アメリカ海軍 第84戦闘飛行隊 AJ-201
1978年 航空母艦ニミッツ

◆作品概要◆
【キットメーカー】ファインモールド
【スケール】1/72
【機種タイプ】アメリカ海軍 F-14Aトムキャット
【作品の完成】2026年4月

【外装工作】
・全面のスジ彫直し、全面のビス、クイックファスナー打ち直し。
・市販アフター部品(機首迎角プローブ)置換え。
・キャノピーは閉状態。
・武装追加(1/72現用アメリカ軍 航空機用ミサイルセット/ファインモールド)
→AIM-9(サイドワインダー)×2、AIM-7(スパロー)×2、AIM-54(フェニックス)×4。
【内装工作】
・基本素組み、各部プラ材・真鍮線にて内部補強。
・アフター部品(シートベルト)追加。
【塗装全般】
・本体塗装は基本迷彩を多重グラデーション法をベースにより塗色。
・機体全体のリペイントや退色感をエナメル塗料にて控えめウエザリング。
・マーキング類は、デカール(キット付属品)を使用。

本機は、アメリカ合衆国の航空機メーカー:グラマン(現ノースロップ・グラマン)社が開発した艦上戦闘機。愛称は「雄猫」を意味するトムキャットです。

本機は、第4世代ジェット戦闘機に分類され、アメリカ海軍で運用していたF-4 ファントム IIの老朽化に伴い後継艦上戦闘機として、グラマン社が開発した可変翼と長距離空対空ミサイルのAIM-54(フェニックス)の運用能力を特徴としており、1970年の初飛行を経て1973年から運用部隊に配備されました。

当時は冷戦真っ只中で、アメリカ海軍は仮想敵国(ソビエト連邦)の対艦攻撃機要撃用の機体を必要としており、当時海軍で使用していたF-4 ファントム IIおよびF-8 クルセイダーでは、ソビエト連邦のMig-25等の新型機などの出現により早晩質的優位性を失ってしまうものと考えていた。そのため、海軍はVFX(Carrier-based Fighter Experimental)プログラムを立ち上げます。

1967年10月、グラマン、マクドネル・ダグラス、リング・テムコ・ボート、ジェネラル・ダイナミクス、ノースアメリカンの5社は、この海軍はVFXプログラムに応札、グラマン社とマクドネル・ダグラス社が残った。翌年マクドネル・ダグラス社はモデル225を、グラマン社はモデル303を提示し、最終的にグラマン社が落札しすることになる。

F-14は当初、垂直尾翼が1枚だったが、海軍の異議に応じて垂直尾翼を2枚とした最終案が1969年3月に採択されます。開発を急ぐ海軍とグラマン社は、従来の試作機による性能評価の結果を踏まえつつ開発した量産型を制式採用し発注するという開発手順を踏まず、いきなり先行量産型の生産に入り、スローペースで生産する先行量産型を試作機として、各種テストを同時並行して行うクック・クレイギー計画を採用します。先行量産型は12機製造され、各機に受け持ちの性能評価項目を振り分け、迅速に開発を行うこととしました。

試作機の初飛行は、1970年12月21日に行われたが、悪天候と視界不良のために短時間で切り上げられた。9日後の再度飛行試験では、着陸時に降着装置の油圧系統が故障し墜落します。操縦士は射出座席で脱出するが、軽傷を負うことになった。その後も低速度での動作確認、可変翼、および火器の動作確認、搭載重量を増やしての飛行、搭載ミサイルの発射試験、レーダーとその他のシステム確認、地上標的に対するM61 バルカンによる攻撃テスト、海軍試験場で航空母艦での発着を想定した試験を通して発生しら不具合、トラブルや事故に対する改修が行われました。海軍による試験飛行は、1971年12月16日から行われたが、搭乗員からは着艦の際の挙動の制御が難しいためビースト(獣)と呼ばれました。翌1972年6月15日に最初のカタパルトを使用した発艦試験が空母「フォレスタル」で行われ、6月28日に初の着艦試験が同空母上で行われました。

F-14の初期導入機は、1973年より配備が開始されますが、この年は第1次オイルショックによるインフレで諸物価が高騰し、製造原価が海軍の買い取り値を超えることになります。これにより、グラマンは値上げを海軍に打診しますが、海軍から中々承諾を得られず、グラマンは多数のバックオーダーを抱えながら倒産目前にまで追いやられることになります。さすがにこの状況では、海軍も価格値上げを承諾せざるを得なくなります。

尚、1973年は、アメリカ軍がベトナム戦争からの全面撤退が開始された年でもあり、F-14の取得費用の高騰と、整備など諸費用が群を抜いて高いことが世間に知られるようになると、国内で強い非難を受けることになります。

これにより、当初のF-14の配備予定数(722機)から最終的に313機にまで圧縮されることになります。経営危機に直面したグラマン社は、アメリカの同盟国を中心にセールスを行ったが、高額な運用コストや艦隊防空を重視した複座型艦上機であるが故にユーザーが限定されたことで、各国から不採用とされます。

結局導入したのは潤沢なオイルマネーを背景に皇帝自らの指示のもと当時友好関係にあった西側諸国の最新鋭兵器を次々と導入していた、パーレビ王朝時代のイラン空軍のみでした。アメリカ海軍が調達キャンセルした分をイランへの販売に回したため赤字は免れたものの、イラン国内政変により売り切ることができずアフターサービスによる収入も途絶えた。結果として、グラマンへの利益は少なく莫大な開発費を差し引くとセールス的には失敗に近い結果であったが、経営危機をなんとか回避することができました。

本キットは、ファインモールドから新金型で2017年にリリースされ、古いが定評あるハセガワやフジミのキットと異なるコンセプトである、細部までの精密再現、各部の外部点検扉の開閉選択式での内部緻密再現により細かいパーツが多く、従来の1/48スケール・キット並の再現度となっています。

キットメーカーが、細部までの精密再現と太鼓判を押すだけあってモールドやパーツは細かく、ナナニイとしてはパーツ数が多めですが、パーツの嵌合も良く、組んだ時の隙間も概ねありません。また、パーツ間の継ぎ目は、パネルラインに合わせた設計となっているので、継ぎ目消しの作業は少なくて済みそうですが、パーツ間の継ぎ目クリアランスにより発生する「線の太さ」の違いから、パーツ表面の繊細なモールド・パネルラインとのバランス調整を考慮する必要があります。また、パーツ間やハッチパネル等の継ぎ目における微妙な面の凹凸についても留意する必要があります。あと、可変主翼や排気ノズル廻りが別パーツとなっている等、塗装工程への配慮がなされている点も特筆すべき内容です。

本作品の製作方針は素組みですが、強度上で所々で気になった箇所については補強を行っています。キットのコックピットに関して、計器モールドが彫刻されている上にデカールを貼る様に指示されていますが、マークソフターやマークセッター等のデカール軟化剤を使用してデカールをモールドに密着させると十分リアルな仕上りになります。また、パイロットシートには、別売りアフターパーツのシートベルト追加してディテールアップしています。

機首先端の迎角プローブは、強度を考慮して金属製の別売りアフターパーツを使用しています。また、機首左側面の突起である迎角プローブですが、キットでは、一体成型の凸モールドとなっていますが、プラ脱型における抜けを考慮してか短く、これも強度を考慮して金属製の別売りアフターパーツに置き換えて、ディテールアップしています。因みに迎角プローブとは、機体の進行方向に対する迎え角を検知するセンサーとのことです。

本キットでは、灯火類は全て機体本体と一体化のプラ材にて彫刻されており、クリアーパーツは用意されていません。よって、キット組立説明書通りに塗装にて表現しています。主脚・前脚部分の各オレオ部分は、ハセガワのミラーフィニッシュ・シートを貼って、キラリとする金属感でリアル感を演出しています。

エンジン排気ノズルは、キットパーツを使用しています。キットの塗装説明図では、黒鉄色と焼鉄色の組合せによる塗り分けですが、実機写真を参考にオリジナル配色を行っています。現代機特有の大量にあるコーション・デカールですが、本キットでは、小スケールを考慮してうるさくならない程度に省略化されています。

Fine



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