上、余りディテール画像が公開されていないこともあり、気にする事なくサクッと完成できるかも・・・と期待。でも、基本工作や補強改修は、しっかり行いたいので、ポイントを絞って改修することとします。

実機について

 実機について、1991年のソビエト連邦崩壊により建造ストップとなったウクライナの黒海造船工場において、1993年に竣工予定(1991年段階で進捗率75%)で建造中であった空母「ヴァリャーグ」を1998年に中国系民間会社が落札。中国へ回航後は、入札条件であった「軍艦として再生することを禁ずる」を有耶無耶にして、中華人民解放軍海軍に渡り中国初の空母「遼寧」として完成となります。J-15は、この中国の空母建造計画の一環で製造され、J-11B(ロシア空軍Su-27フランカーのライセンス生産機を無断改良したタイプ)をベースに、2001年頃にウクライナから入手したSu-33試作型(T-10K-3)から得られた艦上戦闘機特有部分を構造強化して試作されます。因みに機体フォルムを含め各部構成は、Su-33とほぼ同じであるとのこと。愛称は「フライングシャーク。初期試作機は6機(機番:551~556)製造され、機数不明であるが、派生型の試作機も存在する。生産型のA型は、単座の量産型で66機製造されており、空母「遼寧」と「山東」に実戦配備され運用されている。

仮組み検証

 先ずは、仮組みして全体の構成確認と問題点について検証します。 各パーツの合いは、新金型キットだけあって良好です。 モールドもスケール感を意識してしっかり入っており好感が持てます。 ただ、プラ表面は、海外キット特有の梨地となっていますので、全体的に軽く研磨が必要ですね。

 完成時の機体全体の重量バランスもチェックが必要なので、 主要パーツは、可能な限りセットします。 よって、キットの武装ミサイルも機体に仮組みセットします。 今回は、対艦攻撃用にチョイスしていますが、 詳しい資料がないので実機運用の組合せは不明。適当に見繕います。 因みに搭載空母(遼寧、山東)の艦載機運用における構造的問題(カタパルト未装備による自力滑走離陸)により、 空母発艦時は、ミサイルと燃料の満載は出来ないとのこと。

 ここで、問題発覚!。 前輪式の近代ジェット機キットにあるあるの尻餅トラブル。 本キットでは、主脚柱を支点に前部と後部がギリギリ釣り合っている状態で、 後部を上から押すと起き上がらず、尻餅状態となります。 よって、機首部分に錘を設けて尻餅対策を講じます。 ここで問題となるのが、何グラムの錘をセットしたら良いのか。 錘の重量は、重過ぎると機首前輪部に負担が掛かり、前輪柱が破損するリスク高くなり、 軽いと尻餅状態が解消できません。

尻餅状態の解消対策について

 ですので、曲げモーメント力の釣り合いの物理方式にて、 必要な錘重量を算出しこの問題を解決します。 まず、機体が尻餅付いた状態で、機体後部に掛かる重量を測ります。簡易的ですが、計測方法は、嵩上げスペーサーの台等の上に機体を載せ、尻餅をつく部分に計量はかりを置いて、 機体を尻餅させた状態で、尻餅重量を測ります。 今回は、小型デジタルはかりを使用し、計測値は、4.51グラムでした。

 次に機体後部が計量はかりに接したトコロから、主脚柱までの距離を計測します。 今回の計測値は、ほぼ100mmでした。

 更に主脚柱から、機首部の錘を仕込むトコロまでの距離を計測します。 今回の計測値は、ほぼ150mmでした。

 得られた計測値から、下記の公式に値を入力します。
(尻餅重量g)✕(後部から主脚柱までの距離mm)=(機首重量g)✕(機首から主脚柱までの距離mm)
即ち、
⇒4.51g✕100mm=(機首重量g)✕150mm
⇒451gmm÷150mm=機首重量:3.01g
よって、機首の重量は、3.01グラム以上あれば事足りることになります。尚、機首に追加が必要な錘重量の正確値は、この算出重量(3.01グラム)からキット自体の機首重量分を引くと算出できますが、 安全側(重量増)の観点から、キット自体の機首重量を0グラムとして見なし、そのまま追加する錘重量とします。上記から鉛板から3g強分を切り出して、機首錘に使用します。

 錘の設置は、キットランナー流用にてL形の錘止めを製作し、鉛板を巻き付けて機首内部に接着しました。 因みに錘の設置前では、レドーム・パーツを外すと完全に尻餅状態となるのですが、 錘をセットすると、起き上がり子法師の様に3点着陸姿勢に戻るようになりました。

 全体確認のため、嵩上げスペーサーの台等の上に機体の主脚柱のみを載せて支点とし、 機体前後の重量バランスの確認を行いました。 ご覧の通り、機体前部の重量の方が確実に重くなりました。

ミサイルとパイロンの取付け基部の補強工作

 手順上、本格組立ての前に行っておく補強工作や部分ディテールアップ工作がありますので、解説を行います。尚、実機の艦上運用制限を考慮するとミサイル満載は、困難の様ですが、見映え重視で、対艦・対空仕様での満載で仕上げます。

 先ずは、少々気が削がれるミサイル関係の製作ですが、合わせて取付け部分の補強を行っておきます。キットのミサイルとパイロンとの接合は2点の凸凹部で接着となっていますが、強度的に弱いので、接合2点の凸凹部に真鍮線0.4mmΦにて軸打ちを行います。

 次にパイロンの主翼や機体と接合するピン部にも補強のため、銅線0.27mmΦを軸心として埋め込んでいます。

 対艦ミサイル(YJ-12)は、パイロンとの接合が2点のピン接合なので、パイロンの接合するピン部に補強のため、銅線0.27mmΦを軸心として埋め込んでいます。

各翼端部のライトニングアレスタ追加工作

 キットの水平尾翼の後端部(赤丸部)に設置されているライトニングアレスタ(放電索)ですが、基部なのか、申し訳程度にしか再現されていません。

 ですので、0.2mmΦのピンバイスで先行穴開け後、黒色テグス0.13mmΦを差して瞬間接着剤にて固定します。主翼後端部(下写真:右側)もライトニングアレスタが省略されていますので、同様に再現します。因みにライトニングアレスタの再現には、金属線加工や金属製アフターパーツを使用する方法がありますが、接触した際に根本から取れてしまうケースが多いため、ディテール再現度は劣り、雰囲気重視となりますが、柔軟で折れにくい素材であるテグスを選択しています。

 次に垂直尾翼ですが、キットの方向舵部分にアンテナみたいな突起(赤丸部)がありますが、実機では、これもライトニングアレスタであり、スケールオーバーで再現されています。

 このアンテナみたいな突起をカットして、水平尾翼や主翼と同様に黒色テグス0.13mmΦにて改修します。あと、動翼感を出すため、方向舵部分の上下のラインでエッチングノコを用いて切り込みを入れています。

  今回はこの辺で、ごきげんよう。

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