三菱式双発輸送機 大毎東日社『ニッポン号』 製作記まとめ(主に工作編)
前回で操縦室内外の改修、主脚廻りの改修、双垂直尾翼の改修及び機体キャビン窓廻りの改修まで終えましたので、操縦室内の仕上げ、主翼の組立て及びプロペラの回転・脱着化加工他の工程に入ります。それでは各工程の解説です。
操縦室内の塗装仕上げ
操縦室内部の塗装工程に入ります。本機は三菱社製なので、操縦室内の塗装色は、クレオスのコクピット色(C126)を使用しています。また、塗装方法は、定番のワンウェイトーン塗りで基本塗装を行い、全体をウォッシング(黒色+こげ茶色)して仕上げています。因みに計器盤等のデカールは、ハセガワ・キットのモノを流用しています。あと、各座席には、市販アフターパーツのシートベルトを追加し、筆塗りにて塗り分けています。
操縦室の内壁も同様に塗装を行っています。尚、機体キャビン内は、陰になるので、下地色のブラックのままとし、操縦室の仕上げ色がグラデーションで吹き込むことで馴染ませています。
主脚収納庫内の塗装仕上げ
同様に前回改修を終えた主脚収納庫内部の塗装工程に入ります。主脚収納庫内の塗装色は、帝国海軍機の仕様に合わせてクレオスの青竹色(C57)を使用しています。この部分も定番のワンウェイトーン塗りベースで行っています。また、主翼内部には、ベコ付き防止用の補強材として、プラ棒+エポパテを入れています。
主脚収納庫内部の塗装が完了したら、主翼の上下パーツを貼り合わせて接着します。尚、主翼内部には、ベコ付き防止用の補強材として、プラ棒+エポパテを入れています。
プロペラの回転・脱着化加工
キットのプロペラは、回転可動出来る構成となっていますが、基本接着固定なので、完成後にプロペラ軸が折れた場合、その補修等に手間が掛かります。よって、定番改修のマグネットによるプロペラの回転+脱着化方式へ変更改造を行います。プロペラ・パーツは、ディテールの出来が良いハセガワ・キットのパーツを流用します。
ハセガワ製プロペラ・パーツの軸径は、1.5mmΦなのでこれに合わせて使用する材料の大きさを設定します。プロペラ軸径には、マグネット受け金物として鋼製虫ピン(0.8mmΦ有頭ピン、一般オフィス用品)をピンバイスで孔を開け設置します。
よって、マグネット(ネオジム磁石4mmΦ、2mm厚)は、発動機側に仕込みます。尚、キット発電機カウル・パーツのプロペラ軸孔径は、プロペラ軸径より大きいのでスペーサーを設ける必要があり、ピンバイスにて2mmΦの孔を開けて調整した後、軸受け真鍮パイプ(外径2mmΦ、内径1.6mmΦ)を組み込みます。
マグネット改修のプロペラと発動機カウルを機体主翼に仮セットして、各部の納まりと全体のバランスの確認を行います。
翼端灯・尾灯の透明化改修
この時代のキットでは、翼端灯・尾灯は彩色にて仕上げるのが主流でしたので、本キットも例に漏れず機体パーツと一体化したモールド表現となっています。よって、透明化ディテール・アップ改修を行います。
翼端灯について、先ず資料本から位置と大きさを割り出し、キット・パーツにトレースしてマーキングします。続いて、マーキング部分を正確に切削し、クリアー・ランナーから切り取った小片を接着します。尚、パーツ間の隙間は、瞬間接着剤を充填して埋めます。
そして、瞬間接着剤の完全硬化を待って、主翼ラインに合わせてヤスリ等で切削・整形します。最後にコンパウンド等にて研磨し、透明度の回復作業を行って仕上げます。
尾灯についても翼端灯と同様に作業を進めますが、翼端灯と違って突出端部にあるので、接着材でのイモ付けでは、強度的に不安が残ります。ですので、補強として金属線(洋白線0.4mmΦ)を電球に見立てる体裁で、ピンバイスで孔を開けて仕込んでいます。
主翼動翼の接続補強工作
実機の主翼補助翼には、ユンカース式二重翼方式が採用されています。キットでは、主翼と補助翼とは別パーツとなった構成ですので、接続部分は点接合となり強度的不安が残ります。ですので、接合点の各部にピンバイスで孔を開けて、銅線0.27Φを仕込んで補強して接着します。因みにハセガワ・キットでは、この点を考慮してか、主翼と補助翼とは一体パーツとなっています。
更に、主翼下面に関するキット組立説明書を見てみると、主翼と補助翼とを連結する操作ロッドらしい部品(A㉛、A㉜)の取付け指示がありますが、正しくは、補助翼のバランスタブの設置なので、メーカーでの検証誤りとなります。その点、新しいハセガワ・キットでは、正しくバランスタブ・パーツで用意されていますので、ハセガワ・キットより流用します。尚、バランスタブと補助翼との接合点にピンバイスで孔を開けて、銅線0.27Φを仕込んで補強しています。
尚、主翼と補助翼とを連結する操作ロッドは、主翼上面にありますが、キット・パーツは、当時の金型技術の限界もあって、形状は太く単純化されていますので、ハセガワ・キットより流用しつつ、金属線(洋白線0.4mmΦ)を組込んで強度とディテールアップを行っています。
あと、補助翼操作ロッドと補助翼との接合点にピンバイスで孔を開けて、銅線0.27Φを仕込んで補強しています。
主翼エンジンナセル部分の主脚格納庫の開閉カバーについても、接合点にピンバイスで孔を開けて、銅線0.27Φを仕込んで補強しています。
今回はこの辺で、ごきげんよう。
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