2026/05/12 製作記事~1/48 零戦52型/三菱製・中期型(ファインモールド)⇒零戦42型へ改修~#02

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三菱 零式艦上戦闘機42型へ改修 製作記まとめ(主に工作編)

 前回では、関連資料の検証を行い、52型から42型への主な外観相違点を抽出、及びそれを受けて主翼フラップの改修、操縦室廻りのディテールアップと塗装仕上げを行いました。今回は発動機のディテールアップ・仕上げと機首カウリング廻りの考証・改修に着手します。

発動機のディテールアップ

 発動機の製作に入ります。 キットでは付属のポリキャップでプロペラを脱着式にしていますが、 今回も定番のマグネットを仕込んでプロペラ回転+脱着式に改修します。 キットパーツのプロペラ軸長を活かすため、マグネットは、発動機シリンダー・パーツに仕込みます。 マグネットは、1mm厚で直径5mmΦの市販ネオジム磁石を4枚重ねて、 前後シリンダー・パーツ間の空洞部分に仕込むとピッタリ納まります。

 また、プロペラ側には、軸部にピンバイスで孔を開けて鉄製の虫ピンを仕込み磁石の受け手とし、 かつ軸部の補強も兼用します。 この時、虫ピンが発動機側のマグネットに接する長さを調節するのですが、 プロペラ・スピンナーの基部パーツを仮組み込みしておかないと、 必要な軸長を確保出来ないので注意が必要です。

 発動機シリンダー部分を仕上げた状態です。パーツの中央にマグネットが仕込まれているのがわかりますね。因みに実機の発動機シリンダー部分は、耐熱塗料でブラック色、クランクケース部分(中央円筒部)は、ライトグレー色で塗装されていますが、模型的に組み込むと見えなくなるトコロなので、今回は、発動機シリンダー部分とクランクケース部分を共に黒系色で塗装しています。

 本キットは、発動機前部に設置されている減速機と環状のプラグコード収束管が一体パーツ化していますので、 塗り分けが必要となります。 また、今回はプラグコードを0.1mmΦの金属線(スズメッキ銅線?)を追加してディテールアップを行います。 環状のプラグコード収束管パーツのプラグコード取り出し口部にピンバイスで0.3mmΦの孔を開けて、 予め採寸しておいた金属線をV字に折り曲げ植えていき、瞬間接着剤で固定します。

 先の状態で、発動機シリンダーパーツに仮組みして、プラグコードの長さを調整し塗装を行います。 尚、発動機シリンダーパーツのプラグ位置には、事前にピンバイスで0.2mmΦの孔を開けておきます。

  発動機を構成する各パーツの塗装が完了した状態。各パーツの組み立て構成の並び順に配置しています。

 そして、発動機の各パーツを組み立てた状態。プラグコードがあるとよりディテールフルになりますね。尚、本キットでは、カウリング架までパーツ再現されており、1/32レベルのディテール再現度です。

カウリング単排気管の納まりの検証

 機首カウリング廻りの仮組み確認です。まず、気付いたトコロですが、左側カウルフラップ上部に設置されている操縦室から発動機まで伸びるプロペラピッチ操作ロッドについて、機体側の設置位置とカウルフラップの欠き込み位置とがズレています。実機と比較して、カウルフラップの欠き込み形状は合っている様なので、機体側の設置位置を下方にズラす改修が必要となります。これは、この後のカウリングフラップ廻りの改造と合わせて調整作業を行います。

