2021/10/23【ご案内】月刊モデルアート(2021年12月号)作例掲載

新着情報

立川一式双発高等練習機 丙型  “飛行第38戦隊/能代飛行場”

◆作品概要◆
【キットメーカー】スペシャル・ホビー
【スケール】1/72
【機種タイプ】日本陸軍 立川一式双発高等練習機(丙)
【作品の完成】2021年09月

宣伝めいて大変恐縮なのですが、当WEBサイトをご覧頂いた模型誌「月刊モデルアート」殿からご依頼を頂き、作例製作として2021年12月号(10/26発売)「NEW KIT REVIEW」に掲載されることになりましたのでご案内いたします。

本キットのレビューや製作にかかる工作内容・塗装工程については、誌面をご覧いただくとして、作例製作を終えた感想として、最近の海外新作キットは、 1/72スケールであってもCAD化によるコンピューター制御での金型製作が可能になったためか、1/48スケールのキットと同等のパーツ構成となっているのに驚かされます。これにより素組でも完成時の精密度アップは期待できるのですが、それに比例して製作難易度もアップすることになりますので、嬉しいやら悲しいやらで少々複雑な心境になりますね。

実機情報についてですが、本機の現存機は国内外で3機が確認されています。国外保管の2機は胴体のみですが、国内保管の1機は、当時陸軍飛行第38戦隊に所属の機体で、1943(昭和18)年9月27日、操縦訓練と資材運搬を兼ねて秋田県能代飛行場から青森県八戸飛行場へ向かう途中、エンジントラブルにより同県の十和田湖に不時着水し水没したものです。

その後、2012(平成24)年8月に機体の引き上げされますが、水深57mの湖底に約70年間水没していたことによるジュラルミンと鋼材で構成される機体、及びエンジンの腐食進行が原因で、引き上げ作業の過程で胴体2か所が破断、2基のエンジンが機体から分離することになりますが、外板には穴が空いている箇所や操舵面に貼られた羽布は失われているものの、機体内外には運用時に塗られていた塗色や日の丸の赤色塗装、所属部隊を示すマーク、注意書きなどが残っている等、オリジナルの状態が比較的よく保たれており、使用当時の状態が確認できる極めて貴重な航空遺産となっています。

この国内唯一の現存機は、操縦席内に残っていた銘板などから製造番号は5541で1942(昭和17)年に製造された甲型であることが判明し、引き上げ後は2012(平成24)年11月より、青森県立三沢航空科学館にて展示されていましたが、同施設での長期的な管理保存の困難さから、2020(令和2)年12月に立川飛行機を前身とする立飛ホールディングスへ譲渡し、管理保存の引継ぎを行うことになる。尚、三沢航空科学館での展示は、2020(令和2)年11月8日で終了しています。

本作例機は航空史上は有名であるにもかかわらず、飛行機模型の世界ではマイナー機のためネット上でも参考となる実機詳細部分の写真や資料が乏しく、製作にあたっては頭を悩めるところが多々ありましたが、得られた情報からの考証にて可能な限り細部の再現を試みました。是非、誌面掲載の記事の方もご覧下さい。

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