三菱 零式艦上戦闘機42型へ改修 製作記まとめ(主に工作編)
2024年にファインモールドからリリースされた1/48スケール、日本の名機「ゼロ戦」52型の新金型キットです。海外メーカーから旧日本軍機の新金型キットが国内に出回る近頃、活気が失せつつある日本のメーカーの中から、海外キットの品質をも上回り、かつ革新的でまったく新しいインジェクション・キットが出現。今後のエアモデルのスタンダードとなる可能性を秘めたパーツ割り構成である一体成形された機体胴体の前後分割に全面リベット・モールド、そして風防の窓枠とガラス部分との別パーツ化、更に不要なパーツ間の継ぎ目が発生しないジョイント・レス設計等々。国内はもとより、海外に対しても、驚愕の目で迎えられているのではないでしょうか!。恐るべしファインモールド。誇るべしメイド・イン・ジャパン!。

そんなニューリリースキットを普通に製作しては、芸が無い?といきなり改造して、幻のゼロ42型へ改修する企てです。
実機情報について
42型の実機について、実在したとされる記録文書が発見されおり、2次資料として航空機雑誌や模型雑誌でも取り上げられています。ただし、実機写真は発見されていませんので、実機の細部については不明です。で、今回は、2次資料の一つであるスケールアヴィエーション 2001年11月号特集陸海軍拾遺集」における第21回「零式艦上戦闘機42型の検証」の記事内容を基にして改修製作を行います。

因みに42型(A6M4)は、昭和18年(1943年)2月に完成した22型の1機(製造番号:三菱第3525号機)を試作改修した機体で、同年4月13日から、帝国海軍航空技術廠にて審査を受けています。そして海軍航空本部の資料には、改修後の当該機体を「42型」と記載されているとのこと。
尚、改修後の3525号機は、「42型」と一度は制定されたものの、審査後の同年6月に「52型」と記載が改称されます。これは、審査で判明した不具合の指摘を受けて追加改修(標準的な52型へ改修)が加わったため形式的に次番の「52型」と改称されたのか、または、読みはヨンニイと発音しても表記の四二から(死に)が連想されることから、ゲンが悪いため欠番としたのか、真相はわかりません。もしかしたら、そのどちらも起因しているのかもしれません。
52型から42型への改修点
【主な改修ポイント】
・カウリング廻りの形状は、22型タイプと同じ。
・単排気管後部の耐熱鋼板は未設置。
・主翼フラップ幅は22型と同じだが、補助翼の配置は32型と同じ。
・主翼武装は、銃身の短い九九式二十粍一号固定機銃。
・操縦室内のループアンテナは未装備。
・機体塗装は、昭和17年12月から昭和18年6月頃までの22型基本塗装である全面明灰色。
カウリング形状の検証
今回の製作では、上記2次資料に記載された42型の形状から、キットの改修点について、いつもの通り独断に妄想を加えつつポイント解説していきます。まずは、カウリング。42型は、22型からの改修であり、発動機が同じ「中島栄21型」の52型では、ごく初期(集合排気管タイプ)でも22型のカウリングをそのまま流用していたことから、42型も同様に22型のカウリングを装着していたと考えます。標準52型のカウリングと22型(32型)のカウリングの大きな違いは、カウリング前面上部にある「気化器空気取り入れ口」の形状です。下写真左側は、タミヤ製の52型で、ズバリの形状です。そして右側は、本キットの52型カウリングなのですが、初期型を意識してか、22型と同じ端が角ばった形状となっています。ですので、少しカタチを整えればそのまま流用が可能ですね。

操縦室内の組み立て
お次は、操縦室です。厳密には、22型と52型とでは、部分的に計器配置のレイアウトやレバー・ノブ類の形状が異なりますが、今回の42型は、限りなく52型に近い状態に改修されたと想定し、キットままで進めます。キットパーツには、予め軽め孔が開いていて素晴らしいのですが、小さい孔はモールド扱いとなっています。

なので、ピンバイスで貫通孔を開けて、プチ・ディテールアップしています。また、同メーカー製アフターパーツのシートベルトの追加。操縦席を吊るゴム紐をミシン糸にて追加して、プチ・ディテールアップしています。因みにこの操縦席を吊るゴム紐は、黒色に白が混じ織りされたコードとのこと。混じ織り感が、イメージ的に捩ったミシン糸と似ているので使ってみました。

主な操縦室パーツを組み立てるとこんな感じ・・・、メッチャ精密感があります!。

反対側から見るとこんな感じで、もう追加のエッチングパーツは要りません。キットの計器盤デカール貼りで十分ですね。因みにフット・バーには、足掛け帯を鉛板にて追加しています。完成したら見えませんが・・・w。

主翼フラップ形状の検証
そして、今回改修対象となる主翼フラップの改造工作に入ります。下写真は、キット素組みのフラップ開状態。

42型のフラップは、22型と同じ長さなので、52型より一骨区間短くなります。なので、補助翼側をカットして整形します。因みに下写真は、上側のキット・フラップ閉状態パーツと下側の42型用に今回改修したフラップ開状態との形状比較です。

42型の補助翼の配置は、22型と同じでなく、翼端短縮された32型と同じタイプとなります。つまり、翼端を丸めた32型の様な体裁となり、フラップと補助翼が連続しないスリット付きの形状となりますので、キット52型の補助翼の配置をそのまま使えます。

操縦室廻りのディテールアップ
42型の操縦室内の計器盤類レイアウトは、ベースの22型を踏襲されたと考えますが、52型の先行試作機的な位置づけと解釈して、基本ほぼ52型と同じと考えて、キット素組みで進めます。尚、操縦室廻りは、やはり目が行きますので、このキットのディテール・バランスに見合ったレベルで追加ディテールアップを行います。

で、風防内部の後部外板部分を実機に合わせて凸リベットに改修します。キットでは、凹リベット・モールドになっていますね。凸リベット改修に使用ツールは、ドクターリベット(0.18Φ)とプラ板(0.14mm厚)です。

凸リベット打ちは、ドクターリベットの使用説明通りですが、リベット表面を半球状になるように追加加工しています。加工方法は、下記の【改良凸リベット打ち】を参照。

また、ヘッドレストに当たる転覆時保護支柱廻りについてディテールアップを行っています。具体的には、転覆時保護支柱のヘッドレスト・マット両側のリブの追加とその天端部の薄板追加です。因みに天端の薄板は、第3風防(天蓋)枠と接続されているので、隙間を出来るだけ詰める様に調整しておきます。

クリアーパーツの第三風防パーツを載せて見たトコロ。結構、リベット見えますね。尚、本キットの売りである風防の窓枠とガラス部分との別パーツ化を選択すると、風防クローズ状態のみとなります。今回オープン状態で製作するので、残念ですが通常のクリアー・パーツを使用します。

操縦室廻りの塗装仕上げ
風防内部の外板部分の塗装工程に入ります。先ずは、下地塗装としてグロスブラックを吹き、下地の不具合が無いか確認を行います。

続いて、操縦室内の各部塗装を行います。キットの塗装説明書を基本としますが、独自解釈による塗り分けも加えています。


塗装が完了したら、計器盤デカールを貼って乾燥後、全体を半光沢クリアーにてコートして保護して、艶消しエナメル系塗料のブラック+ダークブラウンを混色し、溶剤で2倍程度に薄めた塗料を筆で塗ってウォッシングを行います。

操縦室の各パーツを組み立てた状態。造形ディテールと塗り分け色のディテールとが相まって、リアルな情報量が満載です。


組み上がった操縦室パーツ群を機体にセットします。因みに機体側の内部、及び風防内部の外板部分の塗装は事前に終えて、操縦室と同じく半光沢クリアーにてコートして保護して、エナメル系塗料のブラック+ダークブラウン混色によるウォッシングを終えておきます。


今回はこの辺で、ごきげんよう。


コメント