 さて、42型への改修にて初の単排気管への検証が行われたのですが、2次資料に「排気熱対策の当初は、単排気管の逃げのため、前端部を絞った形状の発動機架覆いを耐熱鋼板で製作したようです」と記述があります。これをビジュアル的に妄想すると、22型からの改修のためカウルフラップには欠き込み加工を施さず、発動機架覆いの前端部を絞って単排気管が通るスペースを確保し、かつ高熱の排気煙が直接、常時吹き掛かる発動機架覆いを耐熱鋼板で製作したと解釈できます。恐らく改修方針の発想の参考例となったのは、当時既に運用配備されていた陸軍戦闘機の一式戦「隼」や二式単戦「鍾馗」における集合排気管がカウルフラップの欠き込みを行わず発動機架覆いの前端一部を欠き込む様に配置されていることからではないでしょうか。そう考えると、発動機カウリング内を通る空気量を大小適切に調整出来る様にするためには、カウルフラップ開状態時に空気量が最大となる様に各単排気管がその有効開口面積に対し障害にならない様に単排気管を通す最小スペースで発動機架覆いを絞ることで、同時にカウルフラップ閉状態時には、空気量が最小に出来る様に密閉度を考慮したと考えられます。つまり、単排気管毎、若しくは各単排気管を集約させて発動機架覆いに窪みを作ったのではないかと考える訳です。因みに実機の単排気管は、手加工で一品製作されたもので、試作終了後に量産準備中の52型の見本として外されてしまうとのこと。この経緯から各単排気管の配置レイアウトについて、52型に近いものであったかと推察出来ます。よって、本作品でも各単排気管の配置を52型に準じることとしています。これに基づき思い切って切削加工したのが下写真です。切削範囲の位置出しは、現場合わせで行いつつ調整を行っています。また、切削部の裏打ち増しが困難だったこともあり、恐る恐るリューターで切削しましたが、幸いパーツの厚みのみで対処出来ました。

 因みに量産初期の52型に単排気管が間に合わず、22型同様に集合排気管でロールアウトしていたのは周知のことですね。ラバウルにおける集合排気管装備の量産初期52型の写真は、複数機が確認できます。キット改修に戻りますと発動機架覆いの改修に伴い、各単排気管自体の形状の改修調整も必要になってきます。具体的には、各排気管がカウリングから外部に出てくる湾曲部を機体後方にズラす加工を行います。すなわち、各排気管のカウリング架に接続する部分の直後をカットし、2mmΦプラ棒で約1.5mm延長します。下写真は排気管長加工の加工前(左側)と加工後(右側)です。尚、折れ易いので延長接続に際し0.4mmΦ真鍮線にて接続補強を行っています。

 改修した各単排気管を発動機に仮組みして、カウルフラップに干渉しない様に調整した後、各排気管が納まる窪みを付けた機体側にセットして全体の納まり具合を確認します。

 この段階で、左側カウルフラップ上部に設置されている操縦室から発動機まで伸びるプロペラピッチ操作ロッドの位置について、真横から見てカウルフラップの欠き込み位置に合う様に下方へ移動調整します。尚、操作ロッドは、破損対策として0.4mmΦ真鍮線にて作り替えて補強しています。

 全体確認を終えたら、カウルフラップの欠き込み部分をプラ板で埋めて整形します。

 延長した各単排気管の先端(排気口)部を約1.5mmカットして元の長さに戻し、塗装を行い発動機パーツに本接着した状態。尚、写真に写っていませんが、42型のカウリング最下部の単排気管について、2次資料では、52型の試作段階の脚カバー焼損防止のために短縮される以前の実機長さで露出80㎝の長いタイプと同じであったとの記述がありますが、この部分の機体側も発動機覆いと同様に耐熱鋼板で製作されたと妄想し、キットままの短縮されたタイプとしています。

 更に下地塗装を行ったカウルフラップのパーツを発動機パーツに仮組みした状態です。

 

想定42型カウリング部単排気管の納まり確認

 仕上げ作業に入る前にカウリング、プロペラも仮セットして、42型の機首カウリング形状の確認を行います。カウルフラップの欠き込みが無い分、22型の名残りも残しつつ、単排気管の露出が、52型を彷彿とさせるデザインですね。正に双方の要素を持つ中間過渡期である42型に相応しい形態と思うのは私だけでしょうか。

 閉状態のカウルフラップを避けて発動機架覆いの部分絞りによる窪みから露出する各単排気管。各単排気管の排気口は、ピンバイスとリューターの併用にて凹加工して開口表現を行っています。

 この42型試作機における前端部を絞った形状の発動機架覆いを耐熱鋼板で製作する検証結果は、耐熱鋼板における鈑金加工が困難なのと材料単価が高額なため不採用とされ、後の量産機(52型)ではカウルフラップを欠き込み改修して各単排気管の逃げルートを確保した上で、発動機架覆いは、材質・形状を基に戻して排気口部に耐熱鋼板を直接リベット止めする方法に変更されます。

 今回はこの辺で、ごきげんよう。

